ながつき
ッあ…!
Bro_ベノム
!?
毒状態
!?
ながつき
ッ…!
すぐに右手を隠した。
でも、もう遅かった。
毒状態
…ながつきくん、今の宝石はなんです?
Bro_ベノム
…二つも病気を隠してたのか…?
ながつき
ッ…ぁ"…
ながつき
お"ぇ"っ"…
また、また吐いた。
今回はかなり負の感情が溜まってる。結構吐くかも…
ながつき
ぉ"ぇ"…ハァ…
あれ…?
ながつき
…?
結構吐くと思ったんだけど…全然吐かない…
ながつき
…
…なんか、どうでもいいや…
あれ、なんで僕こんなに何も思わなく…
…どうでもいいや。なんかなんにも思わなくなってきちゃった。
辛くなくなってきた。
パキッ
Bro_ベノム
…?
楽しくなくなってきた。
パキパキッ
毒状態
…?この音は…?
面白くなくなってきた。もう何にも思わないや。
パキ、パキパキパキッ
ながつき
…ん…?
パキパキという音が鳴っているのに今気づいた。
ながつき
…あー
多分そうかな?と思い、腕をまくる。
毒状態
ッ!?
Bro_ベノム
!?
腕をまくると、それは全て腕の形をした宝石だった。でも、まだ動かせるみたい。
Bro_ベノム
ッおまっ首元!!!
ながつき
ん…
首元を左手で触ってみる。
何か硬いものを触った。多分、宝石だろう。もう首元まで進行したのか。早いなぁ。
そんなことを思っていると、
毒状態
…ッながつきくん…?
ながつき
…どうしたんですか、毒状態さん。
毒状態
…やっぱり変です…
ながつき
…?何が…?
毒状態
態度ですよ、さっきまで少しおどおどしてたのに…こう、急に全てを諦めたような…『感情がなくなってしまった』ような…
Bro_ベノム
!!!
ながつき
?
毒状態の言葉を聞いた時、ベノムが何か思い出したように顔を上げた。
Bro_ベノム
『指宝病』…!
ながつき
…なんで知ってるんですか。
Bro_ベノム
聞いたことがあったんだよ…
Bro_ベノム
たしか、その病気は…
Bro_ベノム
指から宝石になってく病気で、進行すると感情を失う、治し方は「感情を理解してもらうこと」…だったはず…
Bro_ベノム
まだ治し方はある、それさえできれば…!
ながつき
…僕に構わないでいいよ。どうせ死ぬんだから。
Bro_ベノム
…俺らが死なせない。死にたくても。絶ッ対治す。
毒状態
…そうですよ、無理にでも生かすんですから。絶対に死なせません。
ながつき
そう。好きにして。
ながつき
僕はどうでもいいから。
2人が少し涙を目に溜めながらそう言う。なんで泣きかけなのか正直わからなかった。
2人はそう言い残したあと、病室から出ていった。