嘘つき

翔太side

俺の目の前には

呼吸を忘れたふっかがいた。

佐久間が暴れだした。

"ラウールを殺した佐久間"が。

佐久間side

やっと…、"効いてきたんだね"

もう好きにはさせない

もういいから

抗わなくていいから

みんな待ってるよ

待っててくれてる

渡辺が名前を叫んだと同時に 佐久間はその場に倒れた

何もかも忘れたように眠った

翔太side

目の前で倒れた佐久間を見て 俺は叫んだ。

何もしてない。

こんなはずじゃなかったのに…っ

渡辺は佐久間の隣に座り込む

すると

渡辺の目にあるものが映った

佐久間の近くに小さなビンが 転がっていた。

その隣には

1枚のメモも落ちてあった。

佐久間が持っていたものだろうか。

ｶｻ…

俺はメモを拾うと 折りたたまれていたところを開いた。

そこには……

佐久間へ 先に行ってしまってごめんね もし戻って来れたら…これを飲んで。 辛いだろうけど、頑張って みんなで待ってるよ

名前は破られてて見えなかったが

俺はすぐにこの字の主がわかった。

もう何年も見慣れた字。

すぐにわかった。

それに

"もし戻って来れたら"ってことは

佐久間のことに気づいてたんだ

俺のことは…わからないけど…、

もう一度メモを見る渡辺。

すると紙の右下にもう1つ 何か書かれているのを見つけた。

翔太も どうか戻ってきてください ずっと信じて待ってるよ 俺だけになっても俺は翔太を信じる

涼太の字はかすかに震えていた

死んでしまう前日に書いたものだろう

涼太だって……

俺の作ったゲームのせいで

辛かったはずなのに、

そう思うと涙が溢れた

泣きたいのは俺だけじゃない

だけどどうか許してほしい

そっか

俺はもう

1人になってしまったんだ…、

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