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コメント
5件
🍵くんの中の正義がまとまったんだ....!大切な人のための行動力が凄すぎる、
素敵すぎる、翠っちーが自分の中の【正義】を確信した感じがしてかっこいい
主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 警察官パロ⚠️ 敬称に違いあり⚠️ パクリ禁止⚠️
主
主
主
19,静寂の中にある真実
夜の帳が下りる研究室で、須智はひとり、書類の束を睨みつけていた。
蛍光灯の明かりが白く机を照らす。
無数の数字と分析表、そして被害者の名前。
指先は小刻みに震え、鉛筆の芯が何度も折れた。
背後から柔らかい声がした。
振り返ると、蘭がコーヒーの入った紙カップを二つ持って立っていた。
軽く笑いながら、蘭はひとつを須智に差し出す。
須智は小さく笑って首を振った。
蘭は少し驚いたように目を見開き、すぐに柔らかく微笑んだ。
須智は頷き、静かにコーヒーを口にした。
苦味が、眠気を誤魔化すように喉を通っていく。
それでも、心の奥は確かに温かかった。
呼びかける声が、静かな空間に響く。
蘭が首を傾げる。
須智は書類を一枚取り上げて、指先で地図をなぞった。
夜明け前の街は、ひどく静かだった。
ビルの隙間を縫うように吹く風が、どこか遠い記憶を掠めていく。
街灯の下、須智と蘭は立ち止まった。
そこはかつて、血に染まった交差点の脇道。
壁にはまだ薄く、赤黒い染みが残っていた。
年月が経っても消えない——記憶の跡のように。
蘭が呟く。
須智は無言で頷き、膝をついた。
ライトを手に、壁の隅を慎重に照らす。
古い染みが光を反射し、微かに赤く光った。
手袋をはめ、綿棒でその部分を丁寧に擦り取る。
ひとつ、またひとつ。
まるで儀式のように、静かな動作で。
須智の声は低く、でも確かだった。
蘭はそんな彼を見つめながら、心の中で小さく呟く。
――いい目をしてる。
怒りでも憎しみでもない、ただ真っ直ぐな正義の光。
それは昔、蘭がリーダーとして見てきた“仲間たちの信念”と、同じ色をしていた。
須智は少しだけ笑った。
数日後。
DNA分析の結果が届いたのは、曇り空の午後だった。
須智は報告書を手にしたまま、しばらく言葉を失った。
指先が白くなるほど、紙を握り締める。
その横顔を見て、蘭は息を呑んだ。
短く答える声が、震えていた。
報告書の最下部には、見覚えのある名前。
30代前半の男——警察関係者。
かつて事件の調査チームにいた、ひとりの捜査官。
しかも、当時“証拠管理”を担当していた人物だった。
須智の瞳に怒りが宿る。
拳を握る音が響いた。
爪が手のひらに食い込み、血が滲むほど強く。
蘭はそっとその手に触れた。
須智は深く息を吐き、震える声で答えた。
その言葉に、蘭は微笑む。
須智は小さく頷いた。
翌朝。
須智は静かに監獄棟へ向かった。
鉄の扉の向こう、いつものように警備員の視線を感じる。
その中を通り抜け、面会室へ入ると、美琴がいた。
驚いたように目を丸くする美琴。
須智は慌てて人差し指を立てた。
ここの職員に“知り合い関係”を知られると、余計な問題が増える。
美琴はすぐに理解し、こくこくと頷いた。
須智は小声で言った。
美琴の声が震える。
須智はしっかりと頷いた。
美琴は呆然としたまま、言葉を失った。
次の瞬間、顔を覆って小さく嗚咽を漏らす。
須智は静かに答えた。
その言葉に、美琴は涙を拭って笑った。
須智は微笑みながら言った。
分厚いガラスを通しても、その光は確かに温かかった。
須智は立ち上がり、深く頭を下げる。
短い言葉に、すべてが詰まっていた。
須智は背を向け、静かに扉を閉める。
重い鉄の音が、どこか希望の鐘のように響いた。
その夜。
須智は署の屋上で、夜風に吹かれながら空を見上げた。
雲間から覗く月が、淡く光っている。
ポケットの中には、あの採取した綿棒のケース。
もう役目を終えた小さな証拠が、冷たくも確かな重みを残していた。
呟いた声が夜に溶ける。
ふと、蘭の言葉が胸をよぎった。
――「取り戻せたんだ。すちも」
須智は小さく笑った。
冷たい風が頬を撫でた。
それでもその目は、迷いなく前を向いていた。
静寂の先にあるのは、きっと真実と赦し。
そして——未来だった。
19・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡200
主
主