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終末の理想郷(ユートピア)

終末の理想郷(ユートピア)

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怪しげな誘い

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2020年03月19日

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お母さんが買い物に出掛けて 帰って来なくなった翌日、 私は空腹に飢えていた。

無那

お母さんもお父さんもどこ行ったの...

昨晩からお父さんも 家に帰っていない。

無那

何か事故に遭ったのかな...?

私は必死に警察へ連絡したが 全く繋がらなかった。

無那

何で...?まさか隕石のせい...?

私は必死にSNSで 今の状況を検索した。

すると、ある画像がヒットした。

無那

何...これ...

燃える住宅街、破壊された車...

それはまるでこの世の終わり のような画像だった。

無那

う、嘘だよね...こんなの...

そうだ、所詮はネットの画像だ。 デマに違いない。

無那

危なっ...思わず鵜呑みにするところだったぁ...

そんなデマに惑わされていると 再び私のお腹が鳴った。

何かを作ろうにも 冷蔵庫の中は空っぽだ。

無那

そうだ‼︎もしかしたらスーパーに行けばお母さんがいるかもしれない‼︎

安直な考えだが、私が希望を 持つには充分だった。

そして私は着替えて お金を持って外に出た。

閑静な住宅街、 しかし何かがおかしい。

無那

な、何で...

目に飛び込んできたのは荒れ果てた 住宅街の様子だった。

壁はスプレーで落書きされ、 隣人宅には割れたガラスの破片が 散乱していた。

慌てて私の家の壁も確認すると 低レベルな悪口が書かれていた。

無那

誰がこんな事を...‼︎

私は汚れを落とそうと濡れた雑巾で 壁をゴシゴシと拭いたが 余計に範囲を広げてしまった。

無那

もういいや‼︎

私は濡れた雑巾をバケツに 放り投げ、家を後にした。

スーパーに着くと 私は店内を駆け回った。

たが店内は人の気配すらなく、 私の希望はあっけなく砕け散った。

悲しみに暮れスーパーを出ると 誰かの肩にぶつかった。

無那

うわっ‼︎

???

おっと‼︎

前を見ていなかった私は ぶつかった衝撃でドスンと 尻餅をついてしまった。

無那

いたた...

???

大丈夫かい?

するとその人は私に優しく 手を差し伸べてくれた。

無那

あ、ありがとうございます...‼︎

???

怪我はないかな?つい、よそ見をしてしまって悪かったね

無那

いえいえ‼︎私が前を見ていなかったせいなので私が悪いんです‼︎

???

いやでもボクも違う事に気を取られていたし...そうだ、せっかくの機会だしこの後お茶でもしない?

???

ぶつかったお詫びも兼ねてさ

無那

えっ⁉︎で、でも私は...

???

あ、もしかして何か用事でもある?だったらこの話は忘れて...

無那

い、いえ‼︎大丈夫です‼︎

???

でも無理してるんじゃ...

無那

いえ‼︎別に私は全然大丈夫です‼︎

無那

(ここで私が断ったらこの人に悪いし...ただお茶するだけだよね...?)

???

じゃあボクのとっておきの場所へ案内するよ

無那

(だ、大丈夫かな?誘拐とかされたりしないかな...)

そんな不安を装いながら私は その人について行った。

終末の理想郷(ユートピア)

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