大食いの彼女には秘密がある

莉子は薄暗いリビングの ソファに腰を下ろして啜り泣く

莉子はそう言って立ち上がると 冷蔵庫を開けて

千寿が用意していた 作り置き料理が入った タッパーを取り出す

莉子はそう言って 本日の昼食、夕食 ２食分のタッパーの中身を

明日朝一に捨てる用の ゴミ袋の中に入れた

数年前

莉子がまだ高校生だった頃

外食はするなと言う 母の言いつけを破り

学校帰りに友人と一緒に 買い食いをした事があった

千寿は怒りに満ちた表情で 莉子に詰め寄る

パシン！

千寿は莉子の頬を 力一杯平手打ちする

パシン！

パシン！

パシン！

千寿は何度も平手打ちする

莉子は涙ながらに懇願する

千寿の手が止まる

莉子は涙を流しながら土下座する

千寿は涙を流しながら 莉子を抱きしめる

それから数日後

千寿は黙って莉子を見つめる

千寿はそう言うと 立ち上がり寝室へ向かい

莉子は千寿の 意味深な発言に 冷や汗をかく

千寿はテーブルの上に 大きめな茶封筒を置く

莉子は生唾を飲み込み 茶封筒の中身を確認する

その茶封筒の中には 何枚もの写真が入っており

その写真は全て 莉子が千寿に隠れて 外食している様子が 写されている写真だった

莉子は涙を流しながら玄関先へ走る

莉子がドアノブに手をかけようとする

千寿は何かを莉子に投げつける

莉子は右手に痛みを感じて 確認すると切り傷があった

莉子は恐る恐る床を見ると

千寿が莉子に投げつけたのは包丁だった

莉子は恐怖に引き攣った顔で 千寿を見つめる

千寿は焦点が定まっていない目で 包丁の刃先を莉子の頬に当てる

千寿は莉子に 一枚の写真を見せつける

その写真には莉子と音弥が 手を繋ぎながら定食屋から出てくる 様子が写されていた

千寿は包丁で 莉子の腕を切り付ける

莉子は泣き叫びながら 切られた腕を抑える

千寿は莉子の腕を掴み 部屋に引き摺り込む