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杏堂〇〇

其れで頭がボーッとする香りで油断させて

杏堂〇〇

やっとの思いで逃げて来た訳ー!!

カウンター机に荒々しくカクテルの入ったグラスを置く。

中に入った氷がカランと音を立てた。

樋口一葉

まあまあ落ち着いて下さい

立原道造

〇〇さんも大変だな〜笑

広津柳浪

何時もの事だ

今居るのは行き付けのバー。

愚痴を聞いて貰おうと(半ば強制的に)樋口ちゃんと立原君、 広津さんと私で少し飲む事にしたのだ。

(因みに銀ちゃんはお酒飲めないのでお休み‪ 𓈒𓏸)

立原道造

で、結局お二人はどうしたんです?

立原道造

黙って帰るタイプじゃ無いっスよね

グラスを手で揺らしながら立原が聞く。

彼は此の手の相談を聞くのが上手で、 よく相手をしてくれる。

杏堂〇〇

探し回っただろうね

杏堂〇〇

でも何とか一日逃げ切りましたよ

樋口一葉

其れは其れはお疲れ様です…

苦笑いをしながら云ったのは樋口ちゃん。

彼女もよく相談に乗ってくれる。

偶に買い物とかにも行くような友達だ。

広津柳浪

真面目に聞かないからそう成るのだろう

広津柳浪

話を聞いてやれば善いではないか

冷静に云う広津さん。

彼は先代首領の頃からポートマフィアに居る所謂古株で 昔から世話になっている。

冷たい事を云って居る様だが面倒見の良い人だ。

杏堂〇〇

もう広津さんってば冷たいッッッ!

杏堂〇〇

あんな御遊びに真剣に向き合ってどうするんですか!

樋口一葉

え、御遊び?

立原道造

〇〇さん、多分二人共本気…

杏堂〇〇

立原君まで揶揄わないで!

杏堂〇〇

マスター、ボッチボールもう一杯!

マスター

はいはい

ヤケになって四杯目のお酒を注文する。

ボッチボール。フルーティで飲みやすいカクテル。

杏仁やオレンジの香りがお気に入りの甘いお酒だ。

立原道造

(揶揄ってる訳じゃ無ェんだけどなぁ)

樋口一葉

(鈍感…)

広津柳浪

(太宰と中原も中々の苦労人だな)

出されたカクテルを一口飲むと携帯電話が振動する。

画面には「中原中也」という文字が。

杏堂〇〇

ゲッ、かかってきた…

立原道造

早く出てあげて下さいよ

杏堂〇〇

え〜、出なきゃダメ?

広津柳浪

一応な

杏堂〇〇

う"〜

怒られる事は分かっていたが渋々通話釦を押して 携帯電話を右耳に近付ける。

杏堂〇〇

もしもし、

中原中也

何処に居ンだ手前!」

高叫びに近い怒鳴り声に耳がキーンとなる。

思わず携帯を耳から離してしまったが 直ぐに元に戻して謝った。

杏堂〇〇

ご、ごめんって

杏堂〇〇

今一寸飲みに行ってる

中原中也

無事なんだな?」

杏堂〇〇

……無事?

杏堂〇〇

うん、何とも無いけど

今度はデッカイ安堵の溜息が流れる。

心配させるなとかブツブツ文句を垂れていた。

杏堂〇〇

(あれ、怒ってない?)

杏堂〇〇

怒ってないの?

中原中也

怒ってるに決まってンだろ!」

中原中也

話し中に突然居なくなるわ」

中原中也

何回連絡しても既読着かないわ」

中原中也

何とも無くて善かった…」

どうやら怒りより心配が勝っていたらしい。

何だか悪いことしちゃったな…。

双 黒 に 狙 わ れ て ま す

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