マニキュアと君　【lein,様ネタメモより】

※注意※ BL 赤桃 R12か15です キャラ崩壊あり

こっちの気持ちを知らないりうら。様子から気付いてくれない彼に軽く苛立ちを感じる。

彼の着ている服の裾を引っ張って気を引いた。

頑張って声を絞り出した。蚊の鳴くような声で、彼に俺の気持ちは伝わっているのだろうか。

流石に言い直しは恥ずか死ぬ…！//

どんな言葉が返ってくるんだろう、と身構えた。

驚き半分、嬉しさ半分の目をした彼。頬がかすかに紅を帯びていてより最年少味が増している。

気持ちが追い付かなくて沸騰寸前の頭。全身が熱いのはきっとそのせいだ。

微笑みながら俺の手を握る彼。心底幸せそうな表情をしたりうらはすごくかっこよくて。

と心の中で思ったのだった。

そして始めたお洒落。

今までもお洒落はしてたけど、前より少し気を入れて。

手までお洒落に飾ろうと、前々から伸ばしていた爪。

そこにベースを塗って、乾いたらシャドウを塗り重ねて…

なんて工夫してできたお洒落な俺の爪。

爪の付け根から先端にかけて 黒から赤のグラデーション。

うん。我ながらうまくできた気がする…！

メンバー全員でダンス練中。 どんっ、と思いっきり背後からりうらに抱き着く。 「抱き着く」というよりかは「ぶつかった」といった方が正しいと思うが。

りうらをバックハグしながらメンバーに一言。りうらもそれに賛同する。

嬉しそうに顔を綻ばせるりうら。彼氏とは思えないほどかわいい。

まろにきの言葉を聞いて考える。

そう考えるとゾッとする。大事な彼氏に傷をつけるわけにはいかない。

＿＿くん？

ないくんっ！

りうらの発言に相槌を打つが、内容はあんまり頭に入ってこなかった。

家に帰ってきてソファに腰掛ける。

机に置かれたままのマニキュアを睨み付けた。

ん゛～、と伸びをしてソファに寝ころぶ。

「切らないと」と「切りたくない」が頭の中でぶつかり合う。

結局その日は何も出来ず終いで一日を終えたのだった。

爪を切ろうか迷い始めてから数日。りうらと家でゴロゴロしていた時に、ふと言われた言葉にドキッとする。

りうらの表情が険しくなる。口調に混じる必死さは、俺を愛しているということを表してくれた。

なんて迷っていたら、手が温もりに包まれた。

整った顔が近付く。 恥ずかしさといたたまれなさで顔を逸らした。

改めて口に出してみたら なんてつまらないことで悩んでたんだろう、なんて思った。

りうらの方を見たら、思考が停止したような呆けた顔。

恥ずかしさでムキになって言い返すと、段々と口角が上がっていくりうら。

そして、ついに噴き出した。

さらっとイケメンなこと言うりうら。こいつ俺より年下だったよな？

さっきから俺ばっかり空回ってる感じがする。 付き合ってもお兄ちゃんらしくいようと思ってたのに…！

拗ね気味に聞くと りうらは微笑んで答えた。

俺の手を取って手の甲にキスをするものだから、色んな感情が混ざり合ってそのあとは覚えていない。