渡辺翔太
あの日と同じ、線路の前。
蝉の声と共に、二度とは帰らぬ君の姿がフラッシュバックしてた。
握っていたキーホルダーは、やっぱり千切れたままだった。
渡辺翔太
夏が消し去ってしまった、白い肌の彼に
哀しくなる程、取り憑かれて仕舞えればどれだけ楽だろうか_
顔を上げた時、目の前に現れたのは透明な君で
君は、俺を指差していた。
俺は、その手に引き寄せられたかのように
下がりかけていた踏切へと、足を進めたのだった。
渡辺翔太
カーン…カーン…カーン…カーン…
ミーン…ミーン
ジジジジジジ……
Fin.
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