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かみさま

配置はこんなもんかねぇ

かみさま

よし、これでいいだろ!

かみさま

さっき連れてきた奴らの顔ときたら…くふふ、思い出すだけで笑っちまうぜ

かみさま

…アイツも慣れたもんだな、昔は可愛かったのに

かみさま

本当に傑作だった、ははは!

虚無の空間に笑い声が響く。

かみさま

…っと、こんな事してる暇はなかったな

かみさま

さっさと準備しちまわないと…

薄暗い森の中。 短く息を吹き込めば、鳥は飛び立ち、木々はざわめく。

伸び切った雑草や四方八方同一の景色が、ここは人など全く来ない森の奥地である事を示唆していた。

そのような所に男が一人。 白いワイシャツに黒のスラックス、その上に黒のトレンチコート……ハイキングには似つかわしくない服装をしたその男は、現状が理解できない様子で呆然と立ち尽くしていた。

そして、閑静な森の雰囲気をぶち壊さんとする勢いでいきなり叫び声を上げる。

影林 凛

どこだここぉぉぉぉ!!

唐突な俺の叫び声に驚いたのか。 近くの木の枝に止まっていた小鳥達が、音を立てて飛び立った。

影林 凛

…いやマジでどこ?

影林 凛

なんか毎回このくだりやってんな俺

影林 凛

毎回やってんのがおかしいんだけどね!

影林 凛

…とりあえず冷静になろう。やるべき事を考えるんだ!

影林 凛

影林 凛

わからん

影林 凛

なんせ森は初めてだからな、しょうがないだろ

影林 凛

ん〜…とりあえず歩こう。いつも通りにいくのが一番だしな

余りにも情報不足な現状に、俺の脳はあっさりパンクしてしまった。その為、早々に思考を切り捨て自らの勘を頼る事にする。 これまでも何だかんだどうにかなったのだ。そう半ば無理やり楽観的に構えると、俺は一度深呼吸をして、そのまま当ても無く歩き始めた。

――風が音を立て木々の隙間を抜けていく。俺が歩き始めてからどれほどの時間が経ったのだろうか。 左腕に巻いた、金縁が映える皮ベルトの腕時計。ほぼ毎日ピカピカに磨く程気に入っているその時計は、ふと気づいた頃には止まっていた。この世界に来たからなのか、元々壊れていたような気も……。 とにかく、時間が分からない今。 この一切景色が変わらない中歩くという行為は、結構な精神的苦痛を招く。はっきり言って辛い。

影林 凛

それにしても立派な森だなぁ…なんて、関心してる場合じゃないか

影林 凛

時計は止まっていて時間は分からないし

影林 凛

景色も全くと言って良い程変わらない

影林 凛

…どうしたもんかなぁ

どれだけ進もうと視界を彩るのは緑と茶の二色のみ。さすがに当ても無く歩き続けるのは限界だろう。

影林 凛

はぁ、もったいないが…確認する為だ

不満を追い出すように息を吐くと、俺はその場に立ち止まった。そして、コートの内から真っ黒な拳銃を一丁取り出す。 鈍く光るそれの先端を青々しい葉に遮られまだらな青空に向け、セイフティレバーを下げ引き金を引いた。 銃口から白い煙が立ち上り、乾いた銃声が響き渡る。

影林 凛

あ〜、もったいね

影林 凛

さぁ、どうだ…

銃をコートの内へ戻しすぐさま木の陰に隠れると、俺は全集中力を聴覚に費やし耳を澄ました。 だが、悲しくも聞こえてくるのは草木の揺れる音や風が木肌を撫でる音で、人らしきモノは何一つとして無い。

影林 凛

ったく、無駄撃ちだったか

近くに人がいれば銃声を聞いて動揺し、何かしら物音を立てるかと思ったのだが……どうやら不発に終わったようだ。

影林 凛

ま、こんな森ん中に誰かいるワケ無いよな…

弾を無駄にした喪失感と今後に対する不安を募らせながら、俺が再び足を動かそうとしたその時――。

???

大丈夫ですか〜‼︎

遠くの方から、こちらに向かって呼び掛ける声と、しゃりしゃりという草のひしゃげる音が聞こえた。

影林 凛

…どうやら無駄撃ちじゃなかったみたいだな

完全に諦めかけていたと言うのに差し伸べられた誰かの手。落とされてから上げられた分、かなり興奮気味の気持ちを必死に抑え呼吸を整える。 そうして少し冷静さを取り戻し、身を陰に隠したまま足音のする方へ、思い切り情けない声で助けを求めた。

影林 凛

うわぁああぁあっ‼︎ 誰かっ、誰か助けてー‼︎

すると、足音は速度を上げこちらへと近づいてくる。

続く↓

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