この作品はいかがでしたか?
21
この作品はいかがでしたか?
21
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ザァァァァァァァァッ
I
I
雨が降り頻る中、 傘を差す人々を、 当たらないように 避けながら、息を 切らしてただ走る。
I
そう、届くはずもない 愚痴をこぼす。
折角の休みだったのだが、 上司に会社に呼び出され、 仕事を押し付けられた。
そして予報に無い 突然の大雨。
通り雨だろう、と 会社の近くで時間を潰し、 待ってはいたが、 止む気配が全くない。
今日届く荷物がある為、 もう帰らないと流石に やばいと思った俺は、 やむを得ず走って、 濡れながら家まで帰っている、 というわけだ。 (置き配だが、雨には濡れる)
その所為か、周りから かなり変な目で 見られている気がする。
それはそうだろう。 スーツを着て、革の鞄を 持ったサラリーマンが 革靴でびしょ濡れに なりながら走っているのだ。
I
道端で、雨に濡れるのも 構わず蹲っている人影。
時折、啜り泣く声と 嗚咽が聞こえる。
その目の前を行き交う 人々は、見向きもせずに 通り過ぎて行く。
何故か俺は、その人影から 目が離せなくなった。
そしてそのまま、 引きつけられるように 無心で足を動かした。
I
俺は、その人影に 声をかけた。 ビクつく肩、反射的に こちらへ向けられる顔。 アヤナスピネルのような 大きな瞳が見開かれ、 開いた口からは、尖った 八重歯が覗いている。 そして、薄桃色に染まった 頰には涙の跡。
N
何故か聞き覚えのある声。
声も顔も、 誰かに似ている。
会ったことなんてないはず なのに、なんだか懐かしい ような感じがした。
I
N
気づけば俺は、名前も 知らない、桃髪の彼の 白い細腕を掴み、驚くような 声と表情の彼の腕を引っ張って 他のものに目もくれず、 周りの目もお構いなしに 自分の家の方へと 駆け出していた。
I
N
連れて帰ってきたは いいものの…
……気まずいッッッッ!!
え、2人ともびしょ濡れの まま、名前も知らない 初対面らしき男2人が ちょっと離れて床に 座ってんだぞ?? どんな絵面だよマジで。 側から見たら関係性 不明すぎて通報されるわ (※多分されません)
I
I
N
I
I
N
N
いや、気まず。 てか、知らん人に服とか 風呂とか貸しても ええんかな…?
I