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マイセルセント

第2話 - 怪しげな男

2025年07月20日

#一次創作

#創作

夕狐

ルシア・カルロス

…君は…

？？？

あぁ、私はね…

シャル・ロバート

シャル・ロバートっていうんだ。よろしく

ルシア・カルロス

よろしく…

シャル・ロバート

深い青の髪色で、それ以上に深い紫のメッシュが入っており、髪色よりは明るい青色の瞳をしている

シャル・ロバート

君の名前は？

ルシア・カルロス

あ、えっと……

ルシア・カルロス

(この町では見ない顔だし、多分他国から来た人だろう…)

ルシア・カルロス

(他国の人に、安易に名前を教えるのはまずいか…)

シャル・ロバート

…では、質問を変えよう

ルシア・カルロス

…？

シャル・ロバート

君は、この国の王子かい？

ルシア・カルロス

っ！

ルシアは肩をビクつかせた

シャル・ロバート

お、当たりかい？

ルシア・カルロス

いや……外れ、だよ…

ルシアの目は左右に泳いでおり、冷や汗もかいている

シャル・ロバート

そんなに目を泳がせて、信じると思うかい？

ルシア・カルロス

う……

シャル・ロバート

この国の王子なら…君はルシア・カルロスか

ルシア・カルロス

…シャルは、かなり直球なんだね

シャル・ロバート

ん？そう思うかい？

ルシア・カルロス

うん、初対面の人に名前を聞くのは分かるけど、王子なのかを聞くのは初めてだよ

ルシアは、少し笑いながらそう言った

シャル・ロバート

そうか…だから、みんな離れて行ったのか…

ルシア・カルロス

えっ…

シャル・ロバート

いや、ただの独り言だ。それより、ルシアは一体ここで何をしているんだい？

ルシア・カルロス

あ…屋敷を抜け出して、町を散歩して、それからここに来たんだ

シャル・ロバート

へぇ…かなりの不良王子だね

ルシア・カルロス

あはは…執事二人には、いつも心配をかけているよ

シャル・ロバート

怒られることはあるのかい？

ルシア・カルロス

まぁ…夜更かしをしたり、勝手に外に出たら…説教を食らうんだ

シャル・ロバート

へぇ…

シャル・ロバート

…ルシアは、自由になりたいのかい？

ルシア・カルロス

え？

シャル・ロバート

さっき、あの猫に羨ましいという目で見ていただろう？

ルシア・カルロス

そ、そんな目をしていたのか…なんだか恥ずかしいな…

シャル・ロバート

ふふっ…猫に対して、あの様な目をする程自由になりたいのかい？

ルシア・カルロス

うーん…自由に……

ルシア・カルロス

うーーん……

ルシアは腕を組み、深々と考えた

シャル・ロバート

執事二人のことは考えないで、ルシア自身がどうしたいのか言ってごらん

ルシア・カルロス

僕自身が……

ルシア・カルロス

うーん……

ルシア・カルロス

……確かに、僕は自由になりたいな

シャル・ロバート

そうか…

ルシア・カルロス

でも、いきなりどうした？

シャル・ロバート

…ルシア

ルシア・カルロス

ん？

シャル・ロバート

君がもし良ければ、私と共に旅をしないかい？

ルシア・カルロス

…えっ…？

シャル・ロバート

あぁ、今答えを出す必要は無いよ。その代わり、これを受け取って

ルシア・カルロス

…？

シャルは一枚の折られている紙をルシアに差し出した

ルシア・カルロス

紙？

ペラ…

ルシア・カルロス

…！"イノセント町"…？

ルシア・カルロス

イノセント町って、隣町じゃ…

シャル・ロバート

そこ、私が住んでいる町なんだ

ルシア・カルロス

えっ、そうなの！？

シャル・ロバート

興味があったら、いつでもおいで。私の仲間たちも紹介しよう

ルシア・カルロス

………………

シャル・ロバート

…お、そろそろ時間だ

シャル・ロバート

またね、ルシア

ルシア・カルロス

あ、う、うん！また…

スタスタ

シャルは、ルシアに背を向けて森の奥へと進んで行った

ルシア・カルロス

…………………

ルシア・カルロス

……旅、か…

ルシア・カルロス

…………………

ルシア・カルロス

(…今日は屋敷に戻ろう。戻ってから、考えよう)

スタスタ

ルシアは紙を胸ポケットに入れて、来た道へと戻っていく

ドサッ

ルシア・カルロス

あーー、今日は色んな事があったな〜

ルシアはベッドに大の字で寝転び、天井を見つめている

ルシア・カルロス

……旅…

ルシア・カルロス

…………………

コンコン

ルシア・カルロス

！

｢ルシア様、入りますよ｣

ルシア・カルロス

あ、うん

ガチャ

イワン・フィオドール

ルシア様、紅茶のご用意ができました

ルシア・カルロス

あ、あぁ！うん、ありがとう

イワン・フィオドール

…ルシア様、その胸ポケットに入っているのは？

ルシア・カルロス

あ、こ、これは…その…

イワン・フィオドール

…また妙な物を拾ってきたんですか？

イワンは腰に手を当て、呆れたように言った

ルシア・カルロス

ひ、人がいつも妙な物を拾ってきてる様な言い方だね…

イワン・フィオドール

事実でしょう

ルシア・カルロス

う……

図星を突かれ、ルシアは何も言えなくなる

ルシア・カルロス

……実はこれ、今日会った人に貰ったんだ

イワン・フィオドール

会った人？町でですか？

ルシア・カルロス

あ、いや……森で…

イワン・フィオドール

…森で会った人？

ルシア・カルロス

(や、やっぱりそうなるか…)

イワンは目を細め、ルシアをジッと見つめる

イワン・フィオドール

…一体どんな奴と出会ったんですか？

ルシア・カルロス

えっと…深い青の髪色で、それ以上に深い紫のメッシュがあって、髪よりかは明るい青色の瞳をしていたよ

イワン・フィオドール

…そいつの名前は？

ルシア・カルロス

…シ、シャル…ロバート…

イワン・フィオドール

シャル・ロバート…

イワンは顎に手を当て、少し考え込んだ

イワン・フィオドール

…ルシア様、そのシャル・ロバートという奴はどんな奴なんですか？

ルシア・カルロス

え、だから深い青の＿＿

イワン・フィオドール

見た目の話ではありません。雰囲気とか、喋り方とかです

ルシア・カルロス

雰囲気…喋り方…うーん…

ルシア・カルロス

なんと言うか……本で見た怪しげ？な人の様だった…

イワン・フィオドール

そんな奴から渡された物、よく貰えますね…

イワンはため息混じりで、再度呆れたように言った

ルシア・カルロス

あはは…

イワン・フィオドール

…奴に、名前は教えたんですか？

ルシア・カルロス

教えたというか、当てられた感じで…

イワン・フィオドール

当てられた？

ルシア・カルロス

…君はこの国の王子なのかって聞かれて…それで……

イワン・フィオドール

直球ですね、そいつ…

ルシア・カルロス

あはは、僕もそう思うよ…

イワン・フィオドール

…で、その紙は？

ルシア・カルロス

これは、シャルが住んでいる町が書いてある紙なんだ

イワン・フィオドール

町？

ルシア・カルロス

うん、イノセント町って言うんだけど…

イワン・フィオドール

イノセント町…隣町ですね

ルシア・カルロス

うん、それで＿＿

｢君がもし良ければ、私と共に旅をしないかい？｣

ルシア・カルロス

っ………

ルシアの頭に、シャルから先程言われた言葉がよぎった

｢興味があったら、いつでもおいで｣

ルシア・カルロス

……………

イワン・フィオドール

…？ルシア様？

ルシア・カルロス

……イワン

ルシアは心を落ち着かせ、イワンの目を真っ直ぐ見つめる

ルシア・カルロス

＿＿僕、行きたい。イノセント町に

イワン・フィオドール

…えっ？

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5件

旅人かぁ〜！✨️✨️私が大好きな役職だ🥰💗 冒険って、危険だらけだけど楽しそうだよねぇ……夢が広がる😁

夕狐

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