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20XX年

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20XX年

1 - 20XX年

♥

15

2021年10月10日

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20XX年

私達人間が、妖怪は実際に存在すると知ってすぐの頃。

もちろん、まだそんな生活に慣れない人間は、妖怪を恐れ、避けて生活をしていた。

そんな時代にあった話

海璃

うわぁ…!

大牙

っ!?どうした?

恋人の声に驚き、隣の部屋から顔を覗かせる。

海璃

ご、ごめんなさい…びっくりして…この…子は…

大牙

……

??

?、?

私達母貝業者は海の上の小屋で仕事をしている。

恋人の海璃は、そんな時代遅れな仕事を手伝ってくれていた。

??

(*゚O゚*)

海璃

あ、ああ…そっか

可愛い顔、女の子らしい体、魚のような下半身。

海璃

人魚は喋れないんだね

??

(*´ ˘ `*)

海璃

どうしましょう…話通じますかね?

大牙

ん〜

大牙

まぁそのままにしていても大丈夫だろう、家から菓子でも持ってきて休憩にしよう

海璃

そうですね、ふふっ

大牙

…?何かおかしいか?

海璃

いえ、大牙さんぐらいの歳の人達はあまり妖怪に慣れているイメージが無いので、大牙さんらしいなぁと

大牙

ははっ、そうか

海璃のような若者は、私達のような歳をとった人間よりも慣れるのが早かった。

20も、離れているのだから。価値観の違いは多いだろう。

海璃

じゃあお菓子取ってくるから大牙さんは大人しく待ってて下さいね!

大牙

ああ、すまないな…

大牙

迷惑かけっぱなしだな、

その上私は昔から足腰が弱く、ずっと杖をついて生活してきた。

パシャッ

??

❁*·⑅*

大牙

励ましてくれてるのか?ありがとうな

??

(*ˊᵕˋ*)

慣れている訳では無い、が

こんなに馴染みやすそうなものだとは思っていなかった。

海璃

ただいま〜です!

大牙

っ…ああ、おかえり

海璃

なにかありました?眉間にしわがよってる

大牙

ははっ、元々だよ

海璃

へへ、そうかもしれませんね

??

(*´ 艸`)

そんな事があって1ヶ月

あれから毎日人魚が来て、私たちの日常は少し変わった。

もちろん、仕事場が明るくなったのもある。

それともうひとつ、まだ甘いものが食べたいのか、魚や、時々見たこともないような貝を持ってくるのだ。

初めは食べていいのか分からなかったが、その子が毒味をするかのように食べて見せた。もちろん人間と人魚の体は違うが、次第に私達でも大丈夫だということが分かった。

でも

海璃

台風凄いですね…

大牙

ああ、今日海に近づくのは危ない

海璃

そうですね…

海璃

大丈夫かな、あの子

海の危険を自分は知っている。だから近づくつもりなんてなかったはずだった。

大牙

やっぱり…行ってくる

海璃

ちょっ、何言ってるんですか!?無理ですよ、心配なのは分かりますけど

大牙

ダメだ、私は、あの子の事を考えると胸が痛む…

海璃

っ…なんで、ですか

海璃はひどく怯えているように見えた、私はいつも鈍感と言われる。また何か傷付けたのだと思った。でも止まらなかった。

大牙

あの子は元々海で「野生の」人魚として生きてきた。それを私達が変えてしまったんだ、台風のことなど知らず、浅瀬に来ていたらどうしよう。あの子は帰れなくなってしまうかもしれない…

大牙

だから…

言いかけて海璃に肩を掴まれた

海璃

落ち着いて大牙さん

海璃

海璃

俺の事、嫌いになってない?

大牙

何の話だ?

海璃

いいから

大牙

好きだから…

海璃

好きだから?なに?

海璃はある時とキレている時はタメ口になる。

大牙

何を怒ってるんだ

海璃

なーに?

そしてキレた時の海璃は結構めんどくさい。

大牙

私達には、どうやったって子供ができない。だから、3人で過ごすあの日々が、親子のようで、子供が出来たようで楽しかったんだ!

大牙

こんなおっさんが何言ってるんだかって思われるかもしれない、でも私は、あの子が我が子のように可愛い…

海璃

…分かりました、でも俺が行きます。

大牙

何言ってるんだ?

海璃

俺が行くって言ってるんですよ、あなたはここで待ってて下さい。

大牙

何度も言ってるだろう?海は危険だ!

海璃

大牙さん俺の事好きって言ったよね?ちょっとぐらいわがまま聞いてよ

大牙

お前…

海璃

あんたもうじじぃなんだから、大人しくしてろばーか!!

海璃が机に置いてあった菓子を掴んで走っていく。

大牙

海璃!

海璃

俺だって好きだもん!!大好きだもん!!

俺の足が動かないのを知っていて飛び出していく、本気なのだ

海璃

怖かった、元々ノンケの大牙さんがあの子を好きになるのが

大牙

海璃待て

海璃

でも嬉しかった!好きって言ってくれて!俺も2人の事、大切な家族だと思ってる!

海璃

だから行くよ

タメ口になるある時とキレている時、そのある時というのは怖がっている時だ。

大牙

海璃、お願いだ、待ってくれ

海璃

雨やばー!大牙さんのため!!

怖い、怖いよ大牙さん

ひとりは怖い

だから待ってて、俺はちゃんと帰るから。

海璃

人魚ちゃん

??

𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍

海璃

あぁ、良かった無事だね

海璃

今日は危ないから帰りな

??

☁︎ ⋆。 ˚✩*

海璃

全く…ほら、一緒に食べよう

??

𓂃𓍯

海璃

ん?ってあれ、俺なんで…泣いてるんだろう

??

ˊ⌄˴⁎৲ु

海璃

大牙さん、心配してるかな

海璃

ほら、今日はちょっと良い奴なんだぞ

??

.。.:*

こんなに早く歩いたのはいつぶりだろう

大牙

はぁ、はぁ…

大牙

っ…

そこには、信じられない光景が広がっていた。

潰れた建物、辺り一面まっさらなはずなのに

まるでそこだけ台風が通らなかったのかと思うほど、綺麗なままの建物があった。

どうか無事でいてくれ、私は杖を投げ出して走り出したくなるほどそう願っていた。

ガラッ!

大牙

……

海面を揺らす人魚と、床に寝そべる恋人

大牙

海璃…?

海璃

ん…大牙さん

海璃

あ、俺寝ちゃってたみたいですね

大牙

もう…!心配するだろうが!!

私は思わず海璃に抱きつく

海璃

大牙さん…?

大牙

もうこんな事はしないでくれ…

??

𓈒𓂂𓇬

大牙

お前が、護ってくれてたのか

海璃

大牙

ありがとな、

はるか遠く、 人間と妖怪が共に暮らす世界

そこに、二人の男と人魚がいたという。

その三人はいつまでも幸せに、海と共に生きていた。

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