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タカ
サキ…
タカ
もうお別れなの？
サキ
ごめんなさい…
サキ
わたしは夢の中でしか
サキ
貴方に会うことが出来ないの…
タカ
サキ…
タカ
どこにも行かないで？
タカ
ずっと俺の傍に居てほしい
タカ
初めてなんだ
タカ
こんなにも誰かを想うのは
サキ
でも、本当のわたしを知ったら
サキ
貴方はきっと
サキ
サキ
わたしを嫌いになるわ？
タカ
ならないよ！
サキ
わたしはいつか…
貴方の命を奪ってしまう
貴方の命を奪ってしまう
サキ
それが怖いの…
タカ
サキ…！！
目を覚ますと サキの姿はなかった
タカ
どんな姿でもいい…
タカ
サキ
タカ
君に会いたい…
タカ
ずっと俺の傍に
居てほしい…
居てほしい…
その日は、一日中…
サキを想って過ごした
サキ
サキ
こんばんは…
タカ
サキ！？
タカ
会いたかったよ…
タカ
一日中
サキを想ってた
サキを想ってた
サキ
…ねぇ？
サキ
本当に傍に居たいと想ってくれる？
タカ
もちろん！！
タカ
サキの傍に居られるのなら
タカ
命だって、惜しくはない
サキ
サキ
わたしが…
どんな姿でも？
どんな姿でも？
タカ
もちろんだよ
タカ
どんな姿の君も
タカ
俺は、愛せるよ…
サキ
タカ
だから…サキ
タカ
怖がらないで？
サキの白い背中に 手を伸ばす
サキ
……っ
サキ
本当のわたしは
サキ
サキ
人を魅了出来るような…
サキ
そんな姿じゃないわ
タカ
タカ
体型のこと？
タカ
気にしないよ…
タカ
俺は、サキの中身が好きなんだから…
サキの細い首に 軽く口づける
サキ
……ぁ
小さく声をあげる彼女を
かわいいと思った
翌朝
コンコン…
タカ
はい
タカ
(誰だろう？)
タカ
(こんな朝早く…)
キィィィ…
扉を開けると
見知らぬ女性が居た
……
タカ
もしかして…サキ？
分かるの…？
タカ
もちろんじゃないか！
タカ
サキ…
タカ
会いたかったよ
タカ
(本当に会えるなんて)
タカ
(夢のようだ…)
サキを力強く抱きしめる
タカ
(いい匂い…)
タカ
(チーズみたい…)
長い髪を指でとかす
…パサパサでしょう？
タカ
そんな事ない
タカ
綺麗だよ？
死人…なのに？
タカ
え…？
これはね？
他人の体なの…
他人の体なの…
わたしは…
実体を持たない悪魔
実体を持たない悪魔
サキュバスと
呼ばれているわ？
呼ばれているわ？
タカ
タカ
だから、夢の中でしか会えなかったの？
そう…
こうやって死人の体を借りないと
この世に留まることすら、出来ないの
タカ
嫌いになった？
タカ
そんな事ないよ
いつもより柔らかな皮膚に
深く、爪を立てる
…痛いわ
タカ
ごめん
タカ
(だけど…)
サキが欲しい…
…タカ…？
タカ
サキ…
タカ
ごめんっ！！
…タカ…
欲望に身を任せ
貪るように サキの体に噛みつく
タカ
うまい…
熟した血肉は
寝かせたワインのように 芳醇で
とても美味かった…
タカ
サキ…
タカ
君が悪魔でも…
俺は構わないよ？
俺は構わないよ？
タカ
だって、俺は…
タカ
人である事を
タカ
やめてしまったからね？
数日後
自分でも バカな女だと思う
悪魔のわたしが
悪魔のような男を
好きに、なるなんて…
コンコンッ…
タカ
おはよう…
タカ
会いたかった
サキ
わたしも
タカ
今日も綺麗だね
サキ
サキ
ありがとう
タカ
サキ…
タカの手が わたしを抱きしめる
サキ
(これが…)
サキ
(わたしの幸せなのよ)
タカ
ああ、いい匂い
タカ
好きだな…
タカ
サキの香り…
サキ
(だって、どんな姿のわたしも…)
サキ
(タカは変わらず、愛してくれるもの…)
タカ
今日は、水死体？
サキ
ええ…
サキ
これしか
手に入らなかったの
手に入らなかったの
サキ
サキ
嫌だった？
タカ
ううん全然
タカ
俺はサキを愛しているからね？
タカ
食べてしまいたいほどに…
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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