結婚式
ジェラト(牧師)
新郎慎哉、あなたは紅紫を妻とし
ジェラト(牧師)
健やかなるときも、病めるときも
ジェラト(牧師)
妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い──
ジェラト(牧師)
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?
慎哉(新郎)
誓います
ジェラト(牧師)
ジェラト(牧師)
新婦紅紫、あなたは慎哉を夫とし
ジェラト(牧師)
健やかなるときも、病めるときも
ジェラト(牧師)
夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い──
ジェラト(牧師)
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?
紅紫(新婦)
誓います
新郎新婦はお互いに向き合った
慎哉(新郎)は指輪を受け取り、紅紫(新婦)は左手を差し出す
紅紫(新婦)
左手を支えるように下から持ち、薬指にゆっくりと指輪をつける
そして今度は慎哉(新郎)が紅紫(新婦)の前に左手を差し出した
慎哉(新郎)
指輪を受け取り、それを薬指に通す
指輪交換を終えるとふたりは牧師へと向きなおる
ジェラト(牧師)
それでは“誓いのキス“を──
紅紫(新婦)のベールをめくり上げる
慎哉(新郎)
綺麗だ
紅紫(新婦)
…………
慎哉(新郎)
ほかの誰よりも、美しい──
見目麗しい紅紫(新婦)に目を細めた
そして唇を近づけ──
かばっ
紅紫
…………!?
勢いよく上半身を起こした
紅紫
紅紫
(……夢?)
紅紫
……はぁ
紅紫
(なんちゅー夢……)
結婚式の夢を見るなんて思いもしなかった
紅紫
……一応、生物学的には男なんだけどな
慎哉
…………
紅紫の横で寝息を立てている
紅紫
(──慎哉には、絶対ナイショだ)