かちゃっ
黒
開いた扉の奥
綺麗な赤色が覗く
黒
微笑むと 彼の顔
ぱぁっ、と明るくなった
赤
赤
さっきの彼との温度差に 驚きながらも
黒
黒
赤
えへへ、なんて笑う彼の笑顔に危うく殺されるところだった 可愛い。
黒
赤
腕を広げると 嬉しそうに飛び込んでくる
これが第1人格か
だいぶ 甘えん坊だな そう再確認
黒
赤
腕から顔を覗かせて言う
赤
赤
黒
断るつもりなど鼻からなかったが そんな満面の笑みで言われたら 断る選択肢なんてない
赤
黒
ないこは社会不安障害をもった子だ
まだ話したことは無い、が
黒
赤
黒
嬉しそうにそれを話してみせる。 ほんとうに楽しそうだ。よほど仲が良いのだろう
黒
赤
一応ここからもきちんと情報を取っておく
逃したチャンスは二度と回ってこないから
赤
赤
黒
会社の話
飛び出た用語に意識が持っていかれる
黒
赤
赤
赤
赤
黒
空気読むのは難しい 色々な人がいる 苦笑い
会社に上手く馴染めていなかったのだろうか
赤
赤
黒
有力すぎる情報がこんなに出てくるとは思わず 忘れないように、聞き逃さないように話を続ける
赤
赤
あははっ、と笑うりうら
可愛い笑顔にどれほどの闇が塗られているか 考えるだけでおそろしい
黒
赤
喧嘩するほど仲いいとか言うやつだ。 別に重要視しなくてもいいだろう
黒
黒
赤
プクッと膨らます頬
喋りたいのは山々だが 出来れば早めに初兎のところに行きたい
それに明日の朝ごはんの献立も考えたい
…いやまてよ
黒
赤
扉を見つめていたりうらがこちらを向く
黒
赤
たたたっ、と走り出すりうら
元気だなぁ、なんて思いながら リビングで待った
赤
黒
赤
黒
無いのか。ならば明日の朝までに サプリを病院まで取りに行かなければ
赤
赤
いや、りうらは待っとって そう言いたくても きらきらした目を向けられれば 言う事は出来ない
まぁ、彼の気分転換にもなるのでは。 前向きにいこう
黒
赤
きゅっと手と手を握り合わせて 目を輝せる
そうか、きっと彼は
キツい環境にいたんたろう
その環境をの乗り越えるために 強い第2人格が出てきたわけだ
黒
赤
ありがとう、のたった一言。 きっと彼には あたりまえじゃなかったんだろう
赤
手を引っ張って先導する彼
夕日に照らされた赤が風に揺れる
黒
明るい笑顔で笑う彼は なんだかとても楽しそうだ
第一人格の彼が見ている世界は 一体どんなものなのだろう
黒
赤
彼は笑う
楽しそうに
黒
黒
今思えばなんて不器用な質問だろう
それでも彼は答えてくれる
赤
赤
赤
黒
赤
赤
赤
黒
赤
赤
赤
赤
赤
突然 歩いていた足が止まる
黒
唐突に頬に添えられた手 じんわりと体温が伝わってきた
赤
透き通る瞳が 自分を貫く
彼には一体何が見えているのだろう
黒
閉ざされた視界
感じるのは瞼におかれた 手の温かさだけ
赤
赤
赤
『なにが映っているの?』
赤
走る彼を追う
黒
『僕の世界知らないを』
何故 逃げた世界に興味を 持つのだろう
赤
赤
黒
カルテNo.1 りうら
コメント
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めちゃくちゃ好きな話!主様が書く物語も綺麗だなと思いました。続き楽しみです!
続き気になるぅぅぅッッ!!!