ゆっくりとこちらを振り返る2人
その綺麗な姿は光っている
何故か恐ろしくなった自分
この醜い姿
見せたくない
見せたくなかった
怖くて
抗えなくて
ぼろぼろになった服は血まみれで
涙がさらに溢れた
裸足でいる足は寒くて
砂利の上で歩いたからか血が出ていて
口は火傷で
マスクはなくて
寒くて
俺に当たる風は痛くて
寒くて
俺を見る者の目は痛くて
寒くて
氷柱みたいで
俺から距離を取る18人
鳥肌が立つ
LAN
やッ……だ……ッ
ないこ
……ッ
LAN
いかないッ でッ……
俺を見る顔は歪んでいて
俺の口は血まみれで
歯は伸びきって
爪も伸びて
頭は痛くないのに角が生えていて
さらに遠ざかってゆく皆
置いてかないで
1人の恐怖を知らないんだろ
孤独が1番怖いんだよ
誰にも見向きもされず空気にされるのが いちばん怖いんだ
父
……
父
嗚呼…… 変わってしまったか
母
…… そうね
変わってない……から
なんにも……変わって… ない
から……
なんで ……?
なんで離れていくの……?
じゅつ……?
なぁに……?
それ……?
きけん……?
なんで… ?
おれはきけんなの……?
なんで……
やだよ……