骸花嫁の旅

棺の中のはずなのにも関わらず…はっきりと太陽から発せられる光に思わず顔を覆ってしまった。 光がきっかけに私の意識がはっきりしてくる。

ゆっくりと身体を起こし棺の扉を開ける 棺の外は見慣れた教会兼自宅であり、

安心したのだろうか、お腹の音が鳴り空腹な事に気づき

寝起きの重い足取りで台所に立ち とっくに切れている賞味期限を気にもとめずにヨーグルトを頬張る

戦争でかろうじて生き残っていた人間たちは絶滅しているだろう、

食べ残した味のないヨーグルトを台所に置き、教会内の自室に戻る

ﾂﾂ、ﾂﾂとモールス信号を流すが一向に返事が来ず諦め、

自身の生まれた場所とも言えるその研究室を思い浮かべ、

長い道のりを耐える為の支度を始めるのであった。