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雨の止まない梅雨が過ぎ 、
今度は直射日光が 何もかもを突き刺す夏に突入した 。
夏休みが始まって早々 私達は課題を乗せた机と 、
にらめっこ大会を開催していた
本来は図書館で進めようか と提案し合ったが 、
去年の最高気温を大幅に 超えてくる予想が耳に入ってくる為
急遽変更と成った 。
茉 陽
茉 陽
晴 哉
小一時間お互い言葉を 交わす事は一切無く 、
其れを私は休憩がてら 遮ってしまった 。
迷惑だったかな 、と会話が 終了してから独り反省する 。
晴哉くんを横目にいれると
机に顔を伏せて 、 休憩を取っていた 。
反省を安心が 上書きした気分だ 。
茉 陽
晴 哉
熱気の籠もる手は 冷え切ったコップを持った 。
其れは口へと運ばれていき 、
全身の火照る熱を 少しばかり下げる 。
私がゆっくりと コップから手を話した時 、
何かの咀嚼が響く 。
茉 陽
晴 哉
私が指摘しても尚咀嚼は響く 。
知覚過敏の私は想像しただけで 歯が染みる感覚に成る 。
晴 哉
茉 陽
冷たいものが口に広がる 、 というのは余り好んでおらず
疑問形の返し方に なってしまった 。
食べたら痛いんだよなぁ 。
そう言い聞かせ 、 もう一口麦茶を含んだ 。
冷え切った麦茶広がってゆく 。
茉 陽
‘ おー ’ と無気力な声が 耳を占領しないように 、
筆記音を響かせる 。
冷えた筈の身体は 、 何時の間にかまた熱くなっている 。
透明の氷が 私の心をも映したなんて 、
見えなかったかのように没頭した 。