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🩸☂️黒狐
13
ことは
33
#調教
あべさく正義♡
85
コメント
3件
儚い… いい話やなぁ…
感動です
主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 警察官パロ⚠️ 黄様若干翠様に嫌われ⚠️ 敬称に違いあり⚠️ パクリ禁止⚠️
主
主
主
18,欠けた歯車、再び廻る
談話室の窓際、古びた時計の針が静かに進んでいた。
誰もいない空間に、ただ風の音と心臓の鼓動だけが響く。
須智は椅子に腰を下ろし、テーブル越しに美琴を見た。
互いの間には、もう沈黙の壁はなかった。
それでも、最初の一言を紡ぐには少しの勇気が必要だった。
一呼吸、息を整えて、須智は口を開いた。
俺ね、その日、学院の課題で残ってたんよ。
発端は、俺が悪かったと思う。
連続殺人事件は前から起きてた。
俺の住んでる地域の近くで。
教授から“外出は控えろ”って言われてたのに、“家が近いから大丈夫や”って、聞かんかった。
主
主
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡190
主
主
俺が警察学校に入ったあと、毎日のように連絡取り合ったよね。
訓練がどんなに厳しくても、みこちゃんに話す時間だけは、俺にとって救いだった。
今日の授業のこと、上官の口癖、食堂のまずいご飯の話まで、何でも話した。
血の繋がりはないけど、ほんとに兄弟みたいだった。
——あの頃の俺は、純粋に夢を信じてた。
警察官になって、みこちゃんと肩を並べて仕事する日が来るって。
それだけで、どんな訓練も耐えられた。
学校は違ったけど、みこちゃんも警察学院に進んだんだよね。
報告書に書いてあった。
……本当に、頑張ってたんだなって思ったよ。
美琴が小さく笑った。
その声は、少しだけ痛みを含んでいた。
でも、本当は——ただ知りたかったんだ。
“君のことを、ずっと見ていたい”っていう俺自身の願いだった。
……みこちゃん、覚えてる?
あの日のこと。
捕まった日のこと。
……覚えてないかも。
本当に、今でも信じられない。
ここに居ることも。
なんなら、本当に俺がやったんじゃないかって錯覚し始めてる。
その言葉に、胸が締めつけられた。
ううん。
みこちゃんは冤罪だよ。
本当に。
証拠はあるけど都合がよすぎる。
刃物もないのに、16人も殺せるはずがない。
俺は1番近くで君を見てきた。
心から優しい君が、そんなことするはずない。
そして、言った。
ずっと隠してた言葉を。
その言葉に、美琴はしばらく黙って、それからぽつりと呟いた。
少し照れたように笑ってから、美琴が言った。
結果がこれや。
懲役百年の死刑囚。
でも……須智くんとまた会えた。
最初は忘れられてるかと思ったよ。
長いこと顔見てなかったし。
けど、あの時、手錠を掛けてくれたのが須智くんやったんやな。
……ほんと、須智くんで良かったって思った。
その声を聞いた瞬間、胸の奥がじんと温かくなった。
俺は笑って、それから小さく息を吐いた。
言葉の後に、短い沈黙が落ちた。
そして、二人同時に、ふう、と息を吐いた。
そう言って笑う俺に、須智くんもにこりと笑い返す。
その笑顔を見て、なんだか昔の夏が蘇った。
夕暮れの道、蝉の声、笑い合う俺たち。
壊れたと思っていた歯車が、再び音を立てて動き出す。
そんな感覚だった。
須智くんの声が、まっすぐ俺に届く。
その言葉に、気づけば涙が頬を伝っていた。
止めようとしても、止まらない。
須智くんは優しく微笑んだ。
まっすぐな声だった。
子どもの頃から変わらない、真っ直ぐすぎるほどの正義の声。
俺は震える手で目を拭って、笑った。
須智くんは頷いた。
言いながら、自分でも笑ってしまう。
叶うかどうかなんて分からない。
でも、言葉にしなきゃ始まらない。
そう思った。
須智くんは少し黙ってから、穏やかに言った。
その一言で、胸の奥の錆びついた何かがほどけた気がした。
18・了