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あれは去年の文化祭

俺は悪友と共に屋上に侵入し

土嚢を積み上げて

小さな山を築き上げた

そして蝋燭を大の字に並べ

拡声器でこう宣言したのだ

これが

苺高校の送り火だー!

どうしても五山の送り火を

文化祭で再現したかった

だからしてみた

もちろん

めちゃくちゃ怒られた

2週間の停学処分を食らい

田舎の母ちゃんは泣いた

その話聞いてなんて馬鹿なんだろうって感動したよ

だから

何かあったら真っ先に紫ちを頼るって決めてたんだ

実行力が伴った馬鹿は無敵だもん!

頭を1周するように桃が移動し

熱弁する

褒められているようで

けなされている

だが

これで合点がいった

同じ学校に通いながらも面識がなく

ノリで何でもしてくれるとの噂の

馬鹿は復讐劇にうってつけの

人材と睨んだらしい

誰が馬鹿か

でも

初対面だよな?

なんで俺の住所知ってたんだよ

同級生が鍵垢で

紫ちの部屋番号晒してたし

待て待て待て

紫ちのアパートって

有名だよ?

どうやら

俺の知らぬところで

住所が共有されているらしい

郵便受けに変な手紙が

届いていたのはこのせいか

そういえば

この前は

生きた鯉が突っ込まれていた

勿体ないので

勿体ないので刺身にして食べたが

しっかりと腹を下して地獄を見た

紫ちは噂通りの馬鹿だし

部屋は動物園みたいな臭いがして最悪だったけど

信じて良かった!

ものすごく酷い評価を口にしながら

桃が万遍の笑みを浮かべる

俺は自分でも情けなくなるくらい

単純なので

こんな顔されると

住所なんて安い物だと思ってしまう

減るもんじゃないし

...まあいいや

頼ってくれてありがとう

うんっ

これで僕たち共犯者だねっ

そう言いながら

桃はぺこりと頭を下げる

部屋で見せた闇の深さと

今のような明るい表情

相反した要素が

目まぐるしく切り替わる姿に

どこか歪な印象を受けた

NEXT❤×490

さよなら僕のドッペルゲンガー

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