椿
どうしたのかしら?そんなに驚いちゃって...
夜笑
どうして...あなたがここに...
椿
小春ちゃんの家で会ったときに、また会おうって約束したじゃない
舞
この人...嫌い...
椿
私、まだ何もしてないのだけれど...
夜笑
勝手に土足で上がり込んできてウチらに何の用なの⁉︎
椿
何の用...それはアナタが一番よく分かっている筈よ?
椿
私、言ったわよねぇ?聞かなかったことにしてくれるかしらって
椿
アナタ達...天文台に行こうとしていたでしょう?
夜笑
さ、さあ?
椿
ならこの盗聴器聞く?
夜笑
チッ...
椿
なーんてウソよ♡盗聴器なんて仕掛けてないわ
椿
そうねぇ...女の勘ってヤツよ♡
夜笑
ふざけないで...本当にあなたは何がしたいの⁉︎
椿
だから何回も言ってるでしょう?私と小春ちゃんの邪魔をしないでって
椿
それを守ってくれないから、こうして私がアナタ達を止めに来たのよ
舞
大丈夫だよ姉さん...相手は1人だけだから...
椿
本当は私も彼と2人体制でここに来たかったんだけど、先約があるみたいだから...ね
椿
でも大丈夫よ、私1人でもアナタ達を止められるから
椿
いつでもかかって来てもいいわよぉ♡
地下通路
点睛
....
鳴家
やあ、久しぶりだね...元気だった?
点睛
世間話をしに来た訳じゃありません
鳴家
つれないなぁ...
点睛
何の用ですか?
鳴家
それはこっちのセリフだよ‼︎突然、招待状なんて送ってきてさ‼︎
点睛
どういうことですか?僕にも招待状が届いたんですけど?
鳴家
何それ⁉︎誰のイタズラだろう?
点睛
(恐らく燐堂さんが復讐の機会をくれたんだろうな...)
鳴家
ま、いっか‼︎僕は点睛に話したいことがあるし‼︎
点睛
奇遇ですね、僕も兄さんに話したいことがありますよ
鳴家
...へぇ、それってどんなこと?
点睛
単刀直入に言います。僕は兄さんを潰しに来ました
鳴家
それは...殺すってこと?
点睛
いえ、兄さんの情報屋としての職業を奪いに来たということです
鳴家
...どうして点睛は僕の職業を奪いに来たの?
点睛
幼少期から兄さんは情報処理能力がとても優れていて、僕にとって憧れの存在でした
点睛
やがて兄さんは家を出て表は書店、裏は情報屋という特殊な仕事をし始めました
点睛
そして僕も兄さんの背中を追うように情報屋になりました
点睛
情報屋になってからというもの、兄さんの評判は各方面で聞いてました
鳴家
え、何それ?まさか...悪い評判?
点睛
いいえ、その逆です
点睛
聚楽市の情報屋は信頼できるといった話です
鳴家
良かった〜...
点睛
そこである問題が生じるのが分かりませんか?
鳴家
問題...?
点睛
点睛
顧客の取り合いですよ
鳴家
そんなの点睛も信頼できる情報屋になれば関係ない話じゃん
点睛
確かにそうですね。しかし僕はこの業界では新参者、つまり依頼者があまり集まらないんです
点睛
だから僕は思いついたんです。同業者を潰せば、依頼者が増えるんじゃないかって
鳴家
なるほど...それで僕を情報屋から外そうって訳か...
点睛
だから
鳴家
いいんじゃない?
点睛
...は?
鳴家
僕は点睛なりの解決策を聞けただけで嬉しく思うよ
点睛
な、何でそんな快く受け入れられるんですか...?
鳴家
だって点睛は昔から引っ込み思案で自分の意見を持たない子だったじゃん
鳴家
それが今では自分が情報屋として生き残るための方法まで考えてる
鳴家
これって素晴らしいことだと思わない?
点睛
そ、そりゃあ成長してますから...
鳴家
じゃあさ、今度は僕が話していい?
点睛
はい、どうぞ...
鳴家
点睛さ、今成長してるって言ったけどさ...成長することになったきっかけとか覚えてる?
点睛
きっかけ...やっぱり幼少期にテレビに取り上げられたことですかね...
鳴家
あー、あれね‼︎確か『これぞ神の御業‼︎“神童”の生活に迫る‼︎』的なドキュメンタリー番組だったっけ?
点睛
や、やめてください...恥ずかしいです...
鳴家
でも改めて本当に凄いよね〜...
鳴家
鳴家
“物体を見ただけで完成図が頭に浮かぶ能力”って...
鳴家
それに“製作工程も頭に浮かぶ”んでしょ?そりゃ神童って呼ばれるよ〜‼︎
点睛
....
鳴家
良いよね点睛は。その“才能のおかげ”で色々な企業からオファーが殺到して有名人になっちゃってさ...
鳴家
“何も才能を与えられなかった人間”とは別で周囲にチヤホヤされてさ...
点睛
嫉妬...ですか?
鳴家
いいや、そんな簡単な物じゃないよ。これは...
鳴家
鳴家
“憎悪”だよ