千世
着いたっと
千世
やっぱり山登るのはきついけどいい運動になるな
千世
お参りしよ
シャラシャラ
千世
誰かを救える人になれますように
シャラシャラ
千世
(鈴鳴らしてないのに鳴った)
凪
素敵なお願い事だね
千世
⁈
千世
(すごく綺麗な顔…)
千世
(モデルさんみたい)
千世
私、口に出てた…?
凪
うん、出てた
凪
けど立派なお願い事だったから
凪
つい話しかけちゃった
千世
貴方は誰?
凪
僕は凪。
よろしくね千世
よろしくね千世
千世
どうして私の名前を…
凪
さぁ何でだろう?
凪
毎日ここに来る君を見ていたからかな?
千世
毎日私のこと見てたの?
凪
うん、毎日
凪
いつ話しかけようか分からなくって
千世
いつから…?
凪
気づけば2年過ぎてた
千世
に、2年⁈
凪
それほど見飽きなかったんだよ
凪
千世はね
千世
そっか
凪
ねぇ、また僕と話してくれる?
千世
勿論だよ!
千世
私も話聞いてほしい時あるから
凪
ありがと!
凪
明日この稲荷山神社の神木の下で待ってて
千世
分かった
凪
じゃあね
千世
じゃあね
千世
(今のはなんだったんだろう…)
千世
(けど…なぜか懐かしい感じがした)
石成家
千世
ただいま戻りました…
父上
千世!こんな時間までどこ行ってたんだ!
母上
貴方は石成家の人間なのよ
母上
しっかりしなさい!
千世
はい…
千世
(こうなることが分かってたから帰れないんじゃん)
父上
早く部屋に戻って勉強しなさい!
千世
はい…
千世
(なんでこんなに苦しいんだろう)
自室
千世
なんでこんなに苦しまなくちゃいけないの…?
千世
なんでこんなに悲しいの…?
千世
こんな家もうやだ…
ガチャ
駿兄さん
千世ー
千世
なに…?
駿兄さん
(この部屋に充満している香り…とても泣きそうになる)
駿兄さん
あんまり思いつめない方がいいぞ
千世
私が妖怪と戦えないと分かっただけで父上と母上はあの態度なんだよ?
千世
この家はおかしいよ…
駿兄さん
千世それはな…
千世
言い訳なんてやめて!
千世
才能のあるお兄ちゃんになにが分かんの?
千世
私今度から帰りが遅くなると思う
千世
もしかしたら帰らない時もあるかもしれない
千世
その時はおねがい…
駿兄さん
…
千世
出ていって…
バタンッ
千世
(もうどうすればいいんだろう…)
千世
とりあえず寝よ