あいして

月島side

分かってる。

誰よりも、何倍も小さくて、可愛らしい日向。

初めて会った時も可笑しいと思ったから。

あんな小さな子が高校生なんてありえないって。

絶対何かあるって。

日向から聞いて分かった。

日向は虐待されてる。

可愛らしい日向を、救わなきゃ。

大丈夫だよ、日向。

僕らが守ってあげる。

抱っこには慣れてない。

くすぐったくて、なんか、怖い。

ﾀﾞｷｯ

褒めて貰えた。

嬉しい。

もっと、褒められたい。

やっぱり褒められるのは嬉しい。

家ではこんな事無いから。

それから2週間、治るまで何もしなかった。

部活が終わった後は影山、月島に抱っこされて家まで送ってくれる。

菅原さんもみんなも抱っこしてくれる。

約束を守ったらみんなに褒めてもらえる。

嬉しくて、楽しい。

この2人はいつも一緒。

朝も、昼休みも、部活中も、帰りも。

ともだち···なれてるかな？

母さんたちが帰ってくるまで早く家事を終わらせなきゃ。

また怒られちゃう。

俺が怪我してもお構いなし。

この人たちはどうしてこんなに怒ってるんだろう。

こわい。

ゴミ箱で拾ったノートに日記を書く。

これは先生から進められたものだ。

日記を書いてればいつかはひらがなが書けるようになるんじゃないかって。

自分の思いを書いてるとちょっとだけ気持ちが晴れる。

明日も頑張れる。

影山たちが居るから。

俺を褒めてくれるから。

傍に居てくれるから。

頑張ろ。