【急募】灰谷蘭との別れ方

〜生徒会室〜

机に足を乗せ 駄菓子を食べながら スマホを弄る蘭を見兼ねて

とうとう鶴蝶が口を挟んだ。

ヘラヘラ笑ってみせる蘭だったが 実はかなりイラついていた。

話しかけてきた相手が 鶴蝶じゃなかったら 即顔面を狙って殴っていたで あろうくらいイラついていた。

例の竜胆の初恋相手が 見つからないのである。

メールを一斉送信して約1ヶ月。

そろそろ見つかっても おかしくない時期なはず

だが 一度見かけたが逃したと報告が あって以降、全く音沙汰もしない。

ため息を吐いた そのとき。

1人の自分の部下が 生徒会室に飛び込んできた。

思わぬ報告に スマホを放り出して驚く。

テンションが上がり、 ワクワクしながら報告を待つ。

差し出された写真を見た。

差し出された写真に写っていたのは メールの特徴とは全く違う 派手な男たちだった。

軽く凄むと そいつは怯えながら答えた。

慌ててスマホを見せてくる。

そこには

『この前メールの訂正』

という件名のメールがあった。

『灰谷さんから来たメール、 特徴が全然違ったらしいよ。 正しくは 金髪で身長が180以上ある 男だってさ。 読んだら他の人に回すように。』

急いで家に帰って メールの出所を特定する。

怒り任せにキーボードを叩く。

A高校…… 隣町の学校か…！

アドレスは、sanzu0703@… ………ちょっと待て？

苦い顔をして舌打ちをした。

顔見知り程度だが 厄介な奴だ。

ああ見えて賢い男なので 意味の無い嫌がらせはしないはずだ。

そして、蘭には三途を怒らせた 心当たりが全く無かった。

　蘭の脳内で ザマァみろと言わんばかりの 表情をした三途が鼻で笑った。

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