作者
樹
微笑んで、まるで勝ち気な顔
触れた感触
どことなく甘い雰囲気
目の前の状況に頭がフリーズしている
まさしく予想外だった
樹
樹
ふっと笑うと、再び車の波に合流する
江名子
樹
樹
さらっと"好きな子"って言うから
その言葉に胸がぎゅっと熱くなる
江名子
樹
運転しながら、私の方に ピースをしてくる
樹
江名子
樹
江名子
樹
一瞬こちらを見た視線が
愛おしい人を見るみたいで
恥ずかしくなってしまう
でも
思わせ振りな態度をとり続けたら
樹にも失礼だ
好意を受け取ったまま
何もしないのは…違う
彼のためにも、ちゃんと言わなきゃ…
ぎゅっと手を握りしめ、呼吸を整える
江名子
江名子
江名子
樹
少しの間が続いて
ごめんしか言えない自分に 対する失望と
樹との関係が終わってしまうのではないかという不安が
私を襲った
樹
樹
窓ガラスに、彼のゆがんだ表情が 映る
江名子
樹
樹
カチッとボタンを押すと
ちょうど、今流行りの悲しい失恋曲で
樹
樹はチャンネルを変えようとしたが
諦め、また前を向く
学生時代、カフェで恋愛相談してた時も
入社してからよく飲みに行った時も
全部、全部…
江名子
樹
樹
温度のない声が
余計に私に突き刺さる
江名子
江名子
気がつくと、じわっと熱くなった 目から涙が止まらない
樹
再びハンドルが切られると、 どこか公園の駐車場に停まる
樹
樹
樹
江名子
想像はしていたはずのに。
樹
左手を伸ばすと、濡れてる頬を 拭う
樹
江名子
樹
樹
江名子
樹
盛大にむすくれると、軽くデコピンをする
江名子
樹
樹
樹
樹
樹は私に手を重ねる
樹
何て言いながら右手で頬を ぐにっと引っ張る
江名子
江名子
これが友達としての最後の時だって
そう感じていた
コメント
1件
樹よ、このままにはさせないさ。君のハッピーエンドも考えるよ😢