ここは森の奥にある一軒家
仲の良い美しい母娘が、 2人寄り添うように暮らしていました
そして、森の奥のさらにまた山奥に おばあちゃんが住んでいたのです
女の子は、 青い頭巾をいつも被っていたので、 あおずきんちゃんと呼ばれていました。
心の優しいあおずきんちゃんは、 今日も美しいお母さんに おつかいを頼まれます
亮平
あおずきんちゃん
翔太
はーい
亮平
おばあさんに、このぶどう酒とケーキを届けてきてちょうだい
翔太
はーい
亮平
よりみちしちゃだめよ
翔太
はーい
亮平
はーいしか言わないわね
翔太
だってめんどくさいし
翔太
阿部ちゃん、タクシーで行ってもいい?
亮平
翔太、俺はお母さんだから
翔太
やだよ最近陽射し強いし
翔太
遠くまで歩くのくたびれるし
翔太
だいたい
翔太
眠いし
翔太
荷物なんて今どき、宅配便使えよって感じ
亮平
翔太
亮平
わがままばっかり言ってると
亮平
怒るよ?
翔太
………こわ
翔太
行ってきます
亮平
あおずきんちゃん、くれぐれもよりみちしちゃだめよ
翔太
へいへい
亮平
ちゃんとフード被ってね
翔太
帽子ないみたいだし、ださいけど被るよ
翔太
日焼けしたくないもん
翔太
じゃ、いってきまーす
亮平
いってらっしゃーい
こうして、ちょっぴり美容にうるさい 色白のあおずきんちゃんは、 森へと出掛けました
亮平
あらやだ
あの子に、狼が出るわよって言い忘れたわ
あの子に、狼が出るわよって言い忘れたわ
亮平
ま、いっか
翔太
遠い
翔太
疲れた
翔太
俺、体力ないんだよなあ
あおずきんちゃんが ぶつぶつ文句を言いながら 山道を歩いていると、
向かいから、狼がやってきました
照
やあ、あおずきんちゃん
こんにちは
こんにちは
翔太
あっ、狼だ
翔太
かっけぇ
照
どこへ行くの?
翔太
おばあちゃんに届け物に
照
それは大変だね
翔太
普段は、Uber使ってるんだけど
翔太
たまには孫に会いたいみたいでさ
照
あおずきんちゃんはおばあさん想いなんだね
翔太
うん、まーね
翔太
ばあちゃん優しいし
翔太
結構お小遣いくれるしさ
照
優しいおばあさんなんだね
翔太
うん
照
(てか、ずきん被ってキュルキュルおめめの翔太可愛いな)
翔太
で、なんか用?
照
もし、もっとおばあちゃんに喜んで欲しかったら
照
ここらへんに生えてるお花を摘んでいきなよ
翔太
花?
照
ちょうど春だし、いっぱい咲いているよ
翔太
確かに
翔太
花持ってったら喜ぶかな?
翔太
くれる小遣いも増えたりして
あおずきんちゃんは、単純なので、 狼の口車にすぐに乗せられてしまいました
翔太
俺、頑張って摘んでくわ
照
うん、きっと喜ぶよ〜
狼は、花摘みに夢中になっている あおずきんちゃんを置いて、 おばあさんの家へと先回りしました
照
こんにちは〜
ふっか
はいはい、どちらさま
照
あなたがあおずきんちゃんのおばあさん?
ふっか
そうだけど…あの子がどうかしたのかい?
照
いただきます
ふっか
きゃっ
狼は、おばあさんを襲います
ふっか
ちょ、照…これは童話では…
照
でも台本に襲えって書いてあるし
照
とりあえず
照
ベッド行こ?
ふっか
あーれー