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楓花とふたりで、このカフェに入るのは この日がはじめてだった。
彼女が話してた 駅前の小さなガラス張りの店。 窓際の席に座ると、夕陽がゆっくりと 斜めから差し込んできた。
及川 徹
秋保 楓花
彼女がカップを持ち上げて スプーンでゆっくりとかき混ぜた
静かで、優しくて ふいに見せるまっすぐな目が ずっと、心に残ってた。
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
彼女は、一瞬きょとんとして── そのあと、すごく恥ずかしそうに 目を伏せた。
秋保 楓花
俺はそっと、テーブルの上に手を伸ばした。 彼女の指先に そっと自分の指先が触れるくらい。
及川 徹
彼女は、こくんと頷いた。 ちょっと赤くなった頬が 夕陽に照らされてあたたかく見えた。
──彼女のとなりにいられること。 それだけで、今日の空が 特別な色をしていた。
駅へ向かう途中 俺は告白の余韻をまだ引きずっていて すっかりテンションがおかしかった。
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
彼女はそっと俺の袖を引いた。
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
頬を染めながら、彼女はふっと笑った。 その笑顔が たまらなくかわいかった
明日から、どんな顔して話せばいいんだろう。 なんて呼べばいい? 手、どのタイミングで繋げばいい?
わかんない。 でも、それがたまらなく―― 嬉しいと思った。
どきどきして、そわそわして、 どうしようもなく、彼女のことばっか考えて。
この感情が、たぶん恋なんだって。 今までとは全然違う“好き”なんだって やっとわかった。
初デート
駅前の時計台 待ち合わせよりちょっと早く着いた俺は スマホを何度も見てたくせに、 彼女の姿が見えた瞬間、時間なんて吹っ飛んだ。
制服じゃなくて、 ふだん見慣れた雰囲気とはどこか違う 白のブラウスに淡い水色のスカート姿に 思わず見惚れてしまった
秋保 楓花
及川 徹
いつもの調子が出せない自分が ちょっと悔しかった。
映画の時間までまだあるからって、 モールのお店をふたりで回った。 隣を歩いてるだけなのに、なんか距離が近い気がして 肩が変にこわばった。
映画館では ポップコーンをふたりでひとつ。
少しだけ彼女の手が俺の手に触れて それがずっと気になって 内容が頭に入ってこなかった。
映画が終わったあと フードコートに向かって、 一緒にクレープを半分こした。
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
秋保 楓花
不意にそう言った彼女の声に 胸が跳ねた。
及川 徹
そう返す声が少し裏返ったのは もう忘れてほしい。
俺が差し出した手に 彼女の手がそっと重なる。
あったかかった。 想像してたよりずっと 柔らかかった。 握った指の先から、心臓の奥がじんと熱くなるのを感じた
俺たちは、少しだけお互いの顔を見て 笑った。
それだけで、言葉なんかいらないくらい ちゃんと伝わってた。 一緒にいられて幸せだってこと。
それから公園のベンチに座った。 目の前には、夕陽に染まった池と ほんのりオレンジに輝く木々。
携帯を取り出して ふと彼女に聞いてみた。
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
彼女はちょっとびっくりした顔をして すぐに、照れたように笑って頷いた。
秋保 楓花
スマホのインカメに切り替えて 俺たちは肩を寄せ合うようにして ベンチの上で並んだ。
及川 徹
📸 カシャ
画面には、すこしぎこちないけど 嬉しそうに笑うふたりが映っていた。 夕焼けが背景に染まって まるで何かの映画みたいだった。
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
そう言って彼女は俺の肩に ほんの少しだけ、頭を預けた。
その瞬間を、風も、空も、夕陽も 全部が優しく包みこんでくれた気がした。
こんな時間が、ずっと続けばいいのに―― 本気で、そう思った。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡50