有能メイドで何が悪い！

ﾁﾘﾝｯ…

自分はいつの間にか城から だいぶ離れた山に 向かっていた

ここの山は滅多に人も来ず

ほとんど葉が揺れる 音しか聞こえない

でも何故こんな遠いところから鈴の音が聞こえたのだろう

どこか、「おいで」と言っているような気がした

ｼﾞｼﾞｯ「オスマン？今どこにいる

頼む、すぐ戻ってきてくれ

ごめんね、

また後で来るから

ちょっとまっててね

ﾁﾘﾝｯ…

あれからロゼリアの 意識が戻らず

この国の唯一たった1人の有能メイドが居ないため

みんなバタバタしていて 忙しく

それほどロゼリアに助かっていたんだと改めて思った

今はもうロゼリアには 頼れない

自分達で働かないと

トントンの部屋はいつも整理整頓されているが

これほどの忙しさになると整理する時間もなく

珍しく、いや…今では当たり前だけど

足場もないぐちゃぐちゃな部屋となっている

ゾムまで頭が回っていない

流石に1徹夜目でも隈が 酷すぎる

この部屋は書類だらけだ

トントンは書類の 確認係だからだ

その確認が終われば グルッペンへと渡る

珍しくいつもはやらない 大先生やコネシマだって書類を自分からやっている

その瞬間鈴の音が聞こえた

ﾁﾘﾝｯ…

多分、この鈴の音は

トントンとゾムの2人を 呼んでるんだと思うよ。

俺が行ってもなんとも なかったんだろうな