「御二人の彼氏を1日だけお借りしてもいいかな?」
「あの2人に僕の思い描いているシチュエーションを実演して貰ってイメージを固めたいんだ」
「あのですね!あの2人はまだ18歳未満でして!」
「のぞみ、BL=エロって言うのは偏見やで」
「うっ…ごめん。………澪の声がなんだか怖いのです…」
「いや山川さんの気持ちを考えなかった僕が軽薄だった」
「山川さんの彼氏にはメイド服を着て貰おうと思ってたから」
「【俺の専属メイドがめちゃくちゃ攻めて来る】ってタイトルで小説を書こうと思ってたんだけど…」
「やっぱり女装させるのはアレだよね」
「待てい。待つのだ。 ………お主、先程何と申した?」
「やっぱり女装させるのは…」
「その前!」
「俺の専属メイドが…」
「その前!!」
「山川さんの彼氏にはメイド服を着て貰おうと…」
「場所と日にちと時間を教えなさい」
「孝太君はどんな格好すんのかも教えて」
「あと私、小説投稿サイトで柴本君フォローしたから」
山川 のぞみ
山川 なごみ
山川 のぞみ
山川 なごみ
山川 なごみ
山川 のぞみ
山川 なごみ
山川 なごみ
山川 のぞみ
山川 なごみ
山川 なごみ
柴本 桃花
日曜日の午後。 柚月君の素敵な姿を拝むことが出来る場所、柴本君の家に行くと
高校生くらいの女の子から いきなり謝罪された。土下座しそうな勢い。
柴本 桃花
柴本 桃花
噂の柴本君はと言うと、妹さんからの結構辛辣な言葉をニコニコしながら聞き流していた。
妹さんも そんな兄の様子を見てこめかみに手を当ててため息を吐いていたけど、「今日は ゆっくりして行って下さい」と言って台所に向かった。
……… …いやー分かる。上が面倒臭いと苦労するよねー。
山崎 孝太
柴本君が新しく書く小説は、御曹司とメイド(わけあって女装しているらしい)の(ボーイズ)ラブコメディー…らしい。
御曹司(総受けらしい)のモデルにされた孝太君が隣の部屋からスーツを着て出て来た。 (スーツやメイド服はドン●ホーテで購入したらしい)
初めて着たと言うわりには、スーツの広告に採用されそうなほど様になっていた。
__なんか澪が無言で孝太君のネクタイとか襟を直していた。 妻かよ。
柴本 岳人
山崎 孝太
相原 澪
柴本 岳人
柴本君が隣室に向かって呼びかけると「一応…」と控えめな声が聞こえて来た。
いや柚月君のことロールキャベツ君って呼んでるのかよ。 ____と言う思いは隣室から出て来た柚月君を見た瞬間霧散した。
ゆづきくんはメイドふくをきていた。
元々女の子のような整った顔立ちをしているので、フリルの着いた白いエプロンと黒いワンピースに何の違和感も抱かなかった。
髪も肩に届くくらいの長さでサラサラしてるのでカツラ無しでも全然問題は無い。 ……ゆづきくんはメイドふくをきていた。
柚月君は膝上丈のスカートの裾を抑えながら少し頬を染めて首を傾けた。
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
柴本 岳人
山川 なごみ
柴本 桃花
相原 澪
山崎 孝太
柴本 岳人
私と澪は大きく頷いた。
「「激しく同意」」
山崎 孝太
鳴沢 柚月
せっかくスーツ姿が決まってたのに(甲斐甲斐しく澪が手直ししてたのに)ネクタイも襟も乱れまくっていた。
メイド服の柚月君が涙目になってる孝太君の顎に手を当てた。
鳴沢 柚月
山崎 孝太
柚月君は孝太君の首に貼られた絆創膏を一息に剥がした。
2人はただ絆創膏を剥がしてただけです。
リアリティーを追及する柴本君は、出来るだけ頭の中で思い描いているシチュエーションを実演して貰ってから執筆に当たっていると言う。
すぐに楽をしようとするどこかの非リアな弟にも見習って欲しい模範的な姿勢だ。
今回は「エロ…エモい反応をする受け」のイメージを固める為 孝太君に絆創膏を貼りまくり柚月君がそれを剥がすと言う作業に出ていた。
柴本 岳人
相原 澪
山川 のぞみ
柴本 桃花
山川 なごみ
お姉ちゃん達が何か言ってる気がしたけどよく聞こえなかった。
柴本 岳人
山崎 孝太
鳴沢 柚月
柴本 岳人
山崎 孝太
柴本 岳人
山崎 孝太
___この後もしばらく どったんばったん大騒ぎ☆な演劇が繰り広げられた。
私たちはその間 写真を撮ったり録音したり動画を撮ったりしていたので退屈はしなかった。
窓の外がオレンジ色に染まった頃、柴本君の言う「パターン5」まで終了したらしい。名残惜しいなー。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
さすがに疲れた様子の2人に、違う意味でハアハア言ってる柴本君が労いの言葉をかける。
柴本 岳人
山川 なごみ
柴本 桃花
柴本 岳人
夕日が差し込むリビングに柴本君の大声が木霊した。
私と澪は大きく頷いた。
「「それな」」
「いい時間だし夜ご飯食べて行く?」
「僕は遠慮しとくよ。構成を練りたいし。今日は本当にありがとう」
「こちらこそメイド服を見せて貰って……。じゃあ4人で食べに行こうか☆」
「ナチュラルにお姉ちゃんを外さないでよ のぞみん」
「私も皆と仲良くなりたいの!あと少しでまた海外に行くからさ。ね、お願い☆」
「ええい離れぬか! 私に色仕掛けが通用するのは柚月君だけなの!」
「私が奢るからさ~」
「きゃーお姉ちゃん大好き❤」
__と言うわけでお姉ちゃんを仲間に加えて私たちは柴本家を後にした。
___て言うか外食より執筆を優先する柴本君が真面目すぎる! どこかの非リアな弟にも見習って欲し(以下略)
注文して乾杯すると、恋バナ大好きなお姉ちゃんに早速恋バナを求められた。 (実家で話したのは ほんの一部)
山川 のぞみ
山川 なごみ
山崎 孝太
相原 澪
山川 のぞみ
山川 なごみ
山川 なごみ
山川 のぞみ
山川 なごみ
鳴沢 柚月
鳴沢 柚月
山川 のぞみ
山崎 孝太
相原 澪
山川 なごみ
山川 なごみ
山川 なごみ
____店内の喧騒と熱気も一歩外に出ると空気に溶けるように消えて行った。
相原 澪
山崎 孝太
相原 澪
澪と孝太は紺色の空を見上げて同時に息を吐いた。
ここは店の外。トイレに行ったついでに2人で外に抜け出した…。
遠くに見えるビルの明かりを星に見立てて今日のコスプレ大会の話で盛り上がっていたけど
家路につく人々の往来が少なくなって来たことで、時間の経過を悟った。
相原 澪
相原 澪
山崎 孝太
これは密かに2人の時間を楽しんでいるわけではない。 逃避だ。
____店内では のぞみが情感たっぷりに澪と孝太の「馴れ初め」を語っている。
水族館で ものっ凄いドラマを起こした2人だが、今でも思い返すと猛烈な恥ずかしさに襲われてしまうので お互い触れないようにしている。
当然 第3者に語られるのもリアクションを見るのも恥ずかしいので
2人はトイレに行ったついでに外に抜け出した。
……戻ったらヒーローインタビューが待っている……
相原 澪
山崎 孝太
澪と孝太は紺色の空を見上げて同時に息を吐いた……。
「「戻りたくない………」」
コメント
8件
1章お疲れ様です! そしてあの、一言で言うと最高でした( ̄▽ ̄) 戸惑う2人も可愛いし、私もその場に行きたかったです() 2章は難航...? またラスボスが...いやそれはシーズン1ですよね 今回のラスボス枠は... とにかくめちゃくちゃ楽しみです!
にやにやしまくりました( ◜ᴗ◝) メイド服柚月くん見たい…… 描いてもいいですか……() ちなみに私は柚月くんは受け派です(((
第1章お疲れさまでした! 「柴本君」に染められて、のぞみさんも目覚めたみたいですね… 妹ちゃんのしっかり系キャラが好きです! 澪さん孝太君のやりとりが熟年夫婦…! カップル2組がますます素敵な関係になっていくのにニヤニヤしてしまいました🥰 第2章も楽しみに待ってます!!✨