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突然ですが、皆さん

俺はどうしたらいいんですか…?

俺は今、 超変人女装男子に迫られている。

いや、見た目は 超絶美少女…なんだけどさっ。

佐知川 琴

今日はどんな恋、したいわけ…?

よく考えてみたんだ。 どんな恋…とはズバリなに?

俺は純粋なDK。 大好きなのは可愛い女の子。

しかし、中身も女の子に限る。

そんな俺に、 中身男のやつが『恋しよう…?』

猪又 修司

一体どういうことじゃ

佐知川 琴

ま、お客さんはじめてだから特別僕が説明してあげるよ。

中身少年な美少女が、 向かいのテーブルからニヤリと笑う

こういう顔されると たまらなくぎゅんってなるから やめてほしい

佐知川 琴

ここ、『ぼーいみーつ』は恋愛シュミレーションができるメイド喫茶なんだ。

佐知川 琴

まぁレンタル彼氏の店内版とでもいえばいいのかな。

佐知川 琴

だからまぁ、容量はレンタルなんちゃらと同じだよ。

佐知川 琴

手を繋ぐのは極力まるなんだけど、

佐知川 琴

ちゅーとか、過激なものはオプション料金いただくんだよね。

佐知川 琴

もちろん、ここはメイド喫茶。
ドリンク1つ注文につき、いろんなことができるよ。

猪又 修司

はぁ、

猪又 修司

猪又 修司

意味分かんないんで、やっぱ帰る

佐知川 琴

佐知川 琴

ガチでいってんの、君

猪又 修司

あぁ、ガチ

猪又 修司

だって簡単に言うとレンタル彼氏なんだろ?

猪又 修司

俺、そういう趣味じゃないし。

猪又 修司

それに所詮レンタルじゃん。
お金払ってなんぼのやつじゃん。

猪又 修司

そんな腐ったれたもん興味ない。

猪又 修司

今からギャルゲー買いに行って、おとなしくクリスマスイブを過ごす。

猪又 修司

俺にはそれが相応しいんだよ

佐知川 琴

佐知川 琴

あんまり言いたくないんだけどさぁあ?

猪又 修司

なんだよ、女装

佐知川 琴

うわ、腹立つ。
こ○してやろーかな。

猪又 修司

すんません。

佐知川 琴

ぶっちゃけるけど、

佐知川 琴

君の好きなそのギャルゲー。

佐知川 琴

それも結局偽りの恋でしょ。

佐知川 琴

今からやることと違いなんてないじゃん。

猪又 修司

ぎく

確かに…。

でもそう言われると もう何も言えないんだよなぁぁ

佐知川 琴

現実逃避も、時には大切なんじゃん?

猪又 修司

……

その時のそいつの顔は

なんだか寂しそうだった。

目を伏せ発せられた 低めの声音が俺の耳に入り、

何かをざわつかせた。

猪又 修司

ならさ。

猪又 修司

猪又 修司

俺を楽しませてみろよ。

佐知川 琴

へっ、?

気づけば俺は、 テーブルの向かいに座るそいつの 髪の束を右手で掴んでいた。

俺はなにやってんだぁぁあ!!

佐知川 琴

佐知川 琴

積極的じゃん

猪又 修司

うるさい、からかっただけじゃ

佐知川 琴

ならオプション料金とってもいい?

猪又 修司

馬鹿いえ、ドリンク頼むわ。

佐知川 琴

まいどありご主人様♥

猪又 修司

口調どうにかならんのか笑

佐知川 琴

それはオプションで変えられるよ

猪又 修司

これほどオプションというワードに
恐怖を覚えたことはあっただろうか

佐知川 琴

ふふ♥

なんだか、 こうして普通に話してると

リア充になったというより、 少し友好的な関係でいる 女子と話している気分だ。

まぁ、こいつが女って思えば… 別に…

マッチョメイド

琴ちゃん、そろそろ時間だよ

でもその言葉を堺に、 俺は現実へと引き戻された。

佐知川 琴

え、

猪又 修司

ん?なんだ?

佐知川 琴

ごめん、僕…

佐知川 琴

佐知川 琴

今日はもう帰らなきゃ。

猪又 修司

上がりか…?

猪又 修司

でも、普通接客くらい…

佐知川 琴

猪又 修司

いや、なんでもねぇよ

猪又 修司

なら俺も帰るからさ。

佐知川 琴

ごめんね、また今度来てくれたら嬉しいな…

猪又 修司

さぁ、な

まただった。

そいつが変な表情を見せたから、 俺はなぜか食い下がってしまった。

マッチョメイド

ありがとう御座いましたー

猪又 修司

おーう

猪又 修司

なんか よくわかんない時間だったけど、

なんだかすごく疲れた。

そして『もう二度とこねぇ』 そう誓った。

まぁまさか、 これでこの出会いが終わらないとは…

この時の俺は知る由もなかったわ。

猪又 修司

ぼけーー…っとな

結局俺はその日、 ギャルゲーをすることもなく

ただボーッとした クリスマスイブを過ごした。

猪又 カエデ

お兄ちゃん、ケーキ食べたーい

中3の妹が 俺の部屋に出現した。

猪又 修司

買ってきてくれんの。
あざーーーー

猪又 カエデ

何いってんの、こんな時間に女の子外に出そうとするとか

猪又 カエデ

恥ずかしいと思わんの?

猪又 カエデ

ほんとくそ兄貴

猪又 修司

いいね、もっと罵声浴びさせて

猪又 カエデ

キモい。

勢いよくしまった部屋のとびらを しばらくの間俺は見つめていた。

猪又 修司

なんだか、あいつ気になるなぁ

女装なんて正気じゃない。

それに可愛い。

なーーーんか気になって仕方ない…。

猪又 修司

でも、

猪又 修司

あいつと恋愛するのは危険だな。

ひとりでに納得すると、 俺はそのまま眠りについた。

それから一週間くらいたった頃。

その日は元日。 両親と妹が初詣に行っている中、

俺はなぜか頼まれたお使いの コンビニの帰りだった。

猪又 修司

まぁ…?別に?

猪又 修司

俺みたいなオタクは、あんなざわざわした人混み好まんのだがね!!!

猪又 修司

誘いくらいされたかったね!

猪又 修司

起きたらいないとか寂しいよ!?

馬鹿みたいに独り言を叫びながら、 コンビニの袋を振り回す。

中に入っている牛乳が 今頃泡立っているだろう。

猪又 修司

猪又 修司

あーー、であいてぇ…

俺は心の叫びを漏らすとき、 本当に 何かと出会ってしまうのかもしれない

ガツンと身体に衝撃がはしった。 頭下から小さな悲鳴がきこえる。

猪又 修司

んおっ、

気づけばそこは曲がり角で、 俺はよそ見をしていて 誰かとぶつかってしまったらしい…

猪又 修司

すみませんっ、怪我は…

???

???

っち

え?なに今の。 舌打ち…?幻聴?

???

どこみて歩いてんだよおっさんー!

幻聴じゃなかった。 南無阿弥陀仏。

猪又 修司

えぇ、そんな怒る…

猪又 修司

それとおっさんて……俺は高2やぞ

???

うるせぇな…くそ。

よく見ると、俺を見上げるそいつは どことなく美少年雰囲気を 醸し出している

元日だというのに、 隣の結構頭のいい高校の 学ランを身につけている。

綺麗な顔立ちだなー、 なんて見惚れていると 突然脇腹をグーパンされた。

猪又 修司

ぐえっ、いたぁあ!!

???

しるか!あっかんべー!!

ん?なんか聞いたことあるぞ、 この声。

猪又 修司

お前、俺とあったことない…?

???

は、はぁ…?

???

あるわけ……

???

???

ないね。

猪又 修司

んっと、こんなとこに名札発見。

猪又 修司

さっきの衝撃で落としてるやん

???

って、わぁぁぁあああ!!!

コンクリートの上に落ちてある 黄色の板を拾い上げると

目線のところまで持ち上げてみる。 『柚子浜 美琴』

猪又 修司

ゆしはま…?

???

『ゆずはま』だわばーーーか

猪又 修司

ん?なんかこの会話前にも…

柚子浜 美琴

してねぇよ。お前だれだよ

猪又 修司

ま、何はともあれ、

猪又 修司

勘違いだったわ、すまんな。

猪又 修司

運命の出会いかと思ったのによ

柚子浜 美琴

浮かれんなぼけ

柚子浜 美琴

んなことあるわけないんだよ

猪又 修司

猪又 修司

あぁ、そうだな

俺は名札を少年に返して、 その場を去ろうとする。

しかし背後から 少年が俺の腕を引く。

猪又 修司

なんだよ、

柚子浜 美琴

柚子浜 美琴

え、いや……

柚子浜 美琴

なんでも、ないんだけどさ。

猪又 修司

あぁ…?

柚子浜 美琴

猪又 修司

猪又 修司

あぁ、お前。

猪又 修司

あの時の。

柚子浜 美琴

え、今気づくんだ。

猪又 修司

おう、俺ってば鈍感。

まぁ嘘だけど。

声聞いてすぐわかったわ。

俺の声優さんらぶな ギャルゲー耳を舐めるな

猪又 修司

お前ずいぶん夜とは雰囲気違うんだな。

猪又 修司

びっくりした。

柚子浜 美琴

好きにいえば…

柚子浜 美琴

女っぽいのは変わんないんだから

猪又 修司

あぁ笑笑笑
本名とかなぁ!!笑

柚子浜 美琴

お前ほんと死にさらせ!

猪又 修司

そんな罵声あびても嬉しくなんかないんだからねっ

柚子浜 美琴

相変わらずキモいな。

猪又 修司

んでさ、

猪又 修司

ほんとなによ

猪又 修司

俺暇じゃないんだよね…

猪又 修司

猪又 修司

なんて言ってみたいけど、ずっと暇

柚子浜 美琴

おい笑

猪又 修司

何か悩んでることあるとか…?

柚子浜 美琴

なんでっ…!

猪又 修司

だって、自分を商売に使う奴が
客に素顔みせるかよ。

柚子浜 美琴

それはっ………

猪又 修司

猪又 修司

俺でよければ聞くよ

猪又 修司

現実逃避だってしてんだろ、

柚子浜 美琴

柚子浜 美琴

うん。

猪又 修司

お前の事情はよくわからんが、
話したくないならそれでもいいわ

猪又 修司

でもよ、

猪又 修司

猪又 修司

相談にのってほしいから
俺を頼ってんだろ

猪又 修司

猪又 修司

ずっと我慢してたんか。

柚子浜 美琴

っ………

柚子浜 美琴

柚子浜 美琴

うざぁ…

猪又 修司

えぇ!?
俺すごく良いこと言ったのに!

柚子浜 美琴

めっちゃきもい…

柚子浜 美琴

それにうざい…

柚子浜 美琴

でも、さ

柚子浜 美琴

柚子浜 美琴

すき

猪又 修司

はっ、?

その瞬間、風がふいた。

俺の背後をとるように、 少年が抱きついてくる。

猪又 修司

え、ちょ…、

どうしていいのかわからぬまま、 俺はしばらく固まっていた。

柚子浜 美琴

僕と、付き合ってよ。

猪又 修司

っはぁ!!!?

神様、

俺が求めていたラブコメとは、 少し違いませんか?

その3へ続く。

コメントでの感想まってます!!

形勢逆転っ!!ギャル少年

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コメント

3

ユーザー

ツンデレ君がすきって言った瞬間 ぎゅんってなった(笑)

ユーザー

お尊かったです( ´ཫ`) 次も楽しみに待ってます!!!

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