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ザァァァァァァァァッ

I

…はぁッ…はぁッ……

I

最ッッ悪………

雨が降り頻る中、 傘を差す人々を、 当たらないように 避けながら、息を 切らしてただ走る。

I

クソ上司ぃぃ"ッッ……!!!!

そう、届くはずもない 愚痴をこぼす。

折角の休みだったのだが、 上司に会社に呼び出され、 仕事を押し付けられた。

そして予報に無い 突然の大雨。

通り雨だろう、と 会社の近くで時間を潰し、 待ってはいたが、 止む気配が全くない。

今日届く荷物がある為、 もう帰らないと流石に やばいと思った俺は、 やむを得ず走って、 濡れながら家まで帰っている、 というわけだ。 (置き配だが、雨には濡れる)

その所為か、周りから かなり変な目で 見られている気がする。

それはそうだろう。 スーツを着て、革の鞄を 持ったサラリーマンが 革靴でびしょ濡れに なりながら走っているのだ。

I

…って、何あれ…??

道端で、雨に濡れるのも 構わず蹲っている人影。

時折、啜り泣く声と 嗚咽が聞こえる。

その目の前を行き交う 人々は、見向きもせずに 通り過ぎて行く。

何故か俺は、その人影から 目が離せなくなった。

そしてそのまま、 引きつけられるように 無心で足を動かした。

I

あの……ッ

俺は、その人影に 声をかけた。 ビクつく肩、反射的に こちらへ向けられる顔。 アヤナスピネルのような 大きな瞳が見開かれ、 開いた口からは、尖った 八重歯が覗いている。 そして、薄桃色に染まった 頰には涙の跡。

N

は、はい…ッ……?

何故か聞き覚えのある声。

声も顔も、 誰かに似ている。

会ったことなんてないはず なのに、なんだか懐かしい ような感じがした。

I

ガシッ

N

へ、ッ……!?

気づけば俺は、名前も 知らない、桃髪の彼の 白い細腕を掴み、驚くような 声と表情の彼の腕を引っ張って 他のものに目もくれず、 周りの目もお構いなしに 自分の家の方へと 駆け出していた。

I

………

N

ぁ……えと………

連れて帰ってきたは いいものの…

……気まずいッッッッ!!

え、2人ともびしょ濡れの まま、名前も知らない 初対面らしき男2人が ちょっと離れて床に 座ってんだぞ?? どんな絵面だよマジで。 側から見たら関係性 不明すぎて通報されるわ (※多分されません)

I

…と、とりあえず……

I

風呂、入ってき………??

N

え、……ぁ、
は、はい…?

I

あ、風呂はあっちな
(指差す)

I

タオルとか着替えは
置いとくから……

N

ありがとう…
ございます……?

N

テクテクテクテクテク

いや、気まず。 てか、知らん人に服とか 風呂とか貸しても ええんかな…?

I

てか、普通にタメ口で
喋ってしもうたけど、
年下、やんな……??

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