山川 のぞみ
山川 のぞみ
山川 のぞみ
山川 のぞみ
__これは澪さんと孝太君が付き合う前のお話です__
山川 のぞみ
相原 澪
山川 のぞみ
3月某日。 大学が春休みになったので私と澪は服を買いにデパートに来ていた。
来週は私と澪と柚月君と柚月君の友達の山崎君と水族館に行くので、新しく服を調達する為だ。 (実質 柚月君とのデートだから気合い入れないとね!)
山川 のぞみ
相原 澪
山川 のぞみ
相原 澪
相原 澪
山川 のぞみ
__なんて余裕ぶっこいてたその夜。
「のぞみさん なんか最近雪だるまみたいな体してるよ」
「僕 自己管理出来ない人ってどうかと思う」
「雪だるまと付き合った方がいいんじゃない?」
とんでもない悪夢を見た。
__風邪を引いて以来、食べたい時に食べたい物を好きなだけ食べる自堕落な生活を送っていた。
体重はかなりヤバイことになってると思う。 これは……
痩せねばならぬ…。
教室内ではあちこちでお喋りの花が咲いていた。
今は授業中だけど別に授業崩壊ではない。 家庭科の調理実習の班決めを行っているのだ。
この時期の調理実習ではお菓子を作ることが伝統になっていて、生徒達の間ではバレンタインとホワイトデーを足したようなイベントとして親しまれている。
班決めも男女問わず自由で(1班5人)、準備段階から盛り上がる。 俺のクラスも盛り上がっていた。
__昼休みに俺と柚月をどの班に入れるかで大じゃんけん大会が開かれていたし(吉田主催)
じゃんけん大会で最下位になったグループが俺と柚月の名前を追加で黒板に書くと、「カワイソー」だの「ガンバレヨ」などの野次が飛んだ。(吉田主体)
同じ班となったメンバー(二軍男子)はと言うと、俺と柚月そっちのけでお喋りに興じており時折 誰を意識してるのか「あーツイてないなー」と声を張り上げていた。
とりあえずそんな構ってちゃん達は無視することにして、俺は配布されたプリント(今年はカップケーキを作る)を眺めている柚月に視線を移した。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
鳴沢 柚月
山崎 孝太
聞き覚えのある名前を聞いた気がしなくも無い気がする。
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
柚月はしばらく顎に手をあてて考え込んでいたが やがて ぱっと顔を上げた。
鳴沢 柚月
「なぁっ!?」
二軍男子の「ツイてないなー」をかき消すくらいの声が出てしまった。
とりあえずクラスの注目を浴びてしまったので「すみません…」と頭を下げる。 喧騒が戻ってからあわてて柚月に言い募った。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
俺は熱くなった顔を覆った。
山崎 孝太
山川 のぞみ
とんでもない悪夢のおかげでダイエットの神が下りた私は、1キロのランニングを朝と夜の2回行うようにした。
正直キツイけど雪だるまとお付き合いするのは御免だ。わたし、やせる。
___今日も無事1キロ完走し、ハアハア言いながら家路につく。
熱いシャワーで汗を流してスマホを見ると、柚月君からラインが届いていた。
曰く「明日渡したい物があるから塾終わったら一緒に帰りたい」とのことだった。 あと「孝太君も澪さんに渡したい物があるから澪さんも呼んで欲しい」、とある。
とりあえず澪に「山崎君が澪に何か したいらしいから明日塾の帰り待ち伏せしようぜ」と送る。
柚月君に了解スタンプを送っていると澪から返事が来た。
「何かってなに?なぁ何かしたいってなに!?!?!?」
「それは君たちが決めることだよ😏」
澪が「!?」を連打してきたけど、とりあえず置いといて夜ご飯の準備をする。
最近の私のメニューは体に優しい海藻と豆腐。
甘い物はしばらく食べない。わたし、やせる!
山崎 孝太
鳴沢 柚月
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
相原 澪
山川 のぞみ
翌日。私は柚月君の言う通り澪を連れて塾の前で帰りを待っていた。
塾の入り口からは中学生や高校生達が ぞろぞろと出て来はじめていた。そろそろ柚月君達も出て来るはず。
相原 澪
山川 のぞみ
山川 のぞみ
私が拳を握りしめていると、
鳴沢 柚月
____いつの間にか柚月君がすぐ近くに立っていた。
山川 のぞみ
鳴沢 柚月
柚月君が指さす方を見ると、10メートルほど向こうで何やら深呼吸を繰り返していた。告白でもするのか?
山川 のぞみ
相原 澪
山川 のぞみ
私は澪の背中を押してあげると柚月君に向き直った。
山川 のぞみ
なぜか柚月君は俯いていた。さっきから元気がない気がする。
山川 のぞみ
柚月君は小さく首を横に振ると俯いたまま口を開いた。
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
柚月君は小さく頷いた。
鳴沢 柚月
鳴沢 柚月
私は柚月君の前に手のひらを差し出した。柚月君が不思議そうに瞬きする。
山川 のぞみ
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
山川 のぞみ
柚月君の表情が和らいだ。 少しだけ赤く染まった顔で綺麗にラッピングされたカップケーキを私の手に乗せた。
鳴沢 柚月
そう言って柚月君は少し得意げに笑った。
……これを拒否する方が体に毒だ。絶っっっっ対。
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
山川 のぞみ
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
相原 澪
山崎 孝太
ついに本番を迎えてしまったので深呼吸してたら向こうから声がかかった。
恐る恐る振り替えると、相原さんが斜め下に顔を向けて立っていた。
相原 澪
山崎 孝太
もう後戻りは出来ない。 覚悟を決めた。
山崎 孝太
相原 澪
山崎 孝太
そっと顔色を窺うと相原さんは瞬きを繰り返して俺を見ていた。 俺は慌てて顔を逸らした。
山崎 孝太
相原 澪
山崎 孝太
相原 澪
山崎 孝太
相原 澪
俺はリュックから丁寧にラッピングしたケーキを取り出すと、両手で差し出した。
山崎 孝太
相原 澪
相原 澪
山崎 孝太
山崎 孝太
相原 澪
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
山川 のぞみ
山川 のぞみ
山川 のぞみ
山川 のぞみ
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
鳴沢 柚月
__これは澪さんと孝太君が付き合う前のお話です__
コメント
8件
たまらんなあ(笑)
孝太君と澪さんほんっとに最高です...!まだ、付き合う前をもう一度読めて嬉しいです! のぞみさんと柚月君のラブラブシーンは前に沢山あるのに孝太君と澪さんのラブラブシーンが少ないのはどうしてでしょうか...笑笑
かわいい…かわいい…… 取り敢えずみんなかわいいです…… 予想大当たりですね!!! まだ初々しいというか、ちょっとぎこちないというか…その距離感がめちゃくちゃかわいいです