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6月30日 日本史上最も最悪な死刑囚 といえる佐野 万次郎が死亡した。
愛凪（えな）
佐野 万次郎
愛凪（えな）
愛凪（えな）
愛凪（えな）
愛凪（えな）
愛凪（えな）
佐野 万次郎
愛凪（えな）
愛凪（えな）
愛凪（えな）
佐野 万次郎
佐野 万次郎
愛凪（えな）
愛凪（えな）
最後に残された会談で この部分だけは聞き取れなかったという
この会談でなにを話したか
彼らにどんな物語があって、 どんな関係があったのか
それは、彼等にしか分からない。
橘 直人
佐野 万次郎
佐野 万次郎
この世界は美しい。
それと同じくらい狂ってる。
だからこそ、この世界は美しいの かもしれない。
佐野 万次郎
佐野 万次郎
佐野 万次郎
それが佐野 万次郎の遺した 最期の言葉だった。
愛凪（えな）
山本
愛凪（えな）
山本
山本
愛凪（えな）
愛凪（えな）
佐野 万次郎の死刑執行 3ヶ月後
雲外 愛凪の小説が約1年と半年ぶりに 発売された。
題名は"待宵"
小説は１ヶ月で脅威の15万部を突破
半年で1000万部を叩きだした。
そして、その小説を見た多くの人が
自ら命を絶ったという。
去年の自殺者が2万1818人だったのに対し
今年は5万7800人を現時点で超えてるという。
これは日本の歴代の中でも かなり飛び抜けており
日本の人口減少にも大きく関わった。
この小説は"呪われた小説"といわれ
翌年には発売を禁止にせざぬ おえなかった。
だが、この小説は tiktok、Instagram、Xを中心とする SNSで切り抜かれて投稿されたり
1部の転売ヤーから転売されたりと
未だ自殺者は増え続けている。
愛凪（えな）
貴方はいつも約束を守らない。
約束の時間からもう2年
私は未だ、あなたのいた真夏のバス停で 貴方をまっている。
愛凪（えな）
汗を拭う。
真夏のはずなのに
手がかじかむ。
ここは凍えるほど寒い。
愛凪（えな）
後、貴方はどれくらいかかるのだろうか
後、10分？
それとも1年？
それとも100年後？
貴方は約束を破らないようで、結局守る人だから。
愛凪（えな）
ﾋﾞｭｯ
愛凪（えな）
愛凪（えな）
あぁ、やっときてくれた。
愛凪（えな）
愛凪（えな）
走って、転んでまた逃げて
永遠に終わらない君との夏。
愛凪（えな）
愛凪（えな）
そうだ、私が空を飛びたかったのは
読者のためでも
万次郎のためでも
誰のためでもない。
私自身のために。
ただ私は
愛凪（えな）
この景色が見たかった。
ひとりぼっちの太陽に
雲ひとつない寂しげな空に
愛凪（えな）
私だけは
私だけは貴方のもとへ
貴方の傍にいたい。
愛凪（えな）
愛凪（えな）
この空を泳いで君のもとへ逝きたい。
山本
ﾎﾟﾁｬﾝｯ
山本
貴方は空を飛んだ。
高く、高くあの太陽を目指して
それはあまりにも 切なくて…苦しくて
とても、美しかった。
…もしも貴方に"好き"だと伝えたら
貴方はどんな顔をしたのだろうか？
きっといつものように
うざったらしく
困った顔で
あの日のように 笑ってくれたのだろうか？
貴方の物語が好きだった。
貴方の人生が好きだった。
貴方そのものが好きだった。
貴方の小説を読んだ日から ずっと、ずっと
俺の考えの中の真ん中には 貴方がいて
俺の人生は 貴方が全てだった。
でも、きっと
それと同じように 貴方もあの死刑囚を愛していた。
山本
さようなら、大好きな人
貴方を愛せて
貴方と出逢えて
俺は幸せでした。
どうか、そちらの世界では安らかに。
ﾁｭﾝﾁｭﾝｯ
山本
あぁ、なんて
ズルい人。
end.
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