快晴空、君は 笑う。

始．

確か………、

ガタンゴトン

ガタンゴトン、

彼は俺が飛び降りる瞬間に

腕を掴んだ。

そう、彼は。

茶髪で、 赤オレンジのような瞳で、

襟足が長くて………

最初に出てきた文はこれだ。

頭の中にある、 沢山の単語と単語を 上手に組み合わせて出来た文章。

彼からの返事は 思ったよりも素っ気ない感じで。

でも、でも……、

目の前に放たれる事実だけで、

段々と、自分の 瞳に映る映像が、 ぼやかされていった。

そして、 頬にぬるい水が付着する。

今の気持ちを最小限に縮めて 放った文だった。

鼻水をすすって 涙を拭いて、

そしたらさっきの事が 段々と恥ずかしくなってきて

人も少なからず居るってのに。

涙を拭い、

言葉を放とうとする

そのとき、

いきなりの質問に驚く。

まぁ、考えてみても無理はない。

彼にとっては理由が気になって 仕方ないだろう、

でも、今の気持ちを 言語化するのは本当に難しかった。

そうじゃない。

鼻の奥に何かが、 ツンと詰まる感じがした。

違う。

違うよ…………、

そうじゃない、

俺は君に会うために、 死のうとしてたわけで、

じゃぁ、それなら……、

……君に会えた以上、 願いは叶ってる。

だから、断らないと。

肯定する意味は無かった。

だから、断るべきだった。

………ぁ、

どうしよう、

否定する意味が分からないや

死んで悔いる事が無かった。

死にたい訳では無い。

でも、 死にたくない訳でも無かった。

いずれ尽きる命……

なら、彼と一緒に消えた方が、 幸せだと思った。

だから断れなかった。

西改札口から、東改札口へ行き、

改札口……、駅を出た。

───────────

変に思われるから。

数分……、いや、

数時間経った頃かな、

辺りはすっかり暗くなっていて。

友達、……か、

コツコツ＿＿＿＿

キ､"ィィィ

ガチャ

NEXTepisode⇒heart.1,000