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次の日

〜真冬 side〜

翔太

2人とも、“明治”と言ったら何が思いつく?

特に用事も意味もなく、 僕の家に集まったいつもの3人

ぼーっとつけっぱなしのテレビを 眺めていると、天ちゃんが そんなことを聞いてきた

たしかに今、画面の奥で 福沢諭吉の話が上がってるけど……

彼方

……板チョコ

真冬

そらるさん、そっちの“明治”じゃなくて、“明治時代”の話をしてるんだと思いますよ

少し考える素振りをしてから答えた そらるさんにツッコむ

歴史の話をテレビでしてる中、 なんで某お菓子メーカーの方が 先に出てきたんだろう

翔太

まぁ、今時“明治”って言ったらそれも出てくるよねぇ……。

翔太

じゃあまふ君は?

真冬

僕は……歴史の話で言うなら、“学問のすゝめ”とか?

福沢諭吉といったらこれ

シリーズ化されてたもので、人が 平等とか何とか……たしかそんな事が 書かれてるものだったような

彼方

懐かしいなそれ……

翔太

あ〜、“学問のすゝめ”かぁ

後は、政治の面でも色々と 起きてた印象がある

翔太

流行った頃最初の方だけ追っかけてたっけ……

不意に、天ちゃんがぼそりと呟いた

真冬

えっ?

翔太

ん? どうかした?

真冬

う、ううん、何でもない

“流行った頃に追っかけてた”って…… どういうこと?

真冬

(学校で習った頃の話……だよね……?)

だって、流石に天ちゃんが明治を 生きてたわけないし……

翔太

そういえば、暦が変わったのも明治なんだよね。太陰太陽暦から、今の太陽暦に

真冬

そうだっけ?

天ちゃんって、歴史得意だったっけ

今までそんな印象はなかったから、 色々と話してるのがちょっと意外だ

翔太

うん。それも、国が勝手に決めちゃってね?

翔太

切り替わる年の12月がたった2日で終わって、12月3日が急にお正月になっちゃってさ。

翔太

あれはほんとびっくりしたなぁ……

まるで、本当に体験してきた思い出を 語るように話す天ちゃん

翔太

年末年始の掃除とか準備とかも大変で……

彼方

やけに詳しいな、昔のこと

天ちゃんが話してる途中、 話を遮ってそらるさんが言う

翔太

えっ? あ〜……実は僕、歴史が好きなんですよ。明治時代が特に

彼方

へぇ、知らなかった

歴史が得意な人って、まるで本当に その時代を見てきたかのように話す 人が、たまにいるんだよね

天ちゃんもそれぐらい好きなのかな?

翔太

…………懐かしいなぁ……

また何か呟いたみたいだけど、今度は 声が小さすぎて、よく聞こえなかった

彼方

そういえば天月、ずっとその耳飾りつけてるよな

今度は、そらるさんが 天ちゃんに質問する

翔太

これですか?

そう言って、天ちゃんが 自分の左耳を指差した

いつもつけてる、 鈴が付いた赤い耳飾り

昔からリアルで会った時は 絶対につけてるのを見るし、よほど 大切な物なのは間違いない

真冬

何か思い入れとかあるの?

僕も気になって、そらるさんに 乗って聞いてみる

翔太

んー、思い入れというか……。

翔太

実は僕、魔力が人より極端に少なくて。それを補う為に、これをもらったんだ

へぇ、魔法関係のものだったんだ

魔力がほとんどない……それを補う ってことは、魔力の増幅機能の ようなものがあるのだろうか

何にしろ、こういうものの存在は 初めて知ったし、僕はなんとも 言えないけど

翔太

ざっくり言うと、献血の魔力版みたいな感じ?

翔太

これを器代わりにして、他の人から魔力を分け与えてもらってて。僕はいつもそれを使わせてもらってるんだ

魔力を分け与えて……ってことは、 相手は同じ属性の人かな

天ちゃんは光属性だし、同じ光の人?

彼方

誰に貰ったの?

そらるさんも気になったらしい

翔太

それはグレ……っお、オルコットさんから!

翔太

オルコットさんお手製で、魔力もその人から貰ってるんですっ

オルコットさん……?

真冬

ノアさんから?

翔太

う、うん。そう

ノアさんからそんな話は 聞いたことないけど……

彼方

……もう魔力なんてほとんど残ってなくない?

翔太

えっ、?

そらるさんが、天ちゃんの 耳飾りを見ながら言う

目が薄灰色になってる…… ってことは、何かしたんだろうか

真冬

分かるんですか?

ノアさんも持ってる、人の魔力を 感知できるこの力、相変わらず僕には 分からないなぁ……

2人には、いつか使えるようになる、 とは言われてるけど

彼方

別に、何となく

翔太

あ、あ〜、それなら、そろそろ補充してもらわなきゃ……っ……

真冬

……? 天ちゃん?

話の途中で黙った天ちゃんを見ると、 何故か俯いて、暗い顔をしていた

翔太

……あ、何?

真冬

い、いや、何でもない……

次に顔を上げたときは、いつもの笑顔

でも、いつもと少し違う

……これは、無理に 笑ってる人の笑顔だ

2年前の“事件”の後、 僕も同じだったから分かる

天ちゃんも、過去に 何かあったのだろうか

真冬

……天月君。何かあったなら、話聞くよ?

できるだけ優しく、声をかけてみる

翔太

っ……!

こういうのは、 言ってしまえば楽になる

僕にそう教えてくれたのは、 うらさか月の3人

だから、“あの時”そうしてくれた ように、僕も彼の力になりたい

翔太

っ……ごめんね……

震えたか細い声で、 それだけ呟いた天月君

“ごめん”って、どういう意味の……

翔太

……ご、ごめん! ちょっと急用思い出しちゃった!

真冬

えっ?

翔太

僕そろそろ行くねっ。2人ともまた!

真冬

ちょっ、天ちゃ……

慌ただしく、家から 出て行ってしまった

彼方

……まふまふ

真冬

は、はい?

彼方

俺しばらく魔法界行ってる

真冬

えっ? ……って、ちょっと!?

僕の声に耳を傾けてくれず、 ソファに座って目を閉じた後、 少しして消えてしまったそらるさん

真冬

ふ、2人とも、どうしちゃったの……?

僕は、あの2人といるべきじゃない

もう人と関わるべきじゃない

本当なら、あの時僕が……

……違うな、僕は 死んでおくべきだったんだ

そしたら、僕もみんなも……こんなに 長い間、沢山の人を苦しめずに済んだ

「何かあったなら、話聞くよ」

翔太

っ……

さっき、まふ君が言ってくれた言葉

そう言ってくれて嬉しかった、 全部話してしまおうと思った

でも、話してしまったら……

翔太

(2人なら、裏切らないでいてくれるって、分かってるけどっ……)

……“これ”が、2人を 苦しめることには変わりない

だから逃げてきてしまった

「本当に、“魔法使い”だよな?」

これは、少し前に そらるさんに言われたこと

そう聞かれた時、正直びっくりした

全部、見透かされてるみたいで

あの2人は、きっともう 気づき始めてる

その上で、僕を仲間と言ってくれてる

……それが、どうしようもなく辛い

翔太

もう……終わったほうが、いいよね……

ねぇ……

……“俺”も、そう思うでしょ?

かえで

かえでです

かえで

どんどん不穏になっていきますよまほうた…

かえで

今回のこの明治の話ですが、書く時めっちゃ調べたんですよねw

かえで

社会は苦手分野だけど、調べるうちに「私歴史いけんじゃね?」とか考えてました←無謀だからやめとけ

かえで

歴史の話を見てきたかのように話す人は、主にうちの弟など…←

かえで

ちなみに、そらるさんが言ってた“明治”はこれです↓

かえで

実は昨日食べたっていうw

かえで

さてさて、本編では一体これから何が起きるのか……

かえで

天ちゃんの隠し事とは…?

かえで

おつえで!

魔法使いは何を唱う?

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50

コメント

2

ユーザー

う〜ん…もっと不穏な空気に… ただあまちゃんが隠してることは 相当重いし、辛いし、苦しいことってことは 何となくわかる…あの時死んでおくべき だったってどうゆうこと? まふくんの言ってた2年前のこととかと 関係あるのかな? 昔に詳しいのも引っかかるなぁ… 疑問で不思議なことしかない!!!!!!! 続き楽しみにしています!!!!!!!!!

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