千夜苦 Part6

数日後

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ｶﾞﾁｬｯ

ｶﾞﾁｬｯ

声も出さず肩も揺らさず、 ただ静かに涙を流していた。 その横顔は本当に美しいもので 消え入りそうに儚かった

愛してる

あいしてる

らんあいしてる

あのね

はるね、

みんなとおはなししたい

みんなにあったら おはなししたくなる。

でもね、こえがでてくれないの なにをいうのかなにいってるのか わからなくなっちゃうの

でも、らんがいるからしあわせ

おぼえてるよ

まっかなこうよう

みんなでたくさんやくそくした

まいとしこようねって、

これからもおれたちといきてって

ずっとはるのみかただって

...はるのそばにいるって、

なんでみんないないの

この時、愛してると言った時 春は柔らかく微笑んだ。

何年も見れなかった笑顔で、。

.....まだ苦しいんだなって思った

自我があってでも何も話せない。 苦しいに決まってるよね

そんな優しく笑わないでよ、

泣きたい時は沢山泣いていいから 誰も責めないから。

鶴蝶がその笑みを写真に撮ったらしい

数年後 その写真は額に収められた