約束の花火#1

約束の花火から明日で１年。私はあれから何も変わらず、何も進めず

急がせなければ良かった

急がせなければ、たくやはドトールに来て浴衣を褒めてくれて、私がたくやに残しておいたココアとミラノサンドを食べて

手を繋いで花火を見るはずだった

親友の加代はそんな私を見かねて花火大会に誘ってきた。

はじめは断ったけど、加代のあまりの剣幕と、粘りに負けた。でも、浴衣は着ない。

大きな花火が打ち上がる。

なんて話をしながら花火そっちのけで話をした。

加代は心配症で家まで送ってくれた。加代、ありがと

家についてシャワーを浴びながら考えたこと。１年前と何も変わらない。たくやに会いたい。

たくやが恋しい。ベッドに横になりスマホのアプリを見る…もう、解約されているはずのたくやの名前を探す。

２３時５８分

２３時５９分６秒…

２３時５９分５７秒…

０時００分あゆみがたくやを招待しました

自分の打った言葉を見て涙が出る

…馬鹿みたい。加代に話しながらそう思ってたのに。

心臓が飛び跳ねた。

いや、体が飛び跳ねた。

横になっていたはずの体がいつのまにか座って瞬きもせずスマホを握りしめてる

何度も、何度もスマホ画面を見直す。

続く