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ひらり🦋
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耀聖(ようせい)
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深い深い海の底から、青い青い闇の中を
ゆっくりと浮かび上がってきた透明な泡が
光を孕んだ海面に触れてぱちんと弾けた。
───そんなふうに、はっと目が覚めた。
濁流のような鼓動が、耳の奥でこだましている。
バクバクと暴れる心臓が内側から激しく胸を打ち、
痛いくらいだった。
全身がぐっしょりと汗ばんでいる。
背中がぞくりとするほど悪寒がするのに、
顔だけが妙に熱い。
私はしばらく布団の上に横たわったまま、
目を見開いて天井の染みを眺めていた。
あれはなんの染みだっけ…。
そうだ、小一の時、バレンタインの日に優海と
チョコレート爆弾を作って天井に投げつけたんだ。
あの時は、『食べ物で遊んだらいかん』って、
ふたりしておばあちゃんにずいぶんおこられたっけ…
でも私は初めておばあちゃんに叱られて、怖かったけど少し嬉しくもあって…。
ぼんやりと考えているうちに頭がはっきりしてきて
"すべて"
を思い出した私は、タオルケットをはいでゆっくりと身を起こした。
布団から出て、学習机の横の壁掛けカレンダーの前まで移動する。
机の上に置いたペン立ての中から赤いマジックをとって、
カレンダーのページをめくる。
そして、"その日"の日付を確認すると、大きな星印をつけた。
───これが、私の『運命の日』だ。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第2話、読みました…「すべて」を思い出したあとの、あの静かな覚悟の仕方がすごく刺さりました。カレンダーに星印をつける仕草、日常のただ中に突然現れる決意の瞬間って、あるよね。上海の泡っていうタイトルも、儚くて、でも確かにそこにあったものって感じがして、とても好きです。続きが気になる…!