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長 す ぎ w w w w 指 疲 れ た わ w ww
ななななななな700⁉︎すげっ!
いきなり始まる竜春
くそ長いです
連載化する、かも(ここ重要
それでもよければ
どーぞ!
三途 春千夜
ある日の夜
春千夜は1人ソファで寛いでいた
徹夜続きで披露した体は
ぐったりとしている
灰谷 竜胆
そこに仕事仲間(?)の竜胆がやってくる
こちらも徹夜続きで疲れ切っている
三途 春千夜
ソファの後ろへ首を傾け
春千夜は竜胆を見た
竜胆も春千夜をじっと見つめている
灰谷 竜胆
と思い改まったように 竜胆が春千夜に話しかけた
一体何を言おうとしているのか
その深刻な表情からは
何も読み取れない
三途 春千夜
そう機嫌悪そうに春千夜が言った
疲れて腹が立っているようだ
灰谷 竜胆
割と真面目な顔で竜胆が言った
その様子を見て春千夜はポカンとしている
三途 春千夜
そう言う春千夜は 少し耳を赤くしている
この手の話には耐性がないようだ
灰谷 竜胆
と目を背け竜胆が答える
こちらも恥ずかしいようで 少し顔が赤い
あまりにも可愛すぎる絵面だ
両者日頃は中々の仕事をしているが
恋愛の経験は全くない
" 勝手についてくる女 "
ぐらいはいるのだろうが
それは対象外である
つまり2人共
こういう話には慣れていないのだ
それでも竜胆が この話を持ち出した訳は
やはり疲れていたか
それともまた他の理由か、だろう
三途 春千夜
まだ顔の赤い春千夜が恥ずかしそうに答える
その様子を見て 何故か竜胆も更に赤くなる
お互い暫く黙っていると 竜胆が何かに気づいたようで
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
その事に気づくと急に春千夜に詰め寄った
怒っているようだが
恐らく春千夜は何故か分かっていないし
もしかすると、怒っている事にすら気づいてないかもしれない
灰谷 竜胆
三途 春千夜
流石に気づいていたようだ
竜胆の顔色を少し伺っている
これ以上機嫌を 損ねさせる気はないようだ
あの春千夜でもそれぐらい考える程
竜胆は怒っているように 見えるらしい
灰谷 竜胆
冷静になったのか
はたまた恥ずかしくなったのか
竜胆は強制的にそれを終わらした
春千夜は居心地悪そうにしている
三途 春千夜
そしてまた次の日
同じく徹夜だった春千夜は
昨日と同じように ソファに座っていた
そこにまた竜胆がやってくる
三途 春千夜
とさぞ面倒くさそうに春千夜が言う
本人の竜胆は楽しそうに 近づいてきている
彼もまた徹夜だった身であり兄と一緒に酒を飲んでいたようだ
灰谷 竜胆
と竜胆が聞く
今日は気分がいいようだ
何故か楽しそうにしている
三途 春千夜
と変わらず面倒くさそうに答える
彼らの気分は真逆なようで
ルンルンな竜胆に 春千夜は苛立っている
灰谷 竜胆
昨日と同じような始まり方で
竜胆が話し出す
それに春千夜も気づいたようで
同じような事を聞かれると思ったのか少し表情を和らげた
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
と真面目な顔で竜胆が言った
彼は真剣なようだ
じっと春千夜を見つめている
三途 春千夜
こんな事を聞かれるなど 予想していなかったようで
春千夜が顔を赤くして驚く
そして同じく竜胆の顔も赤い
勿論酒で酔っているのだろう
だが恥ずかしさは 混じってないようだ
三途 春千夜
そう春千夜が聞いた
酔って可笑しい事を 言い始めたと疑っているのか
まぁ確かに竜胆は いつもこんな事を言わない訳で
もしや熱があるのか
と春千夜は疑い始めてもいる
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
と真面目な顔で言う
どうやら酒に酔ってこんな事を言っている訳では無いらしい
それにこんな事を 本気で言っているという事は
まぁそういう事なんだろう
竜胆も春千夜のように 恋をしているのだ
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
と竜胆がイライラしたように言う
酒が回って情緒不安定に なっているようだ
落ち着いているようには見えない
春千夜の答えを急いでいる
三途 春千夜
春千夜でさえもビビる程の剣幕で 竜胆が言った
更に肩に手をかけているし
竜胆は春千夜より力が強い為
春千夜も抵抗はできない
だから尚更春千夜もビビっている
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
何か勘違いをしたのか
肩から手を外し
竜胆は暗い顔になった
ビビっている春千夜を見て引かれたとでも思ったのだろうか
まぁそれは全くの誤解であるが
春千夜も急にどうしたのかと 混乱している
こうなったのが自分の所為だとわかっていないようだ
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
と腕で顔を隠しながら
後ずさって竜胆が言う
春千夜はこの変化に 気づいているのか
明らかに竜胆の様子は変である
三途 春千夜
やはり不思議には思っているようで
少し首を傾げている
三途 春千夜
春千夜が立ち上がって竜胆の腕を引っ張りながら言った
その言葉は途中で 途切れることとなったが
それもまぁ当たり前だろう
普段はそんな素振りを見せない奴が
目の前で泣いているのだから
三途 春千夜
酒が回っているというのもあるだろうが
それでも、竜胆が春千夜の前で 涙を見せるとは考えられない
もちろん春千夜は 見るのが初めてな為
とても動揺していた
三途 春千夜
と竜胆の方へ駆け寄り言った
案外ちゃんと心配しているらしい
まぁ普段泣かない人が目の前で急に泣きだしたら心配もするだろうが
腕で顔を隠している竜胆に対し
覗き込むようにして顔を見ようとする
泣いている相手がそれを嫌がるのは知らないのだろうか
自分の泣いている顔なんて 彼は見られたくないだろう
ただでさえ人前で 泣く事などないだろうに
それに春千夜が背中をポンポンと叩きながら聞いているものだから
恐らく更に涙が溢れているはずだ
その時外でダダダッと足音がした
灰谷 蘭
やはり灰谷蘭であった
恐らく春千夜も予想はしていただろう
バンッ!と音がなり扉が開く
三途 春千夜
と怒る春千夜はスルーし
蘭が竜胆に駆け寄る
どうやら心配して探し回りながら 走って来たようで
凄く息切れしている
灰谷 蘭
三途 春千夜
春千夜を押し退け蘭が竜胆に聞いた
背中ポンポンしてやった奴をコイツ呼ばわりとは
と春千夜も怒っている
聞かれた当人の竜胆は未だに顔を隠したままで
首をふるふると横に振った
灰谷 蘭
三途 春千夜
確実に春千夜が何かしたのだと思っていた蘭は驚くが
更にまた竜胆が首を横に振り黙る
弟の言う事は絶対なのだ
対し春千夜は
うん、まだ怒っている
先程否定したのにも関わらず
まだ蘭が疑っている事に腹が立っているようだ
三途 春千夜
とここぞとばかりに春千夜が主張する
まだ疑われていると思っているようだ
灰谷 蘭
取り敢えず何があったのか聞く為
部屋へ戻ろうと蘭が言う
それに竜胆も頷いた
だが春千夜は1人不満そうである
そもそも何故泣いているのかもわからず
もしや自分の所為にされているのかもしれないのだ
まぁ不満にもなるだろう
そしてそのまま灰谷兄弟は扉から出ていった
三途 春千夜
灰谷 蘭
心配そうに蘭が聞く
まだ泣いている竜胆が心配なようだ
そりゃこんなに泣いていたら心配にもなるだろう
あの竜胆だ
蘭なら見た事もあるかもしれないがもう成人男性である為
彼が簡単に泣くと思えないようだ
灰谷 蘭
と背中を擦りながら言う
何か心当たりがあるようだ
先程春千夜を疑っていたのにも理由があるらしい
数時間前
灰谷 蘭
上機嫌で蘭が竜胆の部屋に 入ってくる
彼も徹夜続きだったもので
久々に弟と飲めるので 嬉しいのだろう
ずっと仕事ばかりだったのだから わからなくもない
灰谷 竜胆
そう言って2人でベッドに座った
心做しか竜胆の気分は上がっているように見えないが
蘭は気づいていない
数十分後
灰谷 竜胆
デロデロに酔った竜胆が 蘭に腕を絡める
そんな弟を見て喜んでいる 蘭は既に末期だ
竜胆も酔っていなければこんな事はしないだろうに
灰谷 蘭
蘭はあまり酔っていないはずだが
語尾に沢山ハートがついている
いやそれはいつもの事かもしれないが
弟にはいつでもデレデレである
灰谷 竜胆
と真面目な顔をして竜胆が言った
急な事だったし声も落ち込んでいたので蘭も驚いている
それにしても彼なら弟の恋にぐらい気づいていそうだが
竜胆も頑張って隠していたらしい
まぁ、この兄には知られたくないと思うだろう
灰谷 蘭
やはりそんな事微塵も知らなかった蘭が竜胆に問い詰める
いきなり目の色が変わった
教えられなかったのが癪だったのか
それとも竜胆が恋をしている事が不満なのか
それは分からないが
灰谷 蘭
恋をしている事が不満なようだ
ポヤポヤしている竜胆の肩に手をかけ顔を近づけている
だが、 酔っている竜胆は怖がっていない
灰谷 蘭
悲しそうな素振りを見せて蘭が言う
酔った相手にそれが通じるとは思えないが
弟を前にすると無意識で出るらしい
やはり当の竜胆は首を傾げているし
灰谷 蘭
向かい合っている状態で蘭が言う
竜胆は言うか言わないか迷っている
案外自分の恋ぐらい好きにさせてくれ、と思っているのかもしれない
灰谷 蘭
じっと見つめて蘭が言った
どうしても言わせたいらしい
長引かせない方がいいと思ったのか
竜胆が口を開いた
灰谷 竜胆
灰谷 蘭
恥ずかしそうに竜胆が呟き
驚いた蘭が間抜けな声を出す
そもそも女じゃなかった事に ビックリし、
更にまさかの春千夜だった事にもビックリしているのだろう
全く知らない女の名前が出るとでも思っていたらしい
口を開けたまま止まっている
灰谷 蘭
呆けたように蘭が春千夜の名前を口に出す
本当に竜胆の想い人が春千夜だと信じられないらしい
認めたくないようにも見えるが
灰谷 蘭
相当信じたくないようで
確認するように竜胆に問いかけた
灰谷 竜胆
と少し首を傾げながら言う
何故そんな事を聞いてくるのかわからない、と言ったふうだ
弟が春千夜に恋をしているなんて思いたくないのだろう
蘭の顔が凄い事になってしまった
灰谷 蘭
取り敢えず春千夜の事は忘れようと
強制的に話題を そっちへ持っていった
蘭の頭の中は春千夜である事を否定したいようだ
灰谷 竜胆
と竜胆が話し出した
何か頬が緩んでいる気がするが
灰谷 竜胆
そう微笑みながら言った
灰谷 竜胆
さぞ嬉しそうに竜胆が言った
もう完璧に堕ちている
完璧に惚れている
そう蘭は察した
灰谷 蘭
弟が完璧に春千夜に惚れているのを見てショックを受けた蘭が聞く
蘭はずっと下を向いているので
相当ダメージを受けているようだ
そして竜胆が言った
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
と、俯きがちに苦笑いしていた
あの言葉は彼にとって相当キツかっただろう
自分の好いている人に想い人がいたのだから
ただそれが誰なのかは分かっていないはずだ
それでも自分な訳がない
男なはずがないと 思っているのだろう
灰谷 蘭
躊躇いがちに蘭が聞いた
見た限りでショックを受けているのはわかるが
春千夜の好きな人を知りたいと思うのは彼にとって当たり前だろう
又は春千夜の好きな人を〇してやろうとでも言うのだろうか
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
そう少し悲しそうな声で言った
実際誰なのかは聞いていない為
兄の問いに答える事はできない
ごめん、と苦笑いして言った
灰谷 蘭
と気まずそうに蘭が言った
誰なのか聞いてしまった事を悪く思っているらしい
灰谷 蘭
不意に上を向いて蘭が言った
竜胆が春千夜の事を好きな事は もう気にしていないらしい
吹っ切れた、と言うのもあるだろうが
まず兄として
弟の恋は喜ぶべきであると 思いでもしたのだろうか
灰谷 蘭
そう竜胆の方を向き
微笑みながら蘭が言った
ちゃんと兄としての務めを 果たしている
流石蘭と言うべきであるか
普段はあんなだが
彼も彼なりに、 色々考えているのだろう
それに弟の事を想ってもいるだろうし
大切な弟の初恋を
無下になどできないのだ
灰谷 竜胆
兄という支えがいてこその竜胆だ
相談してよかった、 と思っているのだろう
灰谷 蘭
さぞ楽しそうに蘭が言う
何か思いついたのだろうか
良い予感はしないが
灰谷 蘭
やはりあれを入れ知恵したのは蘭だった
本気なのかはたまたちょっとした冗談なのかは分からないが
竜胆にあの行動をさせたのは 蘭だったのだ
だがそれは竜胆にとって良くはなかったらしい
灰谷 竜胆
竜胆自身乗り気ではないようで
蘭にそう聞き返している
概ね引かれたら…とでも思っているのだろう
そんな事をして利益はあるのか
竜胆には判断がつかないようだ
灰谷 蘭
ここまでではまだ本気なのか分からない
先程あんな事を言っておいて これは冗談なのか
それとも本気で言っているのか
笑っているその表情からは 何も読み取れない
灰谷 竜胆
竜胆も悩んでいるようだ
これを本気と取られたら確かに好感度は下がるだろう
まぁそれは竜胆の考えだが
灰谷 蘭
灰谷 竜胆
灰谷 蘭
やはり冗談だったのか
この辺でやめようと思っていたようだが
竜胆はもう覚悟を決めてしまった
蘭には止められないだろう
灰谷 竜胆
そう言い竜胆は猛スピードでドアから出て行った
同じく蘭が慌てて外に出るも
もう竜胆の姿はない
灰谷 蘭
そう呟き蘭も走り出した
とまぁこれが先程の経緯らしい
要するに蘭は冗談で言った事が
酔っている竜胆は 本気でとってしまい
あの行動に移ったということだ
灰谷 蘭
としゅんとした蘭が謝る
悪いとはちゃんと思っているようだ
冗談で言った自分の言葉で竜胆が泣いてしまっているのだから
謝らない訳にはいかないのだろう
灰谷 蘭
なんとなく予想はつくが 確信は持てないのか
竜胆に蘭が聞いた
まだ溢れる涙を抑えようとしながら竜胆が少しずつ話し始めた
数分後
全てを話し終えた竜胆は やっと泣き止んでいた
灰谷 竜胆
そう自分で言い落ち込んだ
頭を抱えている
その隣で蘭がアタフタしていた
慰めようにもどうしたらいいか分からないようだ
その時の春千夜の反応も 見ていないし
あの春千夜がそんな事で 引くとは思えない
違う意味でだが
灰谷 蘭
その言葉を聞いて竜胆が顔を上げた
少しは希望がもてたのだろうか
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
希望を持った訳ではなく
反論するためだったようだ
自分の恋が叶う事に可能性があるとは1ミリも思ってないらしい
更に落ち込んでしまった
蘭の発言は良くなかったようだ
蘭がやらかした… というような表情をしている
灰谷 竜胆
と竜胆が言った
彼は酷い勘違いをしている事に 気づいていないのだろうか
最初から1人で考え 1人で答えを出している
もう少し人の声に耳を傾けるべきだろう
灰谷 蘭
蘭も何か思う所があるようで
口には出したいが竜胆が決めた事を遮ってまでとはいかないようだ
灰谷 蘭
灰谷 蘭
そう蘭が口に出した
思っている事とはまた別の事を言っているようだが
確かにそれも1つの案ではある
今の竜胆にとってはそれが 最善かもしれない
灰谷 竜胆
竜胆もそう思ったようで頷いた
今のままでは顔を合わせる事すら難しい
極力三途の事は避けるべきだろう
そしてそのまま数日経った
竜胆は上手く仕事ができている
春千夜と会っていないからかもしれない
報告は全て蘭にしてもらい
( 蘭がやれる事は全てした )
仕事は淡々とこなした
それにあの時は酔っていたので
というのもあるのかもしれない
竜胆は確実に復活(?)していた
三途 春千夜
またしても1人ソファに座っている春千夜が考える
案外竜胆が泣いていたのが気になっているのかもしれない
と、そこに竜胆がやってきた
灰谷 竜胆
彼も入るまで春千夜がいる事に 気づかなかったようで
少し驚いた顔をした
三途 春千夜
後ずさりして直ぐに竜胆は走り出した
一刻も早くその場から逃げ出したかったのだろう
酔ってたとは言え記憶は残っている
彼にとってはもう黒歴史同然だ
三途 春千夜
そう言い春千夜も走って追いかけていった
誰もいないだだっ広い駐車場で 春千夜が叫ぶ
三途 春千夜
同じく竜胆も必死の形相で逃げている
あまりにも全力で逃げているもので春千夜の事を考える余裕もなかった
竜胆より少し早く走れる春千夜がやっと竜胆に追いついた
パシッと腕を掴む
灰谷 竜胆
竜胆が必死に抵抗する
勿論春千夜が掴んだその腕は離れた
力には差がある
灰谷 竜胆
やはりあの時の事を気にしている竜胆が春千夜に叫ぶ
そんな事微塵も思っていなかった春千夜は頭にハテナマークを浮かべている
彼はあの件をあまり気にしていないようだ
竜胆が泣いてしまったのは気になっているようだが
三途 春千夜
不思議そうに春千夜が言う
予想とは異なる言葉に竜胆も驚いていた
灰谷 竜胆
そう竜胆が言う
春千夜は馬鹿らしいとでも言うように笑って言った
三途 春千夜
どうやら彼の普通と竜胆の普通は違うらしい
そんな事で俺は引かねぇ、とでも言いたいようだ
ちゃんと言葉にして言えばいいのに
色々と面倒臭い奴である
灰谷 竜胆
本当に引いてないと信じきっていないのか
春千夜があんな紛らわしい言い方をしたせいだろう
まだ確信とまではいっていないのか竜胆が聞く
三途 春千夜
さも当然だと言うように春千夜が言った
この言葉で竜胆がどれだけ救われただろうか
もう春千夜の事を気にして過ごさなくてもいいのだ
だがふと、自分が彼の事を好きだとバレている事に気づく
竜胆はこれでもかと言う程に焦った
三途 春千夜
そう顔を逸らし照れた春千夜が言った
なんて可愛らしいのか
竜胆もこれには敵わないだろう
それにしてもやはり素直になれない奴だ
「 好き 」だと率直に言ってしまえばいいものを
まぁそれだけの勇気はないという事だろう
灰谷 竜胆
まだ状況が飲み込めないのか
何が何だか分からない、という風に竜胆が言った
こちらは中々の鈍感である
春千夜はあれで気づいたというのに
三途 春千夜
小さい声でボソッと春千夜が呟いた
鈍感な想い人の為に彼は
「 好き 」と声に出して言えるのか
これは見物である
三途 春千夜
そこまで言って春千夜は止まった
まだ勇気が出ないのか
案外声に出すのは恥ずかしいようだ
だが竜胆は首を傾げて見つめている
三途 春千夜
ヤケクソかとでもいう様に春千夜が言った
もうここまで来たら言ってやろうと腹を括ったのだろう
こちらとしては良く言ったと褒めてやりたいぐらいだ
春千夜は耳まで真っ赤である
灰谷 竜胆
竜胆も口をぽかんと開け顔を赤くしている
やっと言葉の意味がわかったようだ
この男中々に鈍感である
さぁ両想いだと知った彼はどうするのか
なんと言うのか
ここからも見物である
灰谷 竜胆
三途 春千夜
竜胆の言葉を遮り春千夜が言った
どうやら自分が言いたいらしい
灰谷 竜胆
竜胆も自分が言いたいようだ
どちらも男なので自分から言いたいのだろう
このままでは喧嘩になってしまいそうだが
心配だ大丈夫だろうか
三途 春千夜
と春千夜がキレ気味に叫ぶ
灰谷 竜胆
勢い余って竜胆が凄い事を突っ走った
言った後に気づき竜胆がボンッと赤くなる
春千夜は既に真っ赤だ
三途 春千夜
と、春千夜が言う
平静を保とうとしているようだが
アタフタしているのがバレバレだ
竜胆もあんな事を言った自分自身にビックリしている
三途 春千夜
と対抗するように春千夜が言う
これを続ければきりはなさそうだが
結局どちらが言うのだろうか
灰谷 竜胆
ふっ切れたように竜胆が言う
このまま流れに任せて言ってしまうようだ
三途 春千夜
春千夜が止めようとするが
それを遮って竜胆が言った
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
そう言って手を差し出した
ベタな言葉だがそれでもいい
春千夜の目には格好良く写ったのではないだろうか
三途 春千夜
そう言って春千夜が竜胆の手を掴んだ
照れ隠しなのか腕を顔の方へ持ってきている
手を掴まれた竜胆は満面の笑みだ
本当に想い人と付き合えた事が嬉しすぎるのだろう
灰谷 竜胆
と竜胆が春千夜の手を握り言う
思っていた事が口に出てしまったようだ
春千夜が更に赤くなる
三途 春千夜
話を変え春千夜が呟く
こちらも同性との恋愛が上手くいくはずないと思っていたようで
半ば諦めていたようだ
それを竜胆にああ言われて希望を持ったらしい
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
とため息混じりに言った
彼も本気で悩んでいた身だ
春千夜の気持ちが痛い程わかるのだろう
ふと竜胆が春千夜をグイッと引っ張った
三途 春千夜
春千夜の言葉を遮り 竜胆が春千夜を抱き締めた
突然の事に春千夜も声が出ない
抱き締めている竜胆の腕が力を増す
灰谷 竜胆
と目を瞑り顔を春千夜の肩へ沈めながら竜胆が言う
自分の春千夜への好意を再度確認したかったのか
春千夜はまたも真っ赤である
そして竜胆の背中に春千夜も腕を回す
三途 春千夜
手を竜胆の頭と腰へもっていき春千夜がボソッと言った
それから暫くずっと2人は 抱き合っていた
そしてある日
ソファに座っている春千夜に蘭が話しかけた
灰谷 蘭
いつもと雰囲気が違い なにか怒っているようだ
それに春千夜も気づいた
三途 春千夜
だが慎重になる気はないらしい
少し喧嘩腰で春千夜が答えた
しかしそんな事 気にするまでもないようで
蘭の雰囲気は変わらなかった
灰谷 蘭
怒りを抑えられていない笑顔で蘭が言った
竜胆が泣いていたあの日の事をまだ引きずっているようだ
やはり春千夜の想い人を〇してやろうとでも思っているのだろう
春千夜がそんな事で引かないとはわかっていても
竜胆の言い方的に他に好きな人がいるようだった
やはり彼の中で弟はNo.1である
急にそんな事を聞かれた春千夜はびっくりしている
何故蘭にその事がバレているのか
まぁその想い人は弟な訳だが
三途 春千夜
お前には関係ないだろうとでも言いたげに春千夜が言った
恐らく全てを理解した上で 蘭を煽っているのだろう
心の中では過保護な蘭を見て 嘲笑っているようだ
灰谷 蘭
やはりそうだった
この兄、中々の過保護である
春千夜は外面では平静を保っているものの
内面では必死に笑いを堪えている
三途 春千夜
そう春千夜が笑いながら言う
まぁこの兄が弟を〇すなどできる筈がないのだから当たり前だが
蘭にとっては煽りに聞こえたらしい
顔が更に怖くなった
灰谷 蘭
やはり怒っている
しかも先程よりも、だ
いつもの蘭なら春千夜がこんなに簡単に話すはずがないと気づくのだろうが
怒りで頭が回っていない
もしかすると本来の目的を忘れているのではないだろうか
三途 春千夜
そう春千夜が笑いながら言った
蘭は呆然とした表情をしている
何言ってんだ、とでも言いたい表情だ
確実に竜胆でないのだろうと思っていたのにこれでは拍子抜けである
やっと竜胆の思い違いだった事に気づいたようだ
灰谷 蘭
ため息をつきながら蘭が言った
三途 春千夜
三途 春千夜
蘭にならいいと判断したのか
先日付き合った事を蘭に暴露してしまった
先程の事と合わせた2つ目のダメージである
そこに竜胆が飛び込んできた
灰谷 竜胆
顔が少し赤くなっている
どうやらずっとドアの外にいたようだ
蘭が春千夜に怒っていると思ったのか隠れて様子を伺っていたようだが
その必要はなかったと帰ろうとすると
春千夜が蘭に暴露してしまった…という訳だ
灰谷 竜胆
落胆したように竜胆が肩を落とす
三途 春千夜
そう春千夜が肩を竦め言う
竜胆にとっては大きい問題でも
春千夜にとってはほんの些細な事のようだ
灰谷 竜胆
竜胆はまだ腑に落ちないようだ
どうしても自分の口から言いたかったらしい
まぁあんな相談をしたのだから
自分から、と思うのも当然だろう
三途 春千夜
灰谷 蘭
春千夜が謝り竜胆の方を 見ていた蘭が首がもげるかと思う程に振り向いた
普段自分達に謝りなど全くしないあの春千夜が…
とでも思っているのだろう
それと同時に、
そう言えば竜胆にはちょっと優しかったような…とも思う
春千夜も好意を隠せていなかったようだ
最後まで当の本人は気づかなかったが
灰谷 竜胆
もう吹っ切れたのか竜胆が言った
ウジウジしてても仕方ないと 思い直したらしい
春千夜も竜胆に着いて行った
2人が扉から出ていき残ったのは蘭だけである
まだ口をぽかんと開けている
灰谷 蘭
新作どうでしょう?
やっぱり連載化する事になりました
気づいたらタップ数が約700…
申し訳ありませんm(*_ _)m
次回初のHするかもです…
お楽しみに!
♡×1000いったらだしまーす