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翌日 放課後の体育館

岩泉 一

──で、なんで転校生のお前が練習に混ざってんだよ

虎杖 悠仁

あはは、調査の一環ってことで!
あと、バレーはちょっとだけ興味あってさ!

及川 徹

ふぅん。ま、初心者って聞いてたし、軽く汗流すくらいにはちょうどいいかな〜?

国見 英

(……フラグ立ったな)

金田一 勇太郎

(ヤバそう)

及川 徹

よーし、じゃあせっかくだし、サーブやってみなよ。そこから打ってごらん?

虎杖 悠仁

おっけーっす!
……えっと、こんな感じで?
(とりあえず見よう見まねで打つ)

虎杖 悠仁

──うりゃあああああああっ!!!

ドゴォォン!!!

体育館に炸裂する爆音。 鋭く伸びたサーブは、及川の横を紙一重で通り抜け、壁に直撃。 バァンッ!!と反響する衝撃音に、周囲は一瞬静まり返った。

及川 徹

…………え?

ボールの風圧で、及川の髪がふわっとなびく

及川 徹

ちょ、ちょっと待って!? え、嘘でしょ!? 今のサーブ、マジで打ったの!?

虎杖 悠仁

え? うん、なんか飛んだね! 思ったより!

及川 徹

“思ったより”じゃないよ!?
命中してたら死んでたよ! この天才野生児!!

国見 英

(超引きつった顔)
あはは……わりとマジで……危なかったっすね……

金田一 勇太郎

ていうか壁にヒビ入ってない……?

及川 徹

聞いてない! 虎杖くんがバレー初心者とか、完全に詐欺だからね!? あれ殺人サーブだよ!? どういう筋肉してんの!?!?

虎杖 悠仁

えっへへ~、でもちょっと楽しいかも、バレー!

及川 徹

ダメダメダメダメ!
うちの部にそんな才能の塊が混ざったら俺の存在感が消えるから!!!

岩泉 一

落ち着け及川。お前、嫉妬全開だぞ

久遠 梓

でも……虎杖くん、本当に身体能力すごいんですね……

伏黒 恵

……あいつ、やっぱり化け物だな

任務中のちょっとした休憩時間。 私は、ペットボトルを片手にひとり水を飲んでいた。

そこへタイミングよく現れる、誰かの気配。

及川 徹

やっほー、梓ちゃんも水分補給?

久遠 梓

......はい
夏でなくても、脱水症状は気をつけなければいけません

及川 徹

そっか。俺も、ちょっと一息つきにね。
今、バレー部の子たち、ピリピリしてるから

久遠 梓

……原因は、“彼”ですか?

及川 徹

!!!
……やっぱり見えてるんだ

久遠 梓

ええ。
私の目的は、彼を祓うことですから

及川 徹

やっぱり、そういうことだったんだね

久遠 梓

あなたは、どうせ分かっていたでしょうし
今更隠す必要もありません

及川 徹

君さ、時々、すごく冷たい顔をするよね

久遠 梓

……そうでしょうか

及川 徹

そう。だけど――やさしい目もしてる

久遠 梓

……観察がお上手なんですね

及川 徹

……君みたいな子って、今まで周りにいなかったなって思って

久遠 梓

……?

及川 徹

冷たいんだけど、あったかくて。ちゃんと線引きしてるのに、こっちには踏み込んでくる

久遠 梓

……誉め言葉として、受け取っても?

及川 徹

うん。受け取ってくれたら、嬉しい

梓がふっと、風の中で小さく微笑む。 その笑顔が、ほんの一瞬、及川の胸を打った。

及川 徹

……君って、不思議だね

久遠 梓

よく言われます。あまり良い意味ではなく

及川 徹

いや――俺はちょっと、好きかも

釘崎 野薔薇

……へぇ、何イチャついてんのよ、あんたら?

及川 徹

イチャついてなんかないですぅぅ!!

久遠 梓

……及川さんが“ちょっと、好きかも"と仰っただけです

及川 徹

いやいやいや、補足の仕方が地雷過ぎるでしょ梓ちゃん!!!

岩泉 一

久遠さんを口説くなクソ及川
(  '-' )=⊃)`Д゚);、;'.・グホォ

及川 徹

ぎゃーー痛いよ岩ちゃん!!

夕焼けのオレンジが、体育館の壁を照らしていた。 風が少し冷たい。任務続きで張りつめていた神経が、じわりと弛緩する。

伏黒 恵

……風向きが変わったな。呪霊の位置も動いたかもしれない

釘崎 野薔薇

面倒くさいわね。さっさと祓って帰ろうよ

虎杖 悠仁

ん? あれ、人が来る……?

目に映ったそのシルエットに、胸が強く打ち鳴った。

乙骨 憂太

……久しぶりだね、梓ちゃん

久遠 梓

……乙骨先輩……

まるで時間が止まったようだった。 目の前にいるのが信じられない。 何度も見返した、送られてきた手紙。スマホの通知。けれど、声を聞くのは──本当に、久しぶりだった。

乙骨 憂太

遅くなって、ごめん。
……帰ってきたよ。こっちの任務、手伝わせてもらえるかな?

虎杖 悠仁

うわっ!? マジで乙骨先輩!? 海外じゃなかったの!?

伏黒 恵

……聞いてないです

釘崎 野薔薇

えっ、乙骨先輩!? それ先に言ってよ!

乙骨 憂太

元気だった?……手紙、読んでくれてた?

久遠 梓

……はい。読んでました。
……ありがとうございます

──その様子を、少し離れた場所から見ていたのは、青葉城西の大王様・及川徹。

及川 徹

(梓ちゃん、普段と全然違う雰囲気じゃん。声、トーン……表情まで……
え、なにこれ、俺の知らない顔してるんだけど? てか、誰あの爽やかイケメン!? 強いの?)

乙骨 憂太

……それにしても、君たちが頑張ってくれて助かったよ。ありがとう、皆

及川 徹

(聞いた今の!? 敵がいないタイプの天然だコレ!!)

及川 徹

(終わった……俺の、“ちょっといいかも”って気持ち。
今ので完全にフられた……
……いや、そもそも始まってすらなかったけど!?)

岩泉 一

……なに勝手に失恋してんだバカ

及川 徹

だって!! あんなの見せられたら、俺なんて……ただの高校生……!!

岩泉 一

いやお前、もともと高校生だろ。

久遠 梓

......及川さん?
岩泉さん...?

乙骨 憂太

はじめまして。乙骨憂太といいます
……よろしくお願いします

岩泉 一

お、おう。なんか……すげえ礼儀正しいな

国見 英

(存在感、すごく薄い)

及川 徹

ねえ、君、バレーは……やったことある?

乙骨 憂太

いいえ、でも皆さんが練習してるのを見るのは、好きです。...(ニコッ

及川 徹

そっか~! なら見学してってよ!

及川 徹

(なんか…なんかよくわからないけど無害そうで良い子っぽい…!
野薔薇ちゃんや梓ちゃんと違って一瞬で空気柔らかくなった気がする…!)

そんな中、ボール拾いを手伝っていた乙骨が、軽く構えたまま国見に尋ねる。

乙骨 憂太

……ごめんね、これってこの角度でトスしても大丈夫かな?

国見 英

あ、はい。
てか、普通にうまいな……

ボールがトスされた瞬間、空気が変わった。 静かなはずの彼の動きが、異様な精度を持っていた。

及川 徹

……ん? 今、ちょっと上手くなかった?

虎杖 悠仁

あ、乙骨先輩、バレーはしてないけど、運動神経すごいです!

及川 徹

(……なんなんだ、この“静かなスペックモンスター”は……!!
 っていうか、空気がやたら柔らかい
なんで転校生組、初心者ばっかのくせに、こう殺人的に運動できんの……?)

『呪いの午後、青春の手前』

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