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扉を少しだけ開けて様子を見る。

カシュウ

起きてたのか。

壁にもたれかかってる彼に気づかず びくりと体が跳ねた。

マリーゴールド

そっちこそ、
起きてたんですね……。

カシュウ

……マリーだっけか。

マリーゴールド

……そうですけど。

カシュウ

どう思う?

その質問の意図が僕には 理解できなかった。

マリーゴールド

何が、ですか……?

カシュウ

観測者とドールだよ。

マリーゴールド

……やっぱり貴方も、
何か可笑しいと
感じてたんですね。

カシュウ

俺からしちゃあ
全部違和感だ。

カシュウ

そもそも、
俺たちに正体を明かさないのは
何故だ?

   

カシュウ

保健所の人間のバッチを
つけておいて
味方だと言い張る理由は何だ?

カシュウ

1番の問題は、

カシュウ

“この家にDollを
集まらせていること”だ。

マリーゴールド

……それって、一体?

カシュウ

考えてみろ。
俺たちは指名手配と
同じ状況に置かれてる。

カシュウ

そんな奴らを一つに集めるか?

カシュウ

しかも、保健所の人間が。

マリーゴールド

それは……

確かに、そうかもしれない。

もしも保健所の人たちが ここを特定して入れでもしたら、 僕たちは何もできず白旗を上げる。

人間が入れないとはいえ 相手はDollを管理しているのだ。

管理しているDollを使えば 1発で……。

マリーゴールド

……どうして僕にそんな事を?

カシュウ

……まともに会話できねえだろ、
他の連中。

カシュウ

一番冷静なアマーリアは
観測者の手中だ。

カシュウ

裏切られたなんて知れば……

マリーゴールド

まだ決まったわけじゃ無いけど、
でも確かに……。

カシュウ

とにかく、これはここだけの
秘密だ。

カシュウ

俺はもう少し探る。
マリーはどうするか、
自分で決めろ。

マリーゴールド

……怖くないの?

マリーゴールド

自分が、Dollな事。

カシュウ

……俺の力は五感強化。

カシュウ

……怖いかどうか、
分かんねえよ。

カシュウ

逆にそっちは?

マリーゴールド

……怖い。

マリーゴールド

“私”が、
“私”じゃなくなるみたいで……。

カシュウ

……!

カシュウ

お前……。

マリーゴールド

……長話、
しすぎちゃいましたね。

マリーゴールド

お手洗い行こうと思って。

マリーゴールド

……お休みなさい、カシュウ。

カシュウ

……ん、おやすみ。

カシュウ

…………。

一人取り残された俺は、 ただそこに立ち尽くした。

誰もが悩みを抱えてる。

誰もが望みに手が届かない。

だから守ってくれそうな、 近い何かに 縋ろうとする。

彼奴は…………

カシュウ

Dollに、縋ってんのか。

人間だった自分と、 Dollになった自分を、 別の人物だと思いたがってる。

カシュウ

それが望みか。

トラディメント¿

こんな時間まで
何かをお探しかい?

カシュウ

っ!?

カシュウ

(足音が聞こえなかった!?)

アマーリア

…………。

時計が1秒ずつ、 時を刻む音だけが響く。

眠れない。

きっとこれから少しずつ、 逃げ出したDoll達の捜索が始まって、

私達じゃない誰かが、 牢獄という地獄に放り込まれる。

アマーリア

(……姉はこの世界に、
何を望んだんだろう。)

アマーリア

(どうして、Dollを救おうと
思ったんだろう。)

桜華

眠れないの?

アマーリア

わああああああ
びっくりした!!

アマーリア

起きてたの?

桜華

寝たふりしてた。

アマーリア

私しかいないんだから
意味ないよそれ……?

桜華

ああそっか!

桜華

でも、アマリが眠れないのは
事実でしょ?

アマーリア

……考え事、してたの。

アマーリア

……皆が幸せになれる方法って、
無いのかなって。

桜華

うーん?

桜華

無いんじゃない?

アマーリア

え……?

桜華

アマリ、幸せの定義って
人それぞれでしょ?

桜華

国語の問題でもさ、
自分はそれが正解だ!!
と思っても答えは違う。

桜華

でも結局その答えは
作者本人が
考えたんじゃなくて、
誰かの定義で決まったものでしょ?

桜華

だから、正しさなんて
存在しないし、

桜華

正解はないんじゃないかな。

アマーリア

……そう、だよね。

桜華

でもね、ましろ今すっごく幸せだよ!

アマーリア

え?

桜華

なかま?がいるから!

アマーリア

なかま……。

桜華

うん!

桜華

アマリも、
ましろのなかま!!

桜華

約束!

アマーリア

っ……!

香保

……香。

アマーリア

どうしたの?

香保

私たち、どこにいても、
ずうっと、ずうっと
一緒だからね。

アマーリア

当たり前じゃん!

アマーリア

お姉ちゃんがどこにいても、
私はお姉ちゃんのそばにいる。

香保

ほんと?
約束だよ?

アマーリア

うん!

アマーリア

私は、

アマーリア

お姉ちゃんを信じてる……

ぽろりと出た言葉だった。

ずっと、一緒にいるって 当たり前だって思ってた。

12月、ある冬の日だった。

突然の言葉に、 返せたのは“それ”だった。

そうか、

お姉ちゃんは

“分かっていた”のだ。

桜華

アマリ?

アマーリア

……ごめん、
眠くなったから寝るね。

桜華

うん!おやすみ!

背を向けた瞬間、 涙が溢れた。

アマーリア

(姉は、)

アマーリア

(最初からこうなる事を、
ずっと想定して)

アマーリア

(Dollを……)

助けていた。

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