テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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ミステリと恋は交われない

第11話 - 少し違う普通の日

286

2024年07月19日

#司類

#冬彰

#ミステリー

#ホラー

#推理

あかまる🍓🐾໊

探偵事務所玄関前

彰人(助手)

(相変わらず扉汚ぇな…)

彰人(助手)

(中は綺麗なのに、なんでここだけこんなに廃れてるのやら…)

彰人(助手)

(遅刻しないようにと思ってきたけど、早く来すぎたな。)

「〜〜〜！！」

「〜〜〜〜〜〜！」

彰人(助手)

ん？

彰人(助手)

(話し声…こんな朝っぱらから客か？)

ガチャッ

彰人(助手)

先生〜、おはようございま…

ドタンッ!!

司(警部)

い"って？！

彰人(助手)

え？！

類(探偵)

あ、ああ、彰人くん！！お、おはよう！

彰人(助手)

……

明らか動揺している先生

そして何故か上裸の警部さん

多分さっきの音は先生が警部さんを突き飛ばした音

そして、この2人は付き合っていた

彰人(助手)

…（察し）

彰人(助手)

すみません、お邪魔しました。

類(探偵)

まってまって誤解！！！！

彰人(助手)

いや、すみません。ノックもせずに入って…どうぞごゆっくり。

類(探偵)

違う！！誤解だから弁明させて！！

彰人(助手)

誤解？いやいや、どう見ても事後でしょ

司(警部)

じ？！？！

類(探偵)

ち、違うよ！！！

類(探偵)

ぼ、僕が転んで司くんに水かけちゃったから、着替えてもらってただけ！！

彰人(助手)

(司くん？)

彰人(助手)

…つーか、そもそもなんで朝から警部さんがいるんすか？

司(警部)

ああ、昨日結局(話が)止まらなくてな。泊まらせてもらったんだ。

彰人(助手)

やっぱヤってんじゃねぇか

類(探偵)

ち、違うってば！司くん言葉足りてない！

司(警部)

なにっ？！えっと、だからだな！！

〜かくかくしかじか〜

彰人(助手)

…えっと、つまり、

彰人(助手)

昨日の夜に警部さんがここに来て、そこから話してる内に暗くなってきたから泊まってもらったと…

彰人(助手)

んで、上裸なのは先生が水をぶっかけたからと。

類(探偵)

そ、そういうこと！

司(警部)

全く、誤解もいい所だ。

彰人(助手)

ははっ、すみません。

彰人(助手)

(なんか前みたいな気まずそうな雰囲気無くなったな…復縁したのか？)

彰人(助手)

(ま、どっちでもいっか。)

類(探偵)

あ、そうだ。彰人くんに頼みたいことがあるんだけど、

彰人(助手)

はい、何すか？

類(探偵)

来週の水曜日から金曜日、ちょっと旅行へ行くから…その間、ここの留守番頼めるかい？

彰人(助手)

え、留守番？

類(探偵)

そう。もしお客さんが来たら、また後日来てくださいって言ってくれればいいから。

彰人(助手)

了解っす。

彰人(助手)

それにしても、先生が旅行なんて珍しいっすね。誰と……

司(警部)

…

類(探偵)

…

彰人(助手)

…あーー、なるほど。

彰人(助手)

ま、楽しんできてください。

類(探偵)

う、うん。ありがとう。

彰人(助手)

つーか、警部さんはいつまでいるんすか？

司(警部)

とりあえずは類が買い物から帰ってくるまで。

彰人(助手)

はあ…

彰人(助手)

(この人…が、先生を振ったんだよな？)

彰人(助手)

(なんとなく先生の勘違いな気がするけど…)

司(警部)

お前は…その、類とも随分打ち解けてるようだが…

彰人(助手)

あー、安心してください。お互いに恋愛感情とか一切無いですから。

司(警部)

そ、そうか。

彰人(助手)

てか警部さん、先生と旅行行くんすよね？どこ行くんすか？

司(警部)

スキーだ。類が昔行きたがってたからな。

彰人(助手)

へぇ、スキー…警部さんってスキー出来るんすか？

司(警部)

まぁ…運動神経はいい方なんでな。

彰人(助手)

へぇ〜

彰人(助手)

スキーって日帰りっすか？

司(警部)

いや、スキー場の近くのホテルで2泊3日する予定だ。

司(警部)

近くにはスキー以外の施設もあるし、そこら辺も回ろうと思ってる。

彰人(助手)

へぇ、ホテルねぇ…

司(警部)

…なんだ

彰人(助手)

別に？

司(警部)

…お前も知ってるだろう。今はもう、俺と類は恋人じゃないんだ。

司(警部)

今は…まぁ、ただの知り合いと言ったところだな。

彰人(助手)

え〜？けど、まだ好きなんじゃないんですか？

司(警部)

…

彰人(助手)

沈黙は肯定っすよ

司(警部)

う、うるさいな。お前には関係無いだろう。

彰人(助手)

そっすね〜。関係はないけど、興味はあります。

彰人(助手)

まだ好きなら、なんで先生と別れたんですか？

司(警部)

……

司(警部)

…分からん、こっちが聞きたい。

司(警部)

一方的に別れを告げられた身にもなって欲しいものだ…

彰人(助手)

え？

彰人(助手)

ちょっと待ってください。今の言い方だと、警部さんが振られたみたいになりますけど…

司(警部)

振られたんだ。

彰人(助手)

え？？

彰人(助手)

(どういう事だ？先生も振られたって…)

ガチャッ

類(探偵)

ただいま〜…って、司くんまだいたんだ。

司(警部)

おかえり。帰るタイミングを見失ってな。

類(探偵)

ふーん…お昼も食べてく？

彰人(助手)

(帰って欲しくないんだな…)

司(警部)

あ…じゃあ、いいか？

彰人(助手)

(帰りたくないんだな…)

彰人(助手)

(俺は一刻も早く帰りてぇけど…)

類(探偵)

彰人くん？材料買ってきたけど…今日は司くんの分もいいかな？

彰人(助手)

え？あー、はい。どーぞ。

司(警部)

ん？お前が料理してるのか？

彰人(助手)

はい。先生は台所出禁なんで。

類(探偵)

酷いよねぇ

彰人(助手)

アンタのせいで事務所が火事になりかけたの分かってます？？

類(探偵)

ﾌｲｯ

司(警部)

お前…やっぱり料理は出来ないんだな…

類(探偵)

う、うるさいな。

彰人(助手)

…って、先生野菜は？

類(探偵)

え？買うわけないじゃないか。

彰人(助手)

ったく、またかよ…

司(警部)

"また"？？

彰人(助手)

だから先生に買い物させたくないんすよ…今日は買い置きでなんとかするか。

類(探偵)

え、野菜の買い置きなんてあるの？！

彰人(助手)

はい。アンタにバレないように隠して置いてます。

司(警部)

お前優秀だな。

類(探偵)

悪魔だ……

彰人(助手)

はいはい。作ってくるんで適当に待っててくださいね。

司(警部)

助手の…彰人だったか？料理もできるなんて優秀だな。

類(探偵)

だろう？若いのにすごいよね。

司(警部)

お前が何も出来ないだけでは…？

類(探偵)

それは……否定はしないよ。

類(探偵)

あ、ねぇ。旅行なんだけど、スキー場の近くに水族館があったんだ。

類(探偵)

そこも行ってみたいんだけど…

司(警部)

いいな、行くか。

類(探偵)

(前も…こうして、一緒にデートプラン立てたな、)

類(探偵)

(いやいや、今回のはデートじゃないけど！)

類(探偵)

(彼にとっては、相手が僕じゃなくても変わらないんだろうし…でも、)

類(探偵)

(楽しみ…だな、旅行…)

彰人(助手)

はーい、出来ましたよ。簡単なやつですけど。

司(警部)

おお！オムライスか！

司(警部)

…む！美味いな！！

彰人(助手)

お口に合って良かったです。

類(探偵)

彰人くん料理上手だよねぇ、毎度感心するよ。

彰人(助手)

先生〜？玉ねぎだけ皿の端に集めて何してるんすか？

類(探偵)

うっ、た、玉ねぎを入れる君が悪いよ。

司(警部)

ちゃんと食べなさい

類(探偵)

やだ

彰人(助手)

ったく…ま、予想はついてましたけど。

彰人(助手)

せめて一欠片だけでも食ってくださいね。

類(探偵)

うぅ…

司(警部)

しかし…彰人はいい嫁になるだろうな。料理もできて掃除もできるし。

彰人(助手)

嫁ってw俺男っすよ？

司(警部)

今の時代じゃそんなの特に関係ないだろう。冬弥にはこうして料理を振る舞う事はあるのか？

彰人(助手)

冬弥に？いや、無いっすね。基本外食。

司(警部)

そうなのか。作ってやったら冬弥も喜びそうなんだがなぁ。

類(探偵)

彼も自炊出来ないタイプなのかい？

司(警部)

ああ。ウチの寮は食事付きじゃないから、基本カップ麺を食べてると言っとったな。

彰人(助手)

え、マジすか？！不健康…

類(探偵)

まぁ、忙しいしねぇ…仕方ない気もするけど。

司(警部)

まぁな。…って、どさくさに紛れて俺の皿に玉ねぎを入れるな！！

類(探偵)

おや、このくらい君なら食べれるだろう？

司(警部)

そういう問題じゃない！！

司(警部)

ここでもう大丈夫だ。

類(探偵)

そうかい？

司(警部)

ああ。泊まりに食事までありがとう。

類(探偵)

うん。

司(警部)

来週の水曜日、朝から迎えに行くからな。ちゃんと起きるんだぞ。

類(探偵)

はいはい。

司(警部)

…じゃあ、また水曜日。

類(探偵)

…うん、またね。

類(探偵)

(そういえば司くん…あれから恋人はいないんだよね、)

類(探偵)

(他の人が好きで僕と別れたんじゃないなら…やっぱり、僕が面倒くさくなったのかな。)

類(探偵)

(…なんで、あの時振られたんだろう、)

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