テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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貴方の美しさに触れたくて

第10話 - 閲覧注意

200

2023年08月07日

#冬類

#青春恋愛

#恋愛

#大人ロマンス

#ミステリー

あかまる🍓🐾໊

冬弥

代償として払うもの…？

咲希

そう！

咲希

だって、私にはもう明日なんて来ないし、夢も見れない。

咲希

けど、冬弥くんはそれができる。

咲希

代償がないとフェアじゃないでしょ？

冬弥

……たしかに、

咲希

だからね、冬弥くんには代償として、人生を払ってもらう。

冬弥

人生……を？

咲希

うん！私に、冬弥くんの人生を頂戴。

冬弥

え…っと、それはどういう？

咲希

私がずっと夢の中にいるのだと仮定するでしょ？そして、冬弥くんは夢の外。

咲希

それを交換するだけ。それだけで、冬弥くんは理想の日々を手に入れることができる。

冬弥

……

咲希

ね、いい条件だと思わない？

たしかに、目を瞑ればいい条件だ。

冬弥

けれど…それは夢に過ぎないでしょう？

冬弥

ただの俺の夢、妄想、その中で生き続けろと？

咲希

何言ってるの？

咲希

今までのも全部、ぜ〜んぶ、冬弥くんの夢と妄想だよ。

冬弥

……え？

咲希

冬弥くん、何も分かってないんだね。

冬弥

…変な冗談は辞めてください

咲希

冗談なわけないよ。

咲希

いい？「類」なんて、初めから存在しないの。

冬弥

は……い？

咲希

ぜ〜んぶ、冬弥くんの夢。それも悪い夢。

冬弥

……嘘だ、

咲希

嘘じゃないよ。

冬弥

だったら……だったら俺は何者なんですか？

冬弥

この世界はなんですか？

冬弥

そもそも、今いる世界は本当に存在しているんですか？

冬弥

全部、全部誰かの夢だと言うのですか？

咲希

そ。全部夢。

冬弥

……！！

冬弥

そんなはずがない！！第1、そんなの納得出来るわけないじゃないですか！

咲希

冬弥くんが納得出来なくても、物語は変わらないよ。

冬弥

……え？

咲希

この物語は何から始まった？冬弥くんがピアノを弾くところからだよね。

咲希

夢はそこから始まったんだ。

冬弥

は……はは、

咲希

最も、これはほんの1部の夢に過ぎないよ。冬弥くんはもっとたくさんの夢を見てる。

咲希

忘れてしまってるだけでね。本当は何度も、何度も違う夢を見てるの。

咲希

この夢も、もう終わる。

冬弥

……変えられないんですか？

咲希

変わる。違う夢を見続けてる。

冬弥

そうではなく、この運命には抗えないんですか？

咲希

それがこの世のルールだから。

冬弥

……なら、もうすぐ終わってしまうんですね。

咲希

何を悲しむ必要があるの？

冬弥

この夢が覚めてしまうからです。

冬弥

大好きだったのに、

咲希

これが初めてじゃないよ。何回も言うけど、忘れてるだけ。

咲希

すぐにまた眠って、違う夢を見るよ。

冬弥

それはずっと繰り返さなければいけないんですか？

咲希

そう思い込んでるだけ。本当は繰り返してなんかいない。だって、毎回違うんだから。

冬弥

次の夢では…もう、類さんに会えないんですか？彰人や、司先輩にも…

咲希

それは夢が始まってからじゃないと分からない。

咲希

ね、難しく考えるのは良そう。

咲希

冬弥くんはただ、代償としてその人生を払ってくれればいいだけ。簡単でしょ？

冬弥

……たしかに、簡単です

冬弥

けど俺は…どうしていいのか分からないんです。

冬弥

急にこれが夢だと言われても、納得いきません。

咲希

だから、納得はいらないんだって。

咲希

私が欲しいのは同意。

冬弥

……これも夢なんですよね

咲希

うん。もちろん。

もう訳が分からない。

早く終わらせたい。そして、幸せになりたい。

冬弥

…夢なら覚めてくれ

咲希

…

咲希

分かった。払う気がないのなら…叶えてあげる。

類

おーい、冬弥く〜ん

冬弥

ﾊｯ

類

居眠り？珍しいね。

冬弥

……あ、えっと、類さん？

冬弥

あ、俺寝ちゃってました？

類

うん。風邪ひくよ？

冬弥

すみません。

冬弥

……何か、とても長い夢を見てた気がするんです。

類

夢？…そうかい。

🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪

懐かしい音が、どこからか聞こえた気がした。

だが、すぐに途絶えてしまった。

冬弥

今、音楽が聞こえて来ませんでしたか？

類

おんがく……？

類

なんだい？それは

冬弥

え？

冬弥

………………

冬弥

俺も…よく分かりません。寝ぼけてるみたいです。

類

疲れが溜まってるのかな。無理しないでね。

冬弥

はい、ありがとうございます。

冬弥

(音楽とはなんだったんだ…？俺は知っている気がする。)

ああ、そうか。夢で見ただけか。

「音楽」なんてない。所詮、夢の話だったんだ。

冬弥

(なんだ、そんなことか、)

類

ねぇねぇ、聞いてくれ。このお茶なんだけど、花の香りがするだろう？

冬弥

…本当ですね。

類

ふふ、これね、鈴蘭が入ってるんだ。

もし、先程までが夢でこれが現実なら、この物語はいつ終わるのか。

夢から覚めれば終わるのか？

夢の先…すなわち終点の先にあるものを見つけるまで、物語は終わらないのだろうか。

そう、俺はまだ呪われているんだ。

それはいつからだったか、検討もつかない。古の記憶。

俺はあの日から、ずっと夢に囚われている。

俺にはやりたいことがあった。

今、これを見てしまったあなたに問いたい。

あなたはこれが「夢」でないという事を、自信を持って証明できるだろうか。

あなたが「夢」の中で生きていないという事を、証明できますか？

俺はただ…

よくよく考えて見てほしい。

考え、悩み、気づいたらもう戻れない。

貴方もきっと、この「夢」に囚われ続けることだろう。

「夢」に囚われ続け、抜け出せなくなったとしても責任は負えない。

「貴方の美しさ」に触れたかった。

その意味も含め、これを「閲覧注意」とする。

ただそれだけだ。

貴方の夢は何色ですか？

貴方の美しさに触れたくて [完]

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200

16件

夢でも、仲間がいて、幸せであればそれでいい

深い、、生きてるってなんだろう、夢ってなんだろうって、証明する必要はあるのだろうか、もしこれが夢なら、覚めて目の前には何があるんだろう。よくわからない！！(キャパオーバー)私も、神様が見てる夢の登場人物の一人に過ぎないのかもしれないしね

あかまる🍓🐾໊

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