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love.

E p i s o d e .5黒猫の夢

Mofu

あれ…

Mofu

ま、た…?

柔らかい陽の光で目が覚める。 いつの日か見たような景色が目の前に広がっていた。 そうだ、これは…

この前は、真っ黒な猫がいた。 檸檬色の瞳と桃色の肉球。 見ているとうっとりしてしまう。

黒猫

みゃお…?

声の元を辿ると、大きな岩の上にあの日の黒猫が可愛らしい前足を出して座っていた。

Mofu

あは…

黒猫

目が覚めたね。

Mofu

喋った…あ、夢…(笑)

黒猫

夢だなんて(笑)

黒猫

そうだね。

随分、メルヘンな夢だ。 猫が喋ったり、広大なコスモスの花畑が存在したりと… 猫に近づくと、蛙のように飛び跳ね岩から降りた。

Mofu

あ、ちょっと待って!

黒猫

Mofu

早いってッ!

黒猫

ほら、頑張れ。

Mofu

も~…

どこか、安心する猫の声を聞いていた。 このまま夢から覚めなければいいのに そんな、そんな阿呆らしい事を考えていた。

木漏れ日が異様に眩しいほど照りつけて黒猫の毛を金色に輝かせていた。 ほんの少しぬかるんだ地面には黒猫の足跡がぼんやりとついていて、それをずっと辿っていた。

黒猫

ほら!

Mofu

ん、?

黒猫

もう少しだよ

黒猫

君に____たいんだ。

Mofu

…なんて、?

聞いても、黒猫は何も言わずまた走り出した。 黒猫の声は木々のざわめきに掻き消されてしまい、聞き取ることが出来なかった。

足音ひとつない、黒猫を追いかけると公園のような場所に出た。 少し汚れたベンチや、錆びた遊具、藤が生い茂ったパーゴラがあった。 先程まで居た所は木々がまだ青緑色だったのに、ここは紅葉が進んでいた。 所々枯れて、葉がひらひら舞落ちていた

何か、感じる…ここは…

黒猫

ほら、ついたよ。

黒猫

ここに連れてきたかったんだ!

Mofu

ここ…

黒猫

どう?

Mofu

…どうって、?

黒猫

ゆっくりでいいんだ。

Mofu

何を言って…

<•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.

Mofu

ッ、?

黒猫

行ってごらんなさい

踊るような歌声が聞こえてきた。 声の主はベンチに腰掛け、手遊びをしていた。 小学生位なのに、やけに声が大人びている。

.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•

早く__くん来ないかなぁー

Mofu

あ!

くるりと振り返る少年。 目が合った途端、世界が崩れるように消えていってしまう。 目の前が暗闇に包まれていって、恐怖からか少年に触れようと手を伸ばしていた

お願いだから、もう少し夢を見させて

もう少し待ってくれよ

少年はどこか見覚えがある顔だった。

黒猫

また…

Mofu

待っッ__

Mofu

うわぁッッッ!!

汗だくで、涙が止まらない。 息が切れて、なぜか体が痛かった。

Runa

ぐっどもーにーんぐッッ!!!!

Mofu

ギャァァァァァ!?

Runa

うわぁッッ?!!

Mofu

…るなか、

Runa

びっくりした…

Runa

って、汗だく!

Mofu

あ、あぁ…

Runa

大丈夫ですか?

Mofu

ちょっと変な夢を見ただけ。

Mofu

大丈夫

Runa

私が誰だか分かります?

Mofu

俺が、覚えていられるようにしてくれるんだ。 悪いことしちゃうな、 申し訳ないや、 ありがとう。

Mofu

るな。

Mofu

俺の大切な人。

Runa

Runa

泣かせに来てるぅぅぅ…

Mofu

なんでだよ(笑)

Runa

ま、よかったです。

Runa

朝ご飯ですよ!

Mofu

ありがとう。すぐ行く

るなは、にかっ、と笑って部屋を出ていった。 窓の外で、真っ黒な鴉が忙しく鳴いていた。

少し萎れたアネモネが、俺を見つめる。 枯れてしまいそうな花にこれ程まで魅力を感じるのはなぜだろう。

Mofu

おはよ…

Siva

お、

Siva

おはよー

Eto

おはー!

Donuku

おはよう!

Runa

ჱ˶ー̀֊ー́ )

Mofu

珍しいメンツ(笑)

Siva

仕事やすみ!!

Donuku

俺もー、

Eto

暇人。

Runa

えとさんに同じく(笑)

Mofu

ははw…

苦笑いをして、椅子に腰掛けた。 机には、いい香りなフレンチトーストが白くて丸い皿に乗せてあった。 ベリー系の何かがお洒落に盛り付けてあって、涎が出そうだった。

Mofu

すご…

Siva

シヴァさん最強だから😎

Donuku

めっちゃ美味しいよ!

Runa

ほんとにそうですよね!

Eto

流石過ぎる(笑)

Mofu

ありがたく、いただきマース!

Siva

食え食え、ガリガリ。

Mofu

うるさいッッ(笑)

フォークに刺したフレンチトーストを頬張ると、口の中いっぱいに甘みが広がった。 卵や牛乳特有の香りや、狐色の焦げが美味しくて、声が漏れる。

Mofu

うま…

次から次へと口に入れると、止めどなく甘さが襲ってきて、頬が落ちそうになった。

Siva

いい反応するねぇ〜

Mofu

んふ、(笑)

Uri

俺にも頂戴。

Mofu

わッッ!?

Mofu

おお、いたんかい…

Uri

ちょーだい!

Mofu

しょーがねーな(笑)

Mofu

あーん

Uri

あー…

目を瞑り、口を開けたうりはなんだか子供みたいだった。 狐色の焦げと、卵の黄金の色が染み付いたパンをフォークに刺し、うりの口元へ運んだ。

Uri

んむ、…うッッま!!

Runa

いいなぁ♡

Eto

さっき食べたでしょ!

Donuku

しかも2人前!!

とろけるような笑い声が、リビングルームいっぱいに満ちる。 日がさしたせいか、暖かくて少し眠くなった。

食べ終えた時には、みんなが各々の用事や、趣味に没頭していた。 なにかするか と、自分も思い自室へと足を踏み出した。

るなが、なにか言いかけたけど あの時のように悲しみ混じりの笑みを見せ、 なんでもないや そう言った。

Runa

…。

Mofu

暇だな…

独り言と乾いた笑いを漏らし、何となく机に向かった。 開いたまま画面が消えたパソコンは、憎らしいほど空虚な目で俺を眺めていた。

Mofu

あ、…

そういえば、自分の病について調べたことが無いな… いつの間にかパソコンを起動して、検索をしていた。 けれど…

Mofu

Mofu

これも、違う…これも…

Mofu

あ!…違うか、

廃忘病 この病気についての記事や、情報が一切見当たらない。 記憶喪失とか、似たようなのはあるけれど…おかしいな。 珍しいと言っても、ひとつぐらいあっても良いじゃないか。 呆れていると、

Mofu

ん?……あ!!

Mofu

これ!

検索結果のずっと下にフランス語の記事があった。 フランス語はあまり自信がないから、分かる単語を繋ぎ合わせて読み取るしかない。 英語だったら良かったのに…

Mofu

…忘れる、記憶、死ぬ、

Mofu

それは、わかってるっての、!

Mofu

ん~

そんなことをしていると、興味深い物を目にした。 原因についてだった。 あの医者は、不明だと言った筈だか…

Mofu

まあ、無理もないか

Mofu

こんな、どこぞの馬の骨が書いた物なんて、簡単に信用出来ないよな…

Mofu

でも、これマジでいる医者だな…

Mofu

ッて…そんなこと考えるんじゃなくて!

これまでの患者に一致する点が多くある。あくまでも予想だ。 しかし、殆どの原因は以下にあるだろう ストレス 心的外傷後ストレス障害 に、よるものだと私は考えた。

前者のストレス というものに関しては、 物理的ストレッサー 科学的ストレッサー 心理・社会的ストレッサー この3つが該当すると考えられる。 生物的ストレッサーは、あまり関係無いようだ。

後者の 心的外傷後ストレス障害 は、俗に言うトラウマだろう。 これらの事が、病の引き金だと私は考えた。 なぜかって?

それは分からない。病気とはそんなものだ。 分からない、目に見えないなにかと戦うのだ。超常現象のようなものだと考えるといいだろう。 しかし、これらのストレスが脳や身体にとてつもない疲労となったり、攻撃になったりしている事は確かだ。 人間は脆い。 ストレスを加えると人間なら、眉が抜ける、肌が荒れる、便秘になる、歯ぎしりをする、眠れなくなる…

これまで見た患者はどの方も、なにか心に闇を抱えている。 凡人の2倍、いや5倍程大きな闇。 悩みは人それぞれだろうが、影響が特に大きい人達なのだ。 消したい、逃げたい、そんな過去や現在を否定し続け、その結果脳細胞が異常をきたす。

認知症だと思われがちだが、廃忘病は 忘れたい、逃げたい、消したい そんな強い恐ろしい気持ちが肥大化して起きるのだ。 防ぐことは到底難しい。 周囲が役立たずなのかもしれないな。 人に気づけず自分でいっぱいになる。

優しさの無い事を言わせてもらうが、 貴方は死んでしまう。 逃れられないのだ。 脳が死ねば、体も朽ちる。 人間は"歯車"なのだよ。 一つ部品が欠ければ他が無能になる。 しかし、痛みは無い。 感情も忘れ 言葉も忘れ 愛した仲間、恋人、家族すら忘れる 辛く、報われない。 筋力も低下して 歩いたり、握ったりすることもままならない。 エネルギーや体温を蓄えることが出来なくなって、眠る時間が長引いていく…

今の医学ではどうにも出来ない。 私が代表して言わせてもらおう。

人を救うのが仕事なのに、救えないとは。医者失格だ。 残る希望があるとすれば…

症状は遅らせることができる、 この事だ。 薬を服用してごらんなさい? 副反応は少しあるが、長く自分で居られる。 愛している人達を力いっぱい抱き締める事ができる。 植物状態でも、生きれる。 それも、辛いけれども いつの日か私は解決してみせよう。 この世界に溢れた不幸を消してみよう 私に何ができるか、 それは…

諦めない事だ。 貴方も、頑張って下さい。 世界のどこかで。

Mofu

Mofu

辛いな

こんなに頑張っている人が、知らない所にいるんだ。 俺…何してるんだろ… 込み上げる怒りや悲しみが、1粒の涙に消える。

Mofu

ッッ…

逃げたい過去…

そんなの…

Donuku

もふくーん!

Mofu

うおッッ?!

勢いよく閉じたパソコンをどぬくさんは不思議そうに見つめる。 やめて…

Donuku

どうしたの?

Mofu

いや、ちょっとビックリしただけ(笑)

Donuku

流れる沈黙に緊張して、背中に汗が走る。 隠し事とはこんなにも辛いのだ。

Donuku

そっか(笑)

Mofu

うん…

Mofu

で…どうしたの?

Donuku

病院の先生から電話来てたよ

Mofu

俺に…?

Donuku

だからもふくんに言いに来たんだよ(笑)

Mofu

ありがと

静かに閉じられた扉は、もふくんのどこか疲れた空気を締め出した。 ココ最近、彼は変だ… なにか隠し事でもあるんじゃないか、?

Donuku

さっき…急いでパソコン閉じたよね

Donuku

…いいよね、?

彼の為だ。 仕方ない。 パスワードはなぜか__の誕生日なのは知っている。 ホーム画面には俺たちの集合写真。

Donuku

履歴を見ようと、マウスに手をかけた

Runa

失礼します!!

Donuku

うわっ?!

Runa

…何してるんですか?!

Donuku

ち、ち、違うよ!

Runa

何か…やましい事…?!!

Donuku

違うってぇぇぇえ

Donuku

消してあげようって思って…

Runa

なるほど、優しいですね!

嘘をつくのはやっぱり心が痛いな。 もふくんも、痛いかな…

Mofu

もしもし、?

もしもし、こちら○○病院でございます。

御用はなんでしょうか?

Mofu

先程電話が来たと伺ったんですが…

Mofu

あ、僕紫雲もふです。

ああ!紫雲様ですね。

少々お待ち下さい。

Mofu

はい。

不穏な優しい音楽がなっている。 なんだろう、と考えても全く検討がつかない。 何か教えてくれるのだろうか。 考える度、強く脈打って頭に響いてしまう。

医者

もしもし、お待たせ致しました。

Mofu

大丈夫です

Mofu

あの、何でしょうか?

医者

先日、廃忘病について不明な点ばかりとお伝えしたのですが、

医者

実は海外から資料が届きまして

医者

明日、お時間を頂けないでしょうか?

医者

もふさんの未来を変えることが出来るはずです。

Mofu

勿論、大丈夫です!

医者

ありがとうございます。

医者

お時間はいつでも構いません。

Mofu

ありがとうございます

医者

では、また明日。よろしくお願いします。

Mofu

こちらこそ…

Mofu

…はあ

汗ばんだ手は電話を強く握った。 おろした手を見つめて、深い溜息を漏らした。 同時に青白くなった己の足が目にうつった。つま先が冷たく、痛かった。

Eto

何の電話?

Mofu

びょーいん。

Eto

なんかあったの?

Mofu

ッ…

Eto

…?

Mofu

検査の書類?を取りに来てって…

Eto

…そゆことね(笑)

心の中で胸を撫で下ろした。 逆立っていた全身の毛が、安心したような感じだ。 えとさんの笑った顔は、みんなを幸せにしてくれる。 暖かくて、大人っぽくて、安心する そんな顔だ。

Eto

ちょっと心配した…

Mofu

そう?

Eto

そりゃね

Mofu

元ヤンも心配はするんだ。

Eto

元ヤンじゃねーよ!

暖かい愛のこもったパンチを肩に受けた。痛いけど、凄く嬉しいんだ。 痛い。 それは、生きてる証。

Uri

俺も混ぜろぉぉおおおお!

Mofu

いてッッ!

Eto

突っ込んでくんな!(笑)

Uri

ちょっとぉ、二人だけで楽しまないでよ~

Uri

アタシの事嫌いなの?!

Eto

うり子ちゃん

Mofu

うり子www

Uri

お腹すいたわ♡

Eto

なんか食べるか!!

Mofu

いいね!

楽しいのが大好き

吹く風は、俺の背中を押した。

目の前のこの人が……__.

•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*

…__くん。

もふくん。

俺__.

Mofu

ッッ……

Mofu

あれ…

「もふくん」 君は…誰? どこかで会った? どうして…

Eto

もふ子ちゃん早く〜

Uri

パンケーキ作るわよー!

Mofu

…ごめんごめん(笑)

Mofu

パンケーキか〜、久しぶりだなぁ(笑)

Uri

腕がなるわね

Eto

いつまでそのキャラ?

Uri

Mofu

何か言えよ(笑)

フランス語は読めない。 でも、これはきっと… 読まなきゃ、私…何も役に立てないや。

亡くしたくないよ。 あの人も、何も伝えられないまま終わってしまうよ。 寂しいから、涙が止まらない。 行き場のないこの感情はどうすればいいの?

こんなんじゃ

Runa

"また"救えないよ。

好き

E p i s o d e .5 黒猫の夢 [完] next>>>♡1500 sorry🙇

Teto

夢が意味するものとは、?!

Teto

あの子は誰?

Teto

なぜ、猫が?

Teto

お次もお楽しみに!

【廃れた記憶】🧊👓

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