午後の授業は
下を向いて
何とかやり過ごした
昼は話しかけられないよう
机に伏せていた
学校が終わり
僕はすぐに帰路に着いた
家の近くの角に差し掛かった
いつもはここでマスクをとる
家族に要らない心配を
かけたくないから
ただ人に会うのは怖い
そして今日は
さとくんに言われた事が
頭に残っていた
ころ
こんな自分嫌だ
マスクを取る気は起きなかった
ころ
ただいま、、、((ボソ
ギシギシ
かのん
おにぃたん
かのん
おかえりなさいパァ
ころ
、、、ただいまかのん
ころまま
ころおかえりなさい
ころ
ただいま
ころまま
あれ?マスク?
ころまま
体調悪いの?
ころまま
熱は無いわよね
ころまま
部屋で寝ておきなさい
ころまま
また薬とか渡しに行くわね
ころ
いや、いいよ
ころ
寝るだけで治るから
ころ
薬はいい
かのん
おにぃたん遊ぼ!
ころまま
かのん向こうでママと遊ぼ
かのん
あーい
部屋でもマスクを付ける
部屋には大きな姿見
ただ僕の気持ち悪い顔を
今は見たくない
ころ
死にたい
ころ
なんで、、、、
母はパートで家に居る
でも父は海外を飛び回っていて
なかなか家に居ない
そんな時かのんの相手は
僕がしている
きっと迷惑をかけている
ただそれ以上に
ころ
なんでこんな顔なんだよ
ころ
全部変わればいいのに
二重幅は広すぎ
鼻は低く
口は綺麗な形をしていない
マスクをしていると
嫌な顔も
マシに見える
ころ
明日謝らないと
そう思い
僕は眠りについた