金田警部
「うーむ、全くわからんな...」
遠﨑百明
『さて、舞台合わせだ。』
遠﨑百明
側から見ると、犯人は完全に高梁さんだ。
金田警部
うん?
遠﨑百明
だけど、犯人は高梁さんじゃない
金田警部
な、まさか犯人が分かったのか⁉︎
遠﨑百明
ええ、堀越さん
一同
ええ!?
遠﨑百明
堀越さんについては、50人以上の人がアリバイを証明している。
遠﨑百明
そして、その場所はたくさんある。
遠﨑百明
彼のアリバイは、崩すことができないでしょう。
小林
ということは...!
遠﨑百明
そう、犯人は菅原悠花さん。違いますか?
菅原
え、ちょちょ、ちょっと待ってよ!
菅原
アリバイよ!
菅原
アリバイはどこに行ったのよ!
遠﨑百明
たしかにあなたにアリバイは成立する。
遠﨑百明
あなたが席をたったのが、本当に22時なら、ですけどね。
金田警部
ええ!?どういうことだね遠﨑君!
遠﨑百明
菅原さんのアリバイは、友人さんが証明したそうですが、あなたの時計、菅原さんがプレゼントしたそうですね。
菅原
そうだけど、、、それがどうしかしたの?
遠﨑百明
そのプレゼントする前に、時計を1時間早めていたとしたら?
一同
ええ!?
金田警部
そうか、アリバイは崩れる!
遠﨑百明
きっと、一度帰って全く同じ服を着てから戻ったんでしょう。そうすれば、血の心配もいらないしね。
菅原
ちょっと...そんなに私を犯人にしたいなら、証拠出しなさいよ!証拠を!
遠﨑百明
菅原さん、メガネはどうしましたか?
菅原
え...!!
金田警部
どういうことだ?
遠﨑百明
菅原さん、変にふらついてるんですよ。その理由は、眼鏡がないから。
遠﨑百明
さて、なぜ眼鏡がないのでしょう。それは、犯行時に割れてしまったから。揉み合いになってね。
遠﨑百明
そして、そのメガネは、あそこのゴミ箱に捨ててありましたよ!
菅原
‼︎‼︎
遠﨑百明
ゴミ箱の中のメガネと、血液の中に紛れ込んでいたガラス片。
遠﨑百明
一致すれば、圧倒的な証拠ですよ。
遠﨑百明
さて、これでも否定しますか?
菅原
...そう、大日を殺ったのは私よ。
菅原
あの野郎は、私の彼氏を殺したのよ!!
一同
え!!
菅原
憎くて憎くて、それで殺人を決意したのよ!
菅原
そしてそれを昨日、決行したのよ。
菅原
でも、その時に、とても強く揉み合っちゃて、映画みたいな揉み合いになっちゃったのよ。
菅原
まあ、頑張って考えたトリックも、こんな名探偵にバレちゃったけどね。
そう言って、菅原が倒れ込む。
小林
なるほど。この公園は菅原さんと大日さんの、恐怖の殺陣現場だった、ということか。
泣き喚く菅原さんと一緒に、金田警部がパトカーに乗り込んでいった。
その夜、遠﨑はベットで目を覚ました。
取り敢えず水を飲んで、もう一回ベッドに入る。
そして、寝ようと思ったその時。
遠﨑の目に強い光が刺さった。
そして光が消え、目を覚ますと。
彼は藍色の殺風景の中にいた。