ピンポーン
真歩
はーい
真歩
あれ、タカユキさん?どうしたんですか?
孝之
マネージャーいる?もう退院したって聞いたけど
孝之
今さらだけど、部員のみんなでお見舞い用意したんだ
真歩
ありがとうございますー!
真歩
って言っても、お姉ちゃんもう元気なんですけどね
真歩
ま、立ち話もなんですし、上がってくださーい
孝之
おじゃまします
真歩
それじゃ、部屋まで案内しますねー
コンコン…
真歩
おねーちゃん?入るよー
果歩
あれ?孝之君?
真歩
お見舞いに来てくれたんだって
果歩
そ、そうなんだ。わざわざありがとね
孝之
お、おう…
孝之
(果歩、家だとピンクのパジャマなんだ…)
孝之
(てか胸元ゆるくて、どこを見れば…)
真歩
おねーちゃん、何か羽織ってきたら?
真歩
タカユキさん、目のやり場に困ってるみたいだし~?
果歩
えっ!?あ…ちょ、ちょっと外で待ってて!
孝之
ご、ごめん!
バタン!
孝之
真歩ちゃん…あんまりからかうなよ…
真歩
えー?だって事実じゃないですかー
真歩
ところでタカユキさん、なんでおねーちゃんのことをマネージャーって呼ぶんですか?
真歩
昔はおねーちゃんのことも名前で呼んでたじゃないですかー
孝之
小学生の頃の話だろ…
孝之
それに今は部活のマネージャーなんだし、名前で呼んだら変な風に思われるだろ?
真歩
ふ~ん?
孝之
何そのニヤニヤ顔は
真歩
別に~?
ガチャ
果歩
お、おまたせ、孝之君
真歩
ささ、入って入って~
孝之
失礼します…
孝之
(果歩の部屋に入るのって、そういえば初めてだな…)
孝之
(学校だとサバサバしてるけど、けっこう可愛いぬいぐるみが多いんだな…)
果歩
あ、あんまり部屋の中見られると、ちょっと照れるかな…
孝之
あ、ご、ごめん!
真歩
おねーちゃんの部屋ってファンシーですよね~普段の性格とは大違い
果歩
真歩!
真歩
あたし、お茶持ってくるねー
真歩
それじゃお二人さん、後はごゆっくり~
タッタッタッ…
果歩
コラ!真歩!
果歩
はぁ…ごめんね、孝之君
孝之
べ、別に、気にしてないから
孝之
それに真歩ちゃんって、昔からあんな感じだっただろ?
孝之
俺とマネージャーが同じ高校になってから、特にからかうようになってきたし…
果歩
…そうだね
孝之
そ、そうだ!ほら、お見舞いのお菓子を持ってきたんだ
孝之
マネージャー、お饅頭とか好きだったよな?
果歩
えっ?…覚えててくれたの?
孝之
ま、まあな…
果歩
…嬉しい。ありがとう
孝之
(よかった…やっと笑ってくれた)
果歩
そういえば、外で話している声が聞こえたんだけど…
孝之
(外?さっきの真歩ちゃんとの会話のことかな?)
果歩
孝之君って私のこと、マネージャーって呼ぶよね?
孝之
えっ?
果歩
なのに真歩のことは名前で呼ぶし…
孝之
い、いや、それは…学校で聞かれたら、変な誤解をされるかと思って…
果歩
…今だったら、別にいいよね?
果歩
…私と孝之君しか、ここにはいないよ?
孝之
わ、わかったよ
孝之
…果歩?
果歩
…もう一回
孝之
…果歩
果歩
…孝之君
コンコン
真歩
おねーちゃん?お砂糖ってどこにあったっけー?
果歩
…ごめん、ちょっと行ってくるね
ガチャ
孝之
(び、びっくりした…果歩のやつ、どうしたんだ?)
孝之
(もしかして…果歩って俺のこと…)
ピロリン
真歩
おねーちゃんしばらく借りるので、のんびりしててくださいねー
孝之
(しばらく借りるって、何かあったのかな…)
孝之
了解です!
孝之
(のんびりしてって言われてもな…)
その時、俺の視界にあるものが見えた
孝之
(ベッド…)
孝之
(…いや、ダメだろ。考え直せ、俺)
孝之
(幼馴染のベッドに入るなんて…そんな…)
孝之
(でも…こんな機会、めったにないよな…)
孝之
(しばらく戻ってこないって、真歩ちゃんも言ってたし…)
孝之
(…ゴクリ)
バフッ
孝之
(こ、これが女の子のベッド…)
孝之
(…すげえいい匂いがする)
孝之
(これってシャンプーの香りなのか?)
孝之
(…果歩はいつも、ここで寝てるんだよな)
パシャッ!
孝之
(えっ!?)
真歩
あーあ。みーちゃった
孝之
ま、真歩ちゃん…?
真歩
タカユキさんってそんな人だったんですねー。あたしゲンメツしましたー
孝之
い、いや!これは…
真歩
だって現行犯ですよー?写真もありますしー
孝之
うっ…!
真歩
この写真、おねーちゃんが見たらどう思いますかねー?
孝之
頼む!このことは果歩には言わないでくれ!
真歩
えー?どうしよっかなー?
孝之
何でも言うこと聞くから!
真歩
……その言葉、忘れないでくださいね
タッタッタッ…
真歩
あ、おねーちゃん来たみたいですねー
孝之
あっ!ちょっと!
ガチャ
孝之
(真歩ちゃん、本当に黙っててくれるよな?)
果歩
ごめんね、待たせちゃって
果歩
果歩がお砂糖をひっくり返しちゃって…掃除してたの
孝之
そ、そうなんだ。
孝之
(どうやら話してはないみたいだな…)
ピロリン
真歩
やっほータカユキさん♪
真歩
さっきのこと、黙っててほしいですよね?
孝之
(真歩ちゃん!?)
果歩
孝之君?どうかした?
孝之
あ、その…親から連絡来たから、ちょっと返信するわ
孝之
さっき黙ってるって約束したよね?
真歩
それはタカユキさんがあたしの命令を聞いてくれたらですよー
孝之
命令?
真歩
はい!さっき「何でも言うこと聞く」って言いましたよね
孝之
そうだけど…
真歩
なので最初の命令を出します!
真歩
今からおねーちゃんとキスしてください!
孝之
そんなの無理だって!
真歩
じゃあ、おねーちゃんにさっきの写真見せますねー
孝之
それは
孝之
それはずるいって!
真歩
タカユキさんに残されているのは
真歩
命令を聞くか暴露されるかの二択ですよー
真歩
あ、ちなみに扉の隙間から見てるんで、ウソついてもダメですよー
孝之
(くそ…冗談じゃないぞ…)
孝之
(でも、さっきの写真が公になったら…)
孝之
(それが果歩以外の人にもバラされたら…)
孝之
(…やるしかない)
果歩
孝之君、さっきから顔色悪いけど…大丈夫?
孝之
…なあ、果歩
孝之
いきなりこんなこと言って、驚くかもしれないけど…
孝之
俺、果歩のことが好きなんだ
果歩
…えっ?
孝之
小学生の頃から、果歩に惚れてたんだ
果歩
そ、そんな…急に言われても…
孝之
果歩にとって、俺はどう見えているかわからないけど…
孝之
俺は…本気だから
果歩
孝之君…
そっと果歩を抱き寄せて、その顔を覗き込む
果歩が静かに、瞳を閉じるのを確認した
孝之
(…これでいいんだろ?)
ピロリン
真歩
お疲れさまです♪
真歩
次の命令も楽しみにしててくださいね♪






