◆第2話◆ ♥俺だけが知ってる顔♥
yan
授業の終わり前の席からyanがくるっと振り返る。
思わずビクッとしてノートの端っこに書いてた落書きを隠した。
ur
ur
yan
yan
ur
そんな風に肩の力を抜いて喋れるようになったのはここ最近のこと。
一緒に帰るようになって
昼休みもちょいちょい話しかけてくれるようになった。
最初はただの“主人公”だった存在が
だんだん“クラスメイト”になっていく感覚。
……それだけで、内心めちゃくちゃ舞い上がってるのは内緒だけど
yan
yan
yan
ur
yan
ur
当たり前のように 俺のことわかってるみたいに言ってくるの、ズルい
図星すぎて言い返せないし。
でも断る理由もないからうなずくとyanはニカッと笑った。
その時、不意にna彡が話しかけてきた
na
na
yan
yan
ピシャリと断ったくせに、何気ない顔でこちらを振り返る。
yan
あまりに自然に言われたから
na彡が一瞬ぽかんとしてたのを、俺は見逃さなかった。
ヒロインとのビックイベントを逃した。
ur
それともただ、予定が先にあったから?
わからない。
わかるわけがない。
でも胸のどこかが、ふわっと熱くなったのは確かだった
放課後。図書室。
向かい合って机に座ると、 yanが教科書を開きながら小さく笑った
yan
ur
yan
yan
ur
yan
ちょっとイジワルな顔で笑うyan
“主人公ポジ”のくせにちょっとズルい表情もするんだって、俺だけが知っている。
図書室を出た頃には、すっかり日が傾いていた。
校舎の廊下に差し込む夕陽が
窓ガラスにオレンジ色の光を落としている。
ur
yan
yan
ur
ur
yan
くすっと笑ったyan裙が
肩をすくめて歩幅を合わせてくる。
いつの間にか“主人公” っていうフィルターを通して 見ることが少しだけ減った気がした。
ur
ふと、帰り道の途中で口にしてしまった。
自分でも驚くくらい、自然に出た疑問だった。
yan
ur
yanはポケットに手を突っ込んだまま
少し考える素振りを見せてから笑った。
yan
yan
ur
ur
yan
yan
笑われてうっかり ムッとした顔をしてしまったのかもしれない。
でもその直後、 yanはちゃんと真面目な顔で付け加えてくれた。
yan
yan
ur
yan
yan
歩きながら俺の方をちらっと見て笑うその顔に
胸がぎゅっとなる。
そんなの、ずるいだろ。
俺は“主人公の親友”っていうポジションを狙ってるだけで
それ以上なんて、望んでないはずなのに。
ur
yan
ur
気づけば自然に笑っていた。
ひとことひとことちゃんと会話を返せてる自分に驚いて
でも嬉しくて
ur
そう思った瞬間また少しだけ yanの隣が近くなった気がした。
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
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