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7日目、朝
吹雨希 悠穂
狂月 悠羅
いつも通りの声
でも、少しだけ遠く感じるような気もする
反響具合も、声のトーンもスピードも……
全部いつもと同じはずだが、どこか異質に感じる
だがそれはきっと心理的なものだろう
──なぜなら、これを聞くのは最後だろうから
人狼ゲームは今日で終わりを迎える
きっと、この声を聞くのも最後なのだろう──
狂月 悠羅
私は彼らの占い結果を思い出しながら、ぽつりと呟く
狂月 悠羅
これは安堵か覚悟か
狂月 悠羅
狂月 悠羅
今日もまた、会議が始まる
12時50分、会議室
擦り擦られの“議論”が始まる前の僅かな静寂
誰一人何も発すことがなく、時計の針だけが響く
狂月 悠羅
私が占いじゃないか、はたまた彼女が対抗でなければ、吊る必要はなかっただろうか──
そんなことを考えながら、会議の始まりを待つ
カチ
カチ
5分前になり、悠穂団長が会議室に入ってくる
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
団長はふふっと笑いながら言うが…
もう既に残り5人
誰が欠けているのかなんて、とっくにわかっている
カチ
カチ──
吹雨希 悠穂
──13時
議論が始まる
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
議論開始!!
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
神谷 健斗
神谷 健斗
鏡狂 悠斗
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
神谷 健斗
神谷 健斗
清本 祐穂
狂月悠羅→鏡狂悠斗◯ 神谷健斗→或那舞婪:狼 清本祐穂→秋谷陽菜●
神谷 健斗
鏡狂 悠斗
悠斗は数秒程黙る
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
狂月 悠羅
狂月 悠羅
神谷 健斗
或那 舞婪
或那 舞婪
或那 舞婪
神谷 健斗
神谷 健斗
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
その言葉を聞き、部屋へ戻ろうとする私達を、悠穂団長は引き留める
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
悠穂団長はニコリと笑う
有無を言わさぬその笑顔に、私達は従う他なかった
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
悠穂団長はニコリと笑う
まるで、血で汚れることを待ち望んでいたかのように
コツ、コツ
悠穂団長は1歩1歩、舞婪に近付く
或那 舞婪
舞婪は表情を強ばらせながら後退りをする
私達は、その光景をただ黙って見ていることしかできない
トン……
舞婪の背は壁に付いてしまった
逃げ場を失った舞婪に着々と近付く悠穂団長
手を伸ばせば届くほどの距離感になった時、舞婪は悠穂団長から逃げようと試みる……が
ガシッ
或那 舞婪
吹雨希 悠穂
舞婪は団長に腕を掴まれる
舞婪はその手を引き剥がそうとするが、悠穂団長によって背負い投げられてしまう
ドンッ!!
或那 舞婪
そして悠穂団長はポケットからナイフを取り出す
或那 舞婪
悠穂団長は悲鳴をあげようとする舞婪の顔を掴む
そのままナイフを振り上げ──
或那 舞婪
ドスッ
カランッ
悠穂団長は、舞婪の胸から引き抜いたナイフを床に投げ捨てる
鏡狂 悠斗
神谷 健斗
清本 祐穂
狂月 悠羅
誰1人声を出すことができず、ただその現場を見つめている
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
──生存者を4名残し、人狼ゲームは幕を閉じる
生存者 4人