TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

目が覚めた場所は白い壁の保健室。

今日もまた死ねなかった。

どうやって屋上から帰ってきたかも覚えていない。

手を伸ばしたら届きそうなところに君がいるのに、 どうしても届いてくれない。

どこまでも伸びていきそうなこの手なのに、 まだ、あなたが好きなあの子を越せやしない。

あぁ、死にたい。

でも死にたくない。
彼が止めてくれるから。

何回、この身を傷つけたって、足りないくらい。 いつになっても気付いてくれない。

泣かせたくないから。

菅原考支

なぁ、今日遊びに行げる?

美愛

いいよ。

あの子は何もしなくても彼と話せるのに、 私は理由がないと話せない。

菅原君、これ...

菅原考支

どうも。ニコッ

こうやって、彼に微笑んでもらうだけで十分なはずなのに、 もし、あの子の場所に私が立ってたら、なんて考えてしまう。

はぁ、醜いな。

乾いた笑いが今日も零れる。

誰とも話さない。話せない。 ひとりぼっち。

それを隠してくれたのはあなたへの恋心。 でも、私はあなたの目には映ってくれない。 映っているのはあの子。

ねぇ、私はあなたに望んではいけない? あなたが私を好きかもしれないという1%にも満たないような確立に。

なんで、こんな見た目で、体で生まれてきたんだろう?

赤い瞳が映る鏡。

ホントは生きたい。

ホントの気持ち、届かないまま消えたくない。

でも、死にたい。
こんなの抱えながら生きたくない。

彼は、私が死ぬって知ったら止めてくれるかな?

でも、もう死ねない。
彼が、私の気持ちに気づかない。
それでいい。

私の中にいてくれれば寂しくない。

消えない痛みと消えていく記憶。 何度も繰り返して増えていく傷。

あぁ、来世で彼に会えたらな。

ここは病院。 一生治ることのない病気を抱えて、 もうすぐ消える命と、恋心を抱えて。

この作品はいかがでしたか?

60

コメント

1

ユーザー

最高です‼︎

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚