君になりたくて

ー春休みー

明里は振り向く。

凌は立ち止まって桜の咲いた木を見つめていた。

凌はムッとさせた。

入学式の次の日

明里は玄関に貼りだされたクラス分けの名前たちを見る。

2年1組

明里と凌の名前がそこにはあった。

新しいクラスに入り、明里は自分の席に腰を下ろす。

チラッと凌の方に目を向ける。

凌は女の子たちに囲まれていた。

キーンコーンカーンコーン＿＿

放課後になり、明里はその場に立ち上がる。

凌はまたもや女の子たちに囲まれていた。

同じクラスになったってことは凌くんが女の子たちと話す姿を見なきゃいけない

そういうことでしょ……

2人の声がして後ろを振り向く。

明里は着替えて体育館に向かう。

明里は体育館の扉の前で仁王立ちしている人を見つけ立ち止まる。

この人は……！

男の子は1年生のジャージを着ていた。

記憶がフラッシュバックされる。

すると男の子はガララと体育館の扉を開け、中に入った。

ガララ……

陽真が男の子に近づく。

話し続ける陽真の脇を通り過ぎて、凌の前で立ち止まった。